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2018.06.16 更新:1/1


間が空いてしまいましたが、続きになります。

明日も一つ更新します。

「あれ? ねえー、インクってまだある?」

「インク? そこに買い置きがあっただろ」


 飛び交う賑やかな声の中で、ふと聞こえた会話に私は顔を起こす。どうやら、受付カウンターの内側にいる、ギルド職員たちのものだったらしい。


「あちゃー……文房具の在庫、無くなってる。こないだ買ったと思ったんだけどな」

「やけに紙の減りも早いわね。まだけっこうあったはずなのに」

「……あ! リアちゃんが来てから、魔物調査の連中、書き物ばっかりしてたわよね?!」

「ゴラァァァ! そこの変人ども、逃げんな!」


 ホールの一角から逃げ去る一団を、別の職員が猛然と追いかける。

 何だか、とっても賑やか。

 受付カウンターに歩み寄り、どうしたのかと覗き込む。


「あ、リアさん。すみません、騒いでしまって」


 セリーナが言うには、補充したばかりの文房具――人間たちが使う道具の一種だろう――がすっかり無くなってしまったのだという。魔物調査の担当たちの消費がここ最近激しいからと、彼女は嘆いた。


「仕事熱心なのは良いですが、限度というものがあります……」


 セリーナは私の灰色の頭を撫で、くるりと背を向けた。


「今は手が空いていますし、私、雑貨屋で発注してきましょうか」

「え、本当? 助かるー!」

「他にも何か必要なものがあればどうぞ。すぐに向かいますから」


 セリーナは身支度をすると、鞄を携えて受付カウンターの中から出てきた。最近はギルドのホールで過ごしているため、それが何処かに出掛けようとする仕草であるとは、私もすぐに理解した。カウンターから離れ、セリーナの前に飛び出す。


「ルゥッ!」

「きゃ! リ、リアさん、どうしたんですか」


 立ち止まったセリーナの足下で、翼を広げて懸命に鳴く。しばらくの間、セリーナは不思議そうに首を傾げていたが、その意味に気付いてくれたらしく、神妙な面持ちになった。


「……もしかして、一緒に行きたいんですか」

「ルッ!」


 こっくりと大きく頷いた途端、横からグレンが入り込んだ。


「それは、大丈夫か。前にあんな事があっただろ、人間の町は怖いんじゃ」


 言い辛そうに呟いたグレンに、私は首を横に振る。

 確かに、別の冒険者たちに捕まりそうになったあの日の記憶は、今も震えるものがあるけれど、今は少し違う。ただの好奇心だけで、行きたいわけではない。人間の町を、人間の暮らしを、もっと真剣に見たいのだ。


「ルウ! ルッ!」

「だけど……」

「ルッ!」


 ねえ、お願い! 私、今度はきちんと、人間たちを見るの!

 不安げに揺れるグレンの瞳をじっと見つめ、思いの限り訴える。しばらく渋っていたグレンだったが――やがて、大きな溜め息をこぼし、肩を落とした。





「それでは、行って参ります」

「ルルル!」


 きりっとした面持ちで告げるセリーナの隣に並び、私も片翼を高く持ち上げる。

 今回着せられた洋服は、空と同じ色をした、爽やかな水色だった。お母様や姉妹たちとは違う色彩に、私の心も思わず弾む。


「本当に、大丈夫か」

「ル!」

「ちゃんと、気を付けるんだぞ」

「ル!」


 不安げな様子を全く隠さないグレンは、何度もそう尋ねてくるが、いい加減しつこい。

 今度は大丈夫だもん! セリーナの側から離れないし!

 小さな灰色の翼でしっかり包んだ彼女の腕を、くいくいと引き、外へ向かう。その後ろから「俺はついて行かないんだぞ」「なあ、本当に良いのか」というような言葉が何度も聞こえてきたが、私はまったく振り返らずに突き進み、セリーナと共に二度目の町の散策に出発するのであった。



 こうしてギルドの外へ出るのは、裏路地で襲われかかったあの日以来だ。

 様々な音と匂いが広がる人間の町は、あの日と変わっていない。賑やかで、物珍しくて、ハーピーの住処と全く異なる風景しか見当たらない。しかし二度目だからか、私の心にもいくらか落ち着きがあった。通り過ぎる荷馬車と、それを引っ張る馬の魔物にも、ぶつからないよう注意して窺う。


「さあ、リアさん、行きましょう。離れないで下さいね」

「ル!」


 セリーナの傍らに、ぴったりとくっつく。普段は凜と澄ました表情をする彼女だが、珍しくにこにこと微笑み、嬉しそうに口元を緩めている。首筋を隠す程度に切り添えた金色の髪と、毅然とした青い瞳が、いつになく輝いて見えた。


