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雪解けのサイン。  作者: らんシェ
第4章 雪乃×柚結里
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1話

私は今機嫌が悪いのです。

むぅ。

放課後の生徒会室。ソファに座って、最近生徒会の一員になったばかりのぬいぐるみのくまさんを抱きしめています。ちなみにお名前はうみちゃんです。理由は特にないそうです。命名会長さんなのです。


「うみちゃん、雪乃はうみちゃんおんりーらぶなの。うみちゃん大好きなの。一番なの。だから今日のお昼寝はうみちゃんと2人きりだよ」

「雪乃、だいぶ痛いぞ」

会長さんからのご指摘です。

「うー。じゃあ英梨ちゃんにギューってしてもらおうかな……」

英梨ちゃんとは今も仲良しさんなのです。ちょっと警戒してるみたいなゆゆが絶対についてくるけどね。お話をする分にはゆゆも楽しんでるくらいで、3人で仲良しさんなのですよ。

「むぅ。ゆゆがいなくて寂しいから浮気しちゃうです」

ゆゆはいないの。どっか行っちゃったの。戻って来るらしいからそれまでここで待ってるけど暇なの。どこに行ったのかな。浮気じゃないよね。だって、ゆゆが別行動する時に行き先言わないなんて今まであった? 不安だよ? 後で教えてくれるならいいけど。それに暇なの!

今日はリオン先輩も来てない。会長さんは自分で淹れたコーヒーを飲んでるし、るる先輩も飲み物を準備してるみたい。お仕事があってここにいるわけではないんだね、多分。

「雪乃、ほら。リオンほどではないかもだけどな」

るる先輩がホットミルクを作ってくれました! ホットミルク大好きです。

「ありがとうございます!」

いつもこれ飲んだらいつの間にか寝ちゃってるんだけど、起きたら帰って来てるかな。

夏が近づいているこの時期でも、ホットミルクは飲むのです。お膝にうみちゃんを乗せたまま、ゆっくり飲みますです。

「…………急に静かになったな」

まあ、みんなそれぞれ別のことしてるわけだし。

「おいし〜♪」

「それは良かった」

ほえ! いつの間に隣に来たのです!?

「柚結里と一緒じゃないと何か違和感あるな」

「私もですよ。ゆゆがいないと寂しいです」

るる先輩がなでなでしてくれました。

学校にいるのにゆゆと一緒じゃないなんて滅多にないし……ゆゆの、お膝の上がいい。寂しい。

ちびちび飲んでいるホットミルク。いつもはすぐに無くなってしまって睡魔がやって来るのに、今日は違う。湯気が立っているマグカップにはまだ半分以上が残っていた。静かにそれをテーブルに戻す。先輩にはとっても悪いんだけど……。

「お腹、いっぱい」

「そうか。柚結里はすぐ帰ってくるだろうし、それまでいつも通りゆっくり寝てればいい」

「ありがとうございます。ごちそうさまでした」

ソファを離れて片付けを始める先輩。悪いと思っていつも自分で運ぶくらいしようとするんだけど毎回止められてしまうので最近になって諦めました。

ゴロンと横になります。うみちゃんをぎゅーします。むぅ。寂しいです。戻ってきたらしい先輩に頭をポンポンされて、掛けてくれたタオルケットをしっかり被ってポカポカしてきたらだんだん眠くなってきました……。

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