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雪解けのサイン。  作者: らんシェ
第1章 雪乃×柚結里
7/44

7話

「「ごちそうさまでした」」


ゆゆの作ってくれたサンドウィッチと、温かいコンソメスープを食べ終えると、ちょうど窓の外に遊園地が見えてきた。

楽しみだな〜♪

「行きましょうか」

「うん!!」

運転手さんにお礼を言って車から降りると、入口には既にたっっくさんの人!!

やっぱりちょっと遅れちゃったのかな?

「このくらいだったら入るのにそう時間はかからなそうね」

「そうかな?」

「ええ。最初はアトラクションにもすぐ乗れるんじゃない?」

やった! いっぱい、いろんなのに乗りたいな! あのジェットコースターなんか、すごく楽しそう!!

開園するとすぐに私たちの番が回ってきて、ほとんど待つことなく入ることが出来た。

行く場所は決めてあるらしいので、手を握ってゆゆの後ろをついて行く。

「さて。最初はこれよ」

「やだ!!! 最初じゃなくても……!」

「でもこれ、一番人気なのよ。後から来たら他のと比べ物にならないくらいの長蛇の列よ」

でもでも! ここ……

お化け屋敷……。廃ホテルを再現した、って確かパンフレットに書いてあったよね……?

本物が出ることもあるとか無いとか…

「大丈夫よ。あたしもちゃんと行くから」

「だって、本物…」

「去年出来たばかりで新しいのよ? それに昼間だし。大丈夫。行きましょ」

ゔー…。怖いよぅ〜!!

ゆゆはすごく目がキラキラしてるのです。そんなにこういうの好きだったっけ? もしかして、たまにお姉ちゃんと盛り上がってた時にそういうお話してたの?

ぬー……。それにしても怖いよ……

「先に行ったりしないでよ?」

「分かってる」

「走らないでよ?」

「大丈夫!」

心配なの……がっしりゆゆの腕に掴まります。足がもうガクガクです!

見るからに不気味過ぎるこの建物…あの窓のとこなんか、誰か立ってそうで……暗いし大きいし、ちゃんと出て来られるかな…?




「そんなに大したことなかったわねー、って、雪乃!?」

「うっ……ふぇ〜…………」

「そ、そんなに怖かった?」

「怖かった!! ……ひっく」

「おいで」

ゆゆはギューしてくれた。「もう大丈夫よ、」と言って私の背中をポンポン、と優しく叩いて。何だか子ども扱いされてるみたい。でも何故かゆゆにしてもらうと安心しちゃうから不思議なの。

「う……もうこんなとこ来ないもん…」

きっと何回来ても怖くなっちゃう…。

「次は何に乗る?」

「あれがいい」

「え」

園内の中心を走る、長ーいジェットコースター! すごく速いし、垂直に近い落下のシーンも。ぐるりと一周する箇所もある!!

楽しんじゃうもん。お化け屋敷怖かったの。私ジェットコースター大好きだから。ゆゆは確か苦手なんだっけ? でもそんなの知らない!

「乗る」

「え、ええ……」

突然顔が強張ってるのです。もう知らないもん。乗るんだもん。近くのちっちゃいジェットコースターも後で乗るもん。ちっちゃくてもジェットコースター楽しいから、全部制覇だもん!


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