 セリーナに導かれながら、前回とは違う道を通り、目的の店へ到着する。ギルドの建物からそう離れてはいない場所にある、雑貨屋という名のその店は、新しい未知との遭遇が詰まっていた。セリーナたちが毎日手に持っている羽根ペンとインクだけでなく、本や紙、さらには便箋や食器類などが置かれ、色とりどりのぬいぐるみなんかが棚にぎっしりと並んでいた。

 セリーナが店の人間と話している間、私は店の中を眺め見る。これもグレンが言っていた、お金というもので交換するのだろう。まだ教わっていない品も数多くあるが……一体、人間はどれほどの道具を作っているのだろう。


「リアさん、お待たせしました……あ」


 セリーナの青い瞳が、棚に並ぶぬいぐるみを見つめる。おもむろに手を伸ばすと、そのうちの一つを持ち上げた。


「ル?」

「……あ、すみません、つい」


 セリーナは苦笑を浮かべると、慌てたように棚へ戻す。しかしその目は陳列されているぬいぐるみから離れないでいる。

 セリーナ、それ好きなの?

 私が声を掛けると、彼女は凜とした表情を曇らせ、恥ずかしそうに呟いた。


「……似合いませんよね、ぬいぐるみなんて。分かってるんです、こんな目つきと外見で、女の子の趣味なんて」

「ルウ……?」

「小さい頃からそういうのが好きだったんですが……昔、知り合いの男の子に酷くからかわれ、それからずっと恥ずかしい事なのだと思ってきました。他に兄弟や姉妹もいないから、リアさんが年の離れた妹のようで……リアさんに着せる服も、つい、熱を入れてしまって」


 迷惑でしたよね、と彼女は呟く。その表情は、思い詰めたように強張っていて、私は少し慌ててしまう。どうにか励まそうと思い、広げた翼でぬいぐるみを挟み、棚から引っ張り出す。それをセリーナへ、ぐいぐいと押しつけた。


「え、リアさん……?」

「ル! ルウ!」


 私、難しい事はよく分からないけど、セリーナはこれが好きなんでしょ。

 私は、お母様が好きだし、姉妹たちも好きだし、あと赤い果物も好き。恥ずかしいことじゃないよ。


 しばらく目を丸く見開かせていたセリーナだが、小さくはにかみ、ぬいぐるみを抱いた。


「……リアさんは、どれが一番可愛いと思いますか」

「ル? ルー……」


 棚に並ぶぬいぐるみを順番に眺め、目に留まったものを翼で示す。


「ふふ、リアさんと同じ、鳥のぬいぐるみですね。じゃあ、今度……これを買います」


 ぬいぐるみを棚へ戻す彼女に、今は良いのかと瞳で尋ねる。セリーナはうっすらと微笑み、首を振った。


「勤務中ですから、またにします」

「ルウ」

「……また、一緒に来ましょうね」

「ル!」


 私が頷くと、セリーナの微笑みが嬉しそうに深まった。その仕草には、普段とは違いあどけなさがあって、特別なものを見た気分にさせられた。



 雑貨屋での用事は滞りなく終わり、後はギルドへ戻るだけなのだが、セリーナはせっかくだからと少し遠回りの道を進んだ。彼女に連れられて賑やかな町中を散策し、人間たちが暮らす住処をじっくりと眺め見る。途中、通りかがった果物屋では、ふっくらした身体付きの女主人から赤い果物を分けて貰ったりした。


 ……そして、遠くからだが、あの場所も少しだけ覗いた。

 人間に倒された魔物が最期に向かう素材市場や、魔物の身体から作られる武器屋や防具屋が並ぶ、あの一角を。


「リアさん……」


 不安げに揺れるセリーナの気配が、隣から感じる。

 さすがにまだ、あの場所へもう一度踏み入れる勇気は足りていない。だけど、視線だけは、外さないようにした。人間の事を知りたいと思うのなら、目を逸らしてはならない場所であると、強く思うから。


 ――大丈夫、怖くない。


 セリーナやグレン、ダーナやギルドの人間たち。魔物(わたし)に優しくしてくれるひとは、たくさん居る。その事実の方が、あの場所なんかよりもずっと大切で、比べるべきものではないのだ。


