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雪解けのサイン。  作者: らんシェ
3章 小夜音×花恋
28/44

2話

1話に少し加筆しています!

今回の話に影響はありません。3人がちょこっと場所を移動してます(*^^*)

花恋への想いが恋に変わったのはいつだったんだろう。気付いたのは随分と経ってから。もしかしたら出会った最初から、気付いてなかったけれども恋していた、なんてことみあるのかも。

そもそも私は「恋をする」という感覚を知らなかった。「好き」という感情に、「like」と「love」の2種類があることだけはなんとなく知っていた。自分ではその類いの小説なんか書いているくせに、恋に関しては無知だった。

なのに何故、花恋に恋していることにきづけたのか。


泣いたから。


好きかもって考えたら、いろんな思いが溢れたから。


彼女は他の人とは違った。

私が友達と呼べる人がるるとリオンの2人だけ。あとの人は苦手だった。

喋るのが苦手なわけじゃない。ただ、嫌われているから。嫌われているのに、関わってしまうのは迷惑だと思うから。用がある時ですらビクビクしてしまうのだ。関わるのが怖い。

だからなのか、仲良くしてくれる人にはずいぶんと懐いて……いや、依存してしまうようになっていった。

とにかく、人と仲良くするのが苦手。

でも、彼女は他の人と何かが違った。

気付いたら彼女のことを考えてた。

気付いたら彼女に告白したら、もし恋人になれたら……そう考えていた。

頰が緩みそうになるのを必死に我慢したこともあった。我慢出来ていたのかは分からないけど。


気持ちを伝えることも、私の苦手なことだった。だから、考えたって自分から行動するなんて出来るわけがなかった。

でも、彼女から伝えてくれたから。花恋以外なんてあり得ないとまで思えた。大袈裟なんかじゃない。本当に、大好きだから。

初めての恋が叶うなんて思わなかった。こんな奴を好きになってくれる人なんていないのが、私の中では当たり前だった。嬉しかった。涙が出そうなくらい。この人にだけは嫌われたくないって思った。重いって、思われたくない。縛りたくない。絶対に。離れたく、ない。会うのは難しいんだろうって分かってる。お互い部活がある。花恋にはきっと友達関係だってある。だから、我慢しなきゃいけないことも。

数少ない友達しかいない私は、すぐに妬いてしまう。他の子の話をしているのを聞いているだけで、イライラしてしまう。言えないけど、私だけを見て欲しい。恋人扱いしてほしい。私は花恋に会えないのに、毎日会える彼女の友達が羨ましい。声も、数えるほどしか聞いたことがない。何度でも聞きたい。ずっと聞いていたい。本当は。でも、言ったらダメだ。嫌われちゃう。我慢、しなきゃ。私が我慢しなくちゃ。今の関係が崩れるなんて絶対嫌だ。


私が我慢すれば済むならそれでいい。


一緒に話せるなら。


それで、十分。

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