4話
お腹いっぱいで、ちょっと眠いのです…。
お姉ちゃんのお菓子を食べたあと、すぐ近くのゆゆのお家に。小学生の時から何回も来たけど、やっぱり見慣れません。大きいの!
すんごくお金持ちさんなんだよね。お家はお城みたいで、とにかく大きいの。すごく綺麗で、メイドさんもたーくさん! まるで別の世界にきたみたい。
「来て」
ゆゆのお部屋ももちろん広い。私のお部屋の何倍もあるよ。高そうなものばっかりだし。うかつに物は触れないの。私が怖いからなんだけどね。「そんなに怖がらなくても」って笑われちゃう。違いすぎて、予想がつかないんだもん。怖くて当たり前だって。
メイドさんたちに歓迎されて、お家に入る。緊張しちゃうのです。
お部屋までがまた距離があって、何回来ても覚えられないの。私が方向音痴だっていうのもあるかもだけど。
「夕食までは時間もあるし、明日明後日も遊べるんだから、寝ましょうか」
「うーん…」
ふわぁ……。
「あたしは着替えるから。先に寝てていいわよ」
お言葉に、甘えるのです……
いくら寝相の悪い人でも落っこちることがなさそうなくらい、私には広過ぎるそのベッドにごろん。はぅあ…目が覚めてたらジャンプして遊びたいな……ふっかふかなのだ〜…………
「なーんて。寝かせるわけがないわ」
ほどなくして、ゆゆに起こされちゃいました。少しの息苦しさに眠いながらに目を開くと、ゆゆの顔。キス…されて、た……?
「んにゃ…?」
えと、なんで、馬乗りに……。
「ゆゆぅ……動けない、よ?」
「動かなくていいのよ」
どうして? って、ゆゆ。また、お昼休みみたいに、なって……
シャワーみたいに、ゆゆのキスが絶えず降ってくる。
「あたし、ずっと我慢してたんだから。気づかなかった雪乃が悪いのよ」
気づかないって? わかんないよ……何も考えられない……
「雪乃?」
「…んっ……」
やっとの事で声を出すけど、言葉にはならない。ゆゆがくすりと笑うのが聞こえた。
「雪乃、可愛い」
「ひゃっ!」
息を吹き込まれ、一気に熱くなるのを感じた。耳はダメ、だよ……
なんか、変な感じ…
「声、もっと聞かせて?」
ダメだよ…ダメ……ゆゆ………
「雪乃。起きて」
「んー…」
次に目を覚ますと、お部屋にはオレンジ色の光が。
「もうすぐで夕食だから、その前にお風呂に入らない?」
もう夜ご飯の時間なんだぁ…体を起こすと洋服のボタンが外れてて、はだけてた。スカートもすごいことに…何があったんだっけ……。元に戻してから、立ち上がるとふらりと体が傾いた。すかさず、ゆゆが支えてくれる。
「疲れちゃった?」
体を軽々持ち上げられ、「一緒に入ろっか、お風呂」とゆゆは歩き出す。ここのお風呂は広いもんね。学校のプールみたいに大きくて、泳ぎまわれるくらいだし。……私泳げないけど。
「私重いよ?」
「軽いって、昼休みにも言ったでしょ?」
そういえば……って、あ…。
「ゔ」
お、思い出した……。
みるみる顔が熱くなってきます。うぅ…そうだった……。
あの後も、ゆゆの攻撃は一向に止まず…い、いろいろなところを攻められ……はぅ。
「あら。今更?」
い、今更って!!
「可愛かったわ。おかげで止まらなかった」
とっ!?
「耳が弱いことは知ってたけど、雪乃って感じやすいのね」
かか、感じやすいってどういうことでしょう!!?
「こことか、こことか?」
「ひゃんっ!」
胸の辺りから太ももまでそろりと撫でられ、こそばゆさに思わず声が出る。
「ほら。さっきもすごく可愛い声してた。……夜もする?」
「しないしっ!……ばか」
「でも、気持ち良さそうにしてたわよ?」
っ! そんなこと……!!!
…………あったような気もしちゃう……。
よく覚えてないし。思い出さない方が、いいんだろうけど。
「雪乃、立てる?」
あ。もう着いたんだね。って、結局また抱っこしてもらっちゃったんだ。
「うん」
今度はちゃんと立つことが出来た。申し訳ないって思ったけど、よく考えると悪いのはぜーんぶゆゆだもんね!
ぽんぽん、とゆゆに頭を叩かれました。
「はいはい。悪いのはぜーんぶあたしだから」
う。ゆゆ、私の事はお見通しのようなのです。