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雪解けのサイン。  作者: らんシェ
第6章 それぞれの夏休み
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2話 生徒会編(2)

「じゃあ、今日の流れを説明するぞ! まずはここで、みんなに怪談話を自由に披露してもらう。それから移動だ。その間バス内のテレビでホラー映画を流す。そして目的地で肝試しだ。それが終わったらこの学校へ戻ってきて、就寝。以上だ!」


なんで私まで参加しなくちゃなの?

会長さんの案、最初は肝試しだけだったのにこんなにボリュームアップしてるし……ゔー。


「帰りたいよぅ!」

「そーだそーだ! 遅くまで起きてるとお肌に悪いんだぞ!」


るる先輩と抗議です。やるのはいいけどせめて参加したくなかったよ。

ちなみに参加者の数は30人程度。大抵の人は里帰りとか受験勉強とか、何かしらの用事で来れないよね。

そしてバスの中にいます。いつもと違って、静寂な校内。暗くて、校舎の纏う雰囲気がどうも怪しい感じで、もう既にすごく怖いです。

もちろん私は柚結里にくっついています。お膝の上からお送りするのです。

家から持参したタオルケットにくるまっています。はい。

ちなみにるる先輩はリオン先輩と一緒です。ここにいるのはおそらくホラーが好きな人ばかりのはず。うぅ、怪談話も怖いんだろうなぁ……。

「雪乃ちゃん、これ良かったら食べて?」

?? うーんと、見覚えが無い……。3年生の先輩ですが、生徒会メンバー以外に知ってる人いたっけ?

「雪乃、受け取っておきなさい。食べてれば少しは怖さも和らぐんじゃない?」

「あ、じゃあいただきます…」

「先輩ずるい!私も!」

「実は私も、柚結里さんに…」

「るる先輩いつもお世話になってます!」

あれあれ。プレゼント会?

私たちだけじゃなくて会長たちにも、次々と贈り物が。お膝の上にどんどん溜まっていきます。これだけの人数で、しかもみんながみんな? な、何故……。

しばらくして落ち着くと、

「さて、今度こそ始めるぞ!」

プレゼントを嬉しそうに抱えながら、会長さんが言います。最初は会長さんからみたいです。

「おいお前何耳ふさいでんだ」

「怖いからだよ!」

「人の話はちゃんと聞かんか!」

そ、それは辛いよ……、るる先輩、頑張れ。さすがに声には出せないけど!

そして一番最初に開けたプレゼントには、クッキーが入っていました。はわぁ、バターの香りがすごい美味しそう……。星とかお花とかクッキーマンとか、いろんな形があります!

サクサクほろほろ〜♪

私は聞きたくないですので。るる先輩には悪いんですけど現実逃避です。

「ほらー雪乃だって聞いてないじゃないか!」

「雪乃は結柚里の管轄だから俺は何も言わん。お前は妹だからな」

「理不尽だぁ!」

ホッ。じゃ、これ食べたら私は寝よーっと。

DVDまでならともかく、肝試しなんてしたら絶対寝れなくなっちゃうもん。うー、やだやだ! 肝試しの時も寝てたいよ! でもゆゆは何がなんでも行きたがるだろうし……うぅー。

「雪乃の裏切り者…」

「ふえぇ!?」

先輩酷い! 私だって怖いもんしょうがないんだもん!

「気にしないで寝ていいのよ雪乃」

「ゆゆ、大好き」

これで私は安心して眠れます…

「くそぅ……!」

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