 精霊(ダーナ)女王(お母様)が知っていったように。私は私なりに、人間たちを知っていこう。

 改めて、私はそう思った。



◆◇◆



「リア、怪我はなかったか!」


 ギルドへ到着するなり、グレンが大股で駆け寄ってくる。しかし見間違えでなければ、ギルドの中からではなく、入り口からやって来たように見えるが……。


「まさかグレンさん、ずっと入り口に居たんですか」


 セリーナの瞳が細くなり、何処となく不機嫌そうな空気が漂う。グレンは大きな肩をぎくりと震わせ「いや、だって、その」とまごついた。


「グレンの奴、リアちゃんとセリーナが出掛けた時から、そこでずーっと待ってたんだぜ」

「鬱陶しいくらいにウロウロして、大丈夫なのかって不安がってよ。まったく、情けないったらねえぜ」

「ちょ、裏切者! それ言うなって言っただろ?!」

「なるほど……私の事を信用していなかったと、そういう事でしょうか」


 セリーナの面持ちが、冷ややかな気迫を帯びる。グレンはさらに青ざめ、大きな身体をたじろがせた。

 しばしセリーナはグレンをじとりとねめつけていたが……ふっと空気を緩め、薄く微笑みを浮かべた。


「……冗談ですよ、分かっていますから。何もなかったですよ」

「お前の冗談、めちゃくちゃ胸に刺さるんだけど……こわ……」

「何か、おっしゃりましたか?」

「いえ、何でもナイデス……」

「ルー!」


 項垂れたグレンに歩み寄り、彼の膝に飛びつく。楽しい散策であったと鳴き声で伝えると、彼は笑いながら私の頭を撫でた。


「セリーナと出掛けて、楽しかったか」

「ル! ルル、ル! ルゥゥゥー!」

「おおッ? なんだ、ずいぶんご機嫌だな」

「果物屋さんで、リィゴの実をお裾分けして頂いたんですよ。店のおば様、リアさんの事を知っているようでした」

「ああ、前に行った店だな、そこ。今度、おばちゃんにお礼を言わないとな」


 二人の間に挟まれ、私は無事に冒険者ギルドへ戻った。

 その後、セリーナがさっそくリィゴの実を切り分けてくれて、私の前に置いてくれた。お気に入りの果物が乗った皿に、私はすぐさま齧り付こうとしたが……一度、動きを止める。


「どうしたんですか、リアさん。食べてもいいんですよ?」

「食べねえのか、リア。リィゴの実は好きだろ?」


 好きだけど……でも……美味しいのを私だけで食べるのは、意地悪だよね。

 ここの人間は、みんな、私にも優しくしてくれる良いひとだし……。


 グレンやセリーナたちをじっと見つめてから、皿の中の果物を口に咥える。そのまま、傍らに並ぶセリーナへ向き直り、顔を突き出した。


「ン!」

「え……?」


 凜とした青い瞳が、困惑を浮かべて瞬く。それならと、今度はグレンへ顔を向けた。しかし彼も、セリーナと同様に戸惑いがちな仕草で笑うだけだった。


「お、おう? 食べて良いんだぞ」

「……ピュー……」


 駄目なのか、それなら。私は椅子から飛び降り、口に咥えた果物を落とさないよう慎重に歩き、良くしてくれる冒険者たちへ順番に回ってみた。だが、彼らまでもが不思議そうに首を傾げ、あるいはしどろもどろに狼狽えるばかりで、誰一人として果物を受け取ってくれなかった。


「……ピュゥゥー……」


 切なさが込み上げ、両目がじわじわと滲んでゆく。その途端、グレンたちは肩を跳ねさせ、私の周りにしゃがみ込んだ。


「お、おい、どうして泣くんだ?!」

「な、泣かないで下さい、リアさん!」


 灰色の雛を囲んで両腕を上下させる姿は、なんとも滑稽であったが、今は笑えなかった。


 だって、誰も、受け取ってくれないんだもの。


 群れの仲間と同じご飯を分け合って、食べさせ合って、絆を強くするのに。私の事を、仲間だと思ってくれていないのだろうか。口に咥えた果物の甘さが、余計に切なさを煽る。


「――あらあら。せっかく大好きなリィゴの実をもらったのに、そんなに悲しがってどうしたのかしら」


 宙に浮かぶダーナを、私だけでなく、グレンたちも縋るように見上げた。


「ダーナさん……」

「その……」

「ちょっと、やだ。困難に立ち向かうギルド職員と冒険者が、そんな途方に暮れた顔をしないでちょうだい」


 たおやかな美貌を綻ばせて降り立ったダーナへ、とぼとぼと近付く。どうしたの、と優しく尋ねる緑色の瞳を見つめながら、口に咥えたリィゴの実を差し出す。するとやはり、ダーナも不思議そうに瞳を瞬かせ、細い顎に指を添え静かに考え込んでしまった。


 精霊の彼女でも、やはり受け取ってはくれないのだろうか……。


 深く項垂れていると、やがてダーナは何か思い付いたのか、その表情をぱっと明るくさせた。


「ああ! もしかして、食べて欲しいのかしら」

「! ンム!」


 大きく頷き、咥えた果物を突き出す。ダーナは腰を屈めると、美しい茶色の髪をそっと指で押さえながら、それを一囓りした。

 ダーナが、食べてくれた!

