瘴魔が存在する世界
瘴魔、それはありとあらゆるものを犯すこの世にあってはならない存在。
いつからかそれはこの世に蔓延し始め、世界は一部を除いて人が住めるような場所ではなくなった。
植物は腐り、水は汚れ、息をすれば肺が腐る。
ありとあらゆる生命体がその命を腐らせ腐肉へと成り下がった。
人々は比較的瘴魔の少ない場所を探して移動しているうちにあるものを見つけた。
それは周りの瘴魔を喰らう物だった。
浄化の石と名付けられたそれを置くことによって周囲の瘴魔がなくなるのだ。
人々は安堵した、ようやく永住することができると。
しかし、それも永くは続かなかった。
ずっと置き続けていた浄化の石が曇り始めたのだ。
透明な輝きを放っていた浄化の石はだんだんとその輝きを潜め、
それにつれてまわりに瘴魔が蔓延し始めた。
人類はあらゆることを試してそれを回復させる方法を見つけた。
魔石、つまりは魔物の心臓を喰わせるのだ。
浄化の石に魔石を近づけると浄化の石に穴があく。
それに魔石を入れるのだ。
そのことに気づいた人々は大きな浄化の石を発掘し、それに魔石を食わせ、土地を浄化し、
そこに国を建てた。
大きな石には強い魔物の魔石が必要になった。
浄化の石がこの効力を得るためには
一年に3回。大型の魔物から取れる
コアを浄化の石に食わせなければならない。
これを行わないと年ごとに効力は弱まり
5年もすれば完全に効果はなくなる。
冬以外の春夏秋の時期に送りの儀が行われ
様々な種族が各々コアを求め旅