4話
お待たせいたしましてごめんなさいいいぃ
m(_ _)m
「きゃわわわわ♡」
凛々しい見た目の女の子が目をハートにして飛びかかって来ましたどうしろと!?
とっさに避ける事も出来ず、強烈なハグを受けとめきれずに尻もちをつく。と、今度は強烈な頬ずり!?
「うにゃっ」
困って困って鈴鹿ちゃんを見上げると、救出してくれました。
「こら留海、困ってるでしょ。それにこの子はあたしの彼女なんだから」
「はぁ!? 待ってよお姉さまにこんな可愛い子似合わないよ! 絶対留海のがこの子幸せにできるね!」
すごい自信です。とはいえ初めましての方にそんなこと言われても……びっくりです。
「お、おおおおおぉう!!」
へっ!? 今度はなに!?
「ロリ美少女!」
圧倒的な力に今度は床に寝転がる体勢に。両手を握られます。
「あなた、ウチの子にならない??」
「ちょ! おかーさま!! やめて、ていうか家にいたの!!?」
お母さん? あ、この人が?
今度は眼鏡で、後ろで髪を縛ったスウェット姿の女性です。
「あぅ」
頭が追いつきません……
「2人ともなにしてくれてんの!!」
大きな声に思わず私までドキッとしてしまいます。
容赦なく2人にゲンコツして次の瞬間には再び私は鈴鹿ちゃんの腕の中に収まっていました。
「この子はれいの彼女なの! 留海には渡さないし、もううちの子なの!! 触らないで!」
「鈴鹿ちゃん! それ言っちゃ……」
「あらそうなのね。鈴鹿にしてはよくやったじゃないの」
悪びれることなく言ってのける。ママさんをポケーっと見上げてましたが、そうでした! 挨拶しなくちゃ!
「あ、えと、鈴鹿ちゃんのおと、じゃ、なくて、か、か……」
だ、ダメだ恥ずかしい!
「生野、小夜音です……」
ごめん鈴鹿ちゃん……。
「ようこそ、いらっしゃい。さ、さやちゃんこっちにおいで」
ホッ。優しそうな人で良かったです。あっさり納得したママさんに安心したのか、鈴鹿ちゃん手は離しませんがママさんに大人しくついていきます。
「さやちゃんに似合う物がたくさんあるから!」
と、連れて来られたのはクローゼット? というか衣装部屋……。
「こ、れは……」
すっごいこう、ドレス? ロリータ系ばっかり……可愛いけど、これ、
「作ったのよ! どれを着たい?」
「さやちゃんこれ着て〜っ」
妹さんもう名前呼び。
「あら、いいチョイスするじゃないの。さやちゃんこれに着替えて〜」
あわわわわ……
◇ ◇
「誰ですか?」
思わず鏡に映る自分に問いかけます。お洋服を作るだけでなく、メイクの達人でもあるママさんに、魔法でもかけられたかのような心地です。
「ちょっとさやちゃん何可愛いことしてんの」
「??」
「わーっ! さやちゃん可愛いっ♡」
両サイドから抱きしめられました。
「私の目に狂いは無かったわね」
「最初に気付いたのはれいだよ!」
「さやちゃん、これからモデルになって」
え。モデルとかそんな恥ずかしい!! けど、これからここでお世話になるわけだし断るのも……学校の子に見つかったりしたら……。
「待ってよさやちゃんはれいのものなんだよ」
「でもさやちゃん以上に私が作る服が似合う子、いると思う?」
「絶対いないね。さやちゃんが1番だもん」
「そうでしょ?」
「……さやちゃん、どうするの?」
ギブアンドテイクというやつで、他に出来る事もないし……。
「やって、みようかな」
「そうこなくっちゃ! あー、さやちゃんがモデルになってくれるなら、もっといいの作らなくちゃ!」
鈴鹿ちゃんはため息をついてます。なんとか、許してくれたみたいです。
「でもとりあえず! まずは部屋に戻ろうか? さやちゃん」
「ふぇ?」
「2人きりで、可愛がってあげるから」
「ひぅ!」
身の危険を感じます。うぅ、逃げようとしたのがバレちゃった。あわわ、
「どうして逃げるのかなぁ? お仕置きされたいの?」
「はぅ!」
捕獲されました。お姫様抱っこです。
「瑠海も混ぜてよ」
「ダメに決まってんでしょーがっ! れいの彼女なんだから!」
バタンと大きな音をたてて扉を閉め、鍵まで掛けちゃいました。そのままベッドにおろされます。何か笑顔が怖い……。あまりの急展開にすっかり忘れていた腰のズキズキした痛みが戻ってきました。
「さーて、やっと2人きりになれたね? さやちゃん」
覆いかぶさってきた鈴鹿ちゃんは獲物を見つけた肉食動物のようで……。
「可愛いなぁさやちゃんは……ちゅ、」
こ、れは……はううぅっ
「さ、始めよっか?」
「あぅ、」
鈴鹿ちゃんここ、こわいいいぃ!?
鈴鹿ちゃん小夜ちゃんカップルのお話はおしまいかな?