 ようやく真意が伝わった事と、果物を食べてくれた事が嬉しくて、灰色の翼をばたつかせる。残りの果物は私が飲み込み、これで仲間の証は完了したが……何故か周囲からどよめきが溢れていた。


「食べて欲しいって……く、口移しで?」


 呟いたセリーナの声は、困惑のせいか震えていた。


「正しくは、口で渡しているんだけどね。ハーピーの習性というより、鳥の給餌に近いわねえ。ほら、親鳥は雛鳥にくちばしで餌を渡すじゃない? ハーピー同士の愛情表現みたいなものなんじゃないかしら」


 さすがは永い時を生きた、緑の高位精霊だ。私の意図を正確に理解してくれている。

 大きな仕草で首肯したところ、どよめきがさらに広がり、空気が色めき立った。


「な、なるほど……ハーピーにはそんな習性が……」

「ほら、セリーナちゃん。次は貴女みたいよ」

「ッえ?!」


 私は次の果物を咥え、セリーナの前に佇む。どうぞ、と差し出したが、彼女は普段にない狼狽を見せ、なかなか受け取ろうとしてくれなかった。


 仲間の証だよ? なんで?


「そーれ、一気!」

「一気! 一気!」

「大丈夫よ、セリーナ! これは、キスのカウントに入らないわ!」

「ちょ、や、止めて下さい! 変に煽らないでくれますか?!」

「あーほらー、リアがまた泣くぞ。セリーナ、食べてやれ!」


 セリーナの背を押す冒険者たちに混じり、グレンが力強く親指を立てる。セリーナの平手が、グレンの頭に炸裂した。「何で俺だけ?!」という彼の叫び声は、囃し立てる声に掻き消されてしまった。

 セリーナは咳払いを一度すると、意を決したように腰を屈める。いつもは凜としている面持ちが、この瞬間は何故か、お母様の紅色の羽根のように真っ赤に染め尽くされていた。少し不思議に思いつつも、咥えた果物を再び差し出す。セリーナはゆっくりと顔を寄せ、素早く果物を囓って遠ざかった。


 うふふーこれでセリーナとも、仲間の証!


 嬉しくて「ルッ!」と鳴く私とは対照的に、セリーナは崩れ落ちるように膝をつき、項垂れてしまった。


「なんて事……公開処刑を受けた気分です……」


 茫然と呟く彼女は、耳まで真っ赤だった。

 セリーナ、何で落ち込むの? 仲間の証だよ?

 具合が悪いのかと思い、彼女の背中を翼で撫でる。余計に背中を丸めて小さくなってしまった。


「いやあ、良いのを見せて……ンッごほごほ! 麗しい異種族交流を見させてもらった」

「そう、実に素晴らしい、心洗われるやりとりだった」

「ああ、本当に。美しい光景だった」


 周囲からそんな呟きが聞こえた――瞬間、セリーナは分厚い魔物図鑑を振り上げ、猛然と追いかけ始めた。ホールの中を駆け抜ける彼女は、普通に元気である。

 冒険者たちの悲鳴を遠く聞きながら、さて次はと果物を咥えようとするが、大きな手のひらが私の肩を掴んだ。表情を硬くさせた、グレンである。


「リア、いいか。ハーピーの愛情表現だとしても、それは今後、女の人以外にしちゃいけない。いいな」

「ルウゥー……?」


 どうして、と首を捻る私に、グレンは有無を言わぬ笑顔を放ち。


「い・い・な?」


 と、強く念を押してきた。

 その笑顔が、凄みを利かせるように迫力があったので、私は何も言わず黙って頷くしかなかった。


 でも……。


 皿の中の果物を、そっと一切れ咥える。目の前のグレンに差し出し、じっと見つめた。


 他の人にやっちゃいけなくても、グレンにはやっても良いでしょ。むしろ、グレンにこそ、食べてもらいたいもの。


 賑やかだったはずのギルドの空気が、しんと静まり返り、無音の緊張を帯びる。周囲から向けられるいくつもの眼差しは、まるで射貫くような鋭さで、私とグレンに突き刺さった。

 グレンはしばしの間、そのごつごつした顔を強張らせていたが、やがて肩を落とし小さく笑う。その場に膝をついてしゃがむと、私が咥えた果物に顔を寄せ――たりはせず、その太い指で果物をぽきりと折った。


 指で口に運ぶグレンを見上げ、私は唖然とした。


 違う、そうじゃない! そうじゃないの!


「ビャァアアー!!」

「怒った声を出しても駄目。これで勘弁してくれよ、俺は犯罪者にはなりたくない」

「ビャァアアアアーーー!!」


 なんでー! 仲間の証なのにー!


 激しく抗議の鳴き声を上げたけれど、素知らぬ顔をし摘まんだ果物を頬張るグレンは、頑なに口で受け取ろうとしてくれなかった。




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