4話
間が空いてしまった……(>_<)
「……どうしよう」
究極の選択に迫られています。
『襲うか、襲うまいか。』
もしかすると、今後の人生を大きく変えることになるかもしれません。それくらい大きな選択なんです。
そんなわけで私は今るるの体に跨っています。彼女が起きる気配はありません。何故私がこの状況にあるかというと、会長さんがチャンスをくれたからです。写真部の件が片付いた後、やってきた会長さんは話があったそうです。しかしるると雪乃ちゃんがぐっすり眠ってしまっていたので話はまた後日に、ということになったのです。そのまま帰ろうとする会長さんにるるが寝ている旨を伝えます。
「あー。お前の家に泊めてやってくれないか? 襲ってもいいから」
「全然構いませんよ。…………って、え?」
ん。最後の一言がおかしかったです。
「お前奥手なんだよ。あいつ待ってても絶対変わらんぞ。一発襲ってやりゃあいい」
それはなんと言うかやり過ぎというかなんと言うかあれですよね。
「や、あの、えっ? 私がるるを? でも、るるが、えっと、」
混乱しますです。
でもすごいチャンスでもあるわけで、会長さんが本気じゃないにしてもとにかくお姉さんの許可が取れたわけで。ってことは襲っちゃってもいいよね。でもるるどんな反応するのかな。嫌われちゃったりとかしちゃいそうで……うーん。
そしてお泊まりの件については承諾して私の家に。るるをベッドに寝かせて跨ったまま約30分。何でこの子起きないんだろう。あまりにも幸せそうな寝顔なのでほっぺをつつく。るるは私に顔を背けるようにして寝返りを打ってます。幸せそうだな〜。なんだかムカついてきちゃいます。悩み無さそう。悪戯でもしちゃおうかしら。
「キス、とか?」
…………。うん。我ながら良いアイデアだわ。襲うのはやっぱり私には難しいけど、キスくらいなら……。せっかくのチャンスよ、何もしないのは損じゃないかしら。
「るるが悪いのよ。気付いてくれないから」
だから、もし起きちゃっても私は悪くない、悪くない。あれ。そういえばそもそも最後にるるに触れたのっていつ? 手を繋ぐことをしなくなったのは中学生の頃? だからそれ以来……。うぅ。そんなこと考えてたら何か緊張してきた。
「せーのっ」
何か違うぞっていうツッコミは無しの方向でお願いしますよ。
ふにっと柔らかい感触に、一気に顔が熱くなるのが分かる。
「るる…………ひゃ!?」
頬に触れると突然手首を掴まれた。起きてたの? 問う隙も与えられずるるによって抱きしめられる。
「えっ。るる、ちょっと!?」
「何でキスしてたの?」
「へ!?」
やっぱり起きてたのね? 何て言えば……。って、るるどうしたの? 会長さんや私の前で時々甘えることはあるけど、こんな状況になることなんて一度も……!
「キス、したでしょ?」
何か口調もおかしいわ。寝ぼけてる?
「るるのこと、好き?」
「えっ!!」
思わず彼女の顔を凝視。潤んだ瞳をこちらに向けていた。あれっ? あれっ??
「え、と……」
いや、気付いてくれたんだからそれは良いことなんだけど、えっと。るる、こんなに可愛かったっけ?? 甘えるように私を抱きしめるるるに完璧に動揺している私。
「好き?」
「ええ! もっ、もちろん! ずっと前から!!」
「ずっと?」
「うん!」
「じゃあるるたち恋人になれるね〜」
「な、なんで?」
何故そうなるのです!?
「だってるる、リオン大好きだからぁ〜」
「ふえぇ!!?」
不思議そうに首を傾げたるる。
「そ、れ。本気で言ってる?」
「やっぱり、いや? るる、嫌い?」
「そんなわけっ! にゃいじゃない!!」
どどどどどうしよう私とるるが恋人に?! そりゃあ嬉しいけど! 嬉しいんだけど!!
「ふにゃあ……良かった〜」
えっ? 私たち、恋人、なのかしら? やっと気付いてくれただけじゃなくて両想いだった!? で、しかも、つ、つきあう……。
「ねぇ、るる…」
あ、寝てる。まあ、いいか! 幸せなわけだし……! あ、これって……襲ってもいいってこと? るるも相変わらず抱きついてる状況だし。でも……なんだか、眠くなってきたわ……。
「あ、悪い。いつの間にリオンの家に。それになんで抱きついてたんだ。全然覚えてないな」
目が覚めたるるが開口一番言いました。やな予感しかしないのだけど……。
「帰ってきてから少し喋ったけど……」
「そうなのか?」
…………。
「どうせこんなことだと思ったわよ! るるの馬鹿っ!!」
「えっ。あたし、またリオンに何かしたか?」
「知らない!」
あれは誰だったのよ! あの言葉、全部うそ? せっかく気付いてくれたと思って嬉しかったのに!! うぅ。流石に泣きそうです。
「そろそろご飯出来てるはずだから行くわよ!」
「えっ。そんな、悪い」
「会長さんが泊めてやってくれって言ったの! 」
「そ、そうか……」
もうっ! いっぱい食べちゃうんだから! るるったら、長いこと一緒にいるのにぜんっぜん私のこと分かってない! 私は、会長さんの次くらいにたくさんるるのこと知ってるって……思ってたのに。自信無くなってきちゃった。はぁ。
「リオン?」
「なに?」
「ありがとな」
「ふぇっ? わ、私は何も…どう、いたしまして」
ずるいわよ、るる。
やっぱり、自分で言わないといけないのね。
この恋が叶うのは…というか、想いが届くのは。いつになるのかしら。
口調が定まりません( ̄▽ ̄)




