表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪解けのサイン。  作者: らんシェ
第6章 それぞれの夏休み
41/44

1話 生徒会編(1)

大変お待たせしましたってレベルじゃないですよねはい……季節はすっかり秋? 彼女たちの夏はこれから、です……。

「夏休みだよ! ゆゆ!!」

「そうね」

記念すべき夏休み1日目はさっそく登校日なのです。というのも生徒会で何か話し合いがあるとか……。すでに会長さんは生徒会室にいます。黙々と課題をしています。流石会長さん、真面目なのです。私たちはと言えば、昨日は早めに終わったのでゆゆのお家で課題をしてたけど、早々に飽きて夏休みの計画を立てていました。生徒会の予定が未定だからどうしようもないけど、とりあえずここに行きたいっていうのだけね。


「そうだお前たち、今度旅行でもしないか? 生徒会メンバーで」

「会長さんたちと旅行ですか?」

「ああ、海に行こうと思っててな。近くに別荘も持ってるからな。そこでのんびりしようかと」

別荘かぁ。流石です。昨日の計画には入ってなかったけど、やっぱり夏といえば海だよね。

「いいですね〜海」

「ダメです」

え!

「心配いらん。プライベートビーチだから俺たち以外に人はおらんぞ」

「……」

「行こうよゆゆ! みんなで海だよ!」

「…………そうね」

やった! 海だ!

うふふ〜ゆゆと水着でイチャイチャするんだー♪

「今度一緒に水着買いに行こうね!」

「ええ」

「……ゆゆ、背中ポンポンダメだよ〜」

うー、眠くなっちゃうじゃん。寝ちゃダメだし…

「いいのよ。まだ先輩たち来ないみたいだし」

でもでも、いっつも会議の時まで寝ちゃう……

「ん〜……水着でね、イチャイチャしゅうの……」

「ええ」

「およげるようになぅ……」

「そう」


「…………くぅ」



◇ ◇


雪乃が眠ってしまうとまもなく、コンコン、と生徒会室のドアがノックされた。

「どうぞ」

会長が応えると間もなく開いたドアの向こうから、おそらく20代後半と思われる男性教師が入ってくる。180cmくらい、眼鏡をかけた黒髪のボサボサ頭。けれど、目鼻立ちの整った顔は多分…………

「失礼します。森です。少しの間生徒会顧問になってしまったのでとりあえず来ました」

やる気無い挨拶に会長もあたしも返事はしない。

「好物は百合です」


「「…………」」


……水着ね。雪乃にはどんなのが似合うかしら。もう決定事項みたいだし、今日帰りにでも見に行きましょう。


「あー……そこに恰好の百合ップルがいるぞ」

「余計なことを」


森先生はあたし達の正面に座ると、気持ち悪い笑顔を浮かべた。

「さ、僕のことは空気だと思って存分にイチャついてくれ」

爽やかに言い切った彼に殺意すら湧く。まあ、遠慮なく雪乃を愛でていいならそうするけど。

「先生気持ち悪いです」

「よく言われるよ〜。この学校で男性は虫みたいな扱いだからねー」

男性に免疫の無い人の多いこの学校では、百合カップルの方が多いしね。それよりも。この人きっと、面倒くさい人だわ。早く揃わないかしら。

「会長。いつも役員だけで活動してたんですし、この人要らないと思うんですけど」

会長は相変わらず無言で課題に取り組んでいる。そういえば忘れてたけどこの人、受験生だったわ。

「そうは言っても先生だしなー」

「邪魔なんですけど」

「空気だと思えばいいさ。ここには3人しかいないって」

「……」

追い出す気は無いらしい。

「おーっす」

「こんにちは〜」


そこへ今度はタイミングよく先輩方が。

これで視線は逸らせるわね。会議も始まるし。終わったらすぐに帰りましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