4話
大変お待たせいたしましたのです。
「……」
「お疲れ様」
「……」
雪乃の機嫌が、悪い。
お母様の運転する車に乗り込んで結構経つ。
なのに、一言も口をきいてくれない。
眠そうにしているのではなく、ただ、ぶすっとしている。抱き締めてはいたけど、相手方と話してて構ってあげられなかったからね。後で2人になった時に可愛がってあげればいいでしょう。
「ゆゆ。もう我慢しなくて大丈夫よ」
運転席に乗っているお母様にはあたしたちが見えないはずなのに、あたしの心を読んだみたい。でもお母様が言ったんだから。
「雪乃」
もう一度呼ぶけど、返事は無い。
強引にその唇を奪った。
「ん……っ」
その隙間から舌を差し込み、自分のそれと絡める。
「ゆ、ゆ……っ!」
背中に彼女の腕が。深い口付けを繰り返しながら、あたしの手は雪乃の胸へ。触れるとピクンと体が反応する。それは最初だけだった。拒む事をせず、それどころか必死にあたしにしがみついてくる。求めてくれてるみたいで嬉しい。
「ゆゆぅ……」
「うん。ごめんね。相手してあげられなかっったわね」
「むぅ〜……」
ほおを膨らませながらも、紅潮した顔が今度は嬉しそう。
ダメだ。可愛すぎる。
「今からちゃんと食べてあげる……」
「待ちなさい」
ピシャリと抑揚のない声に、あたしはお母様と車で帰宅途中であることを思い出した。思わず動きを止めると、ほぼ同時に車が静かに止まった。
「もう着いたから、部屋に戻ってからにしなさい。あなたは私の娘よ。私だって彼女がいた時はそうだったんだから」
「どういうこと?」
「ガッツリ食べて相手をめちゃくちゃにしちゃう」
「……」
図星を突かれ何も言えなくなる。
「お母様が我慢しなくていいって」
「拗ねないの。今思い出したのよ。貴女が昔の私と全く一緒だって。ほら、降りて」
気まずくなったあたしは無言で雪乃を抱え車を出た。
真っ先に部屋に向かいベットに雪乃を寝かせる。服を脱がせた。
「ゆゆ……電気、やだぁ」
正直言うと雪乃のいろんな表情を見逃してはたまらないから、つけていたいんだけど……。
「分かったわ」
そんな潤んだ目でお願いされちゃあね。
お望み通りに電気を消し、1度ベッドを離れてカーテンも閉めた。まだまだ雪乃は慣れないらしい。あたしも雪乃に触れることの喜びを知ってから、その気持ちを抑えるのに必死なのだけど。
「久しぶりじゃない?」
彼女に覆い被さりそう聞くとついと目を逸らした。
「雪乃、可愛い……愛してる」
◆ ◆ ◆ ◆
「……痛い」
「お母様の言う通りだったわ」
「……」
「ごめんなさい」
ゔぅ。なんか、ズキズキするぅ……。
いつの間にか寝てました。目が覚めたらズキズキでした。起きれません。
ふかふかベッドでゆゆが頭なでなでしてくれてます。
「ゔー。寝るぅ」
「ええ」
ゆゆもゴロンって寝転がって、ぎゅーしてくれました。これで安心です。
でも、あと1つだけ。
「ねぇ」
「ん?」
「また、会うの? あの人たち」
「会いたくないけどね。これ以上雪乃と2人きりの時間を削られるのは勘弁よ」
「うん」
私もそう思う。もう、うみちゃんに浮気しちゃうよ?
「また、今度2人でどこかに出かけましょうか」
「うん」
今度はどこがいいかなぁ……。
「日帰りで温泉旅行に行くのもいいわね」
「うんうん」
温泉なんてずっと入ってないもんなぁ。
あ、でも、
「でも今度はちゃんと私もお金出すんだよ?」
「そう? 」
「うん」
前回奢ってもらった分、ゆゆに奢ってあげられたらいいんだけど……
「ふわぁ……」
「あら。また明日この話しましょうね。学校休みだし。おやすみ、雪乃」
「ゆゆおやすみぃ〜……」
こんだけ待たせといてこの内容の薄さ……とっても申し訳ないです。
スランプってやつでしょうか。辛い。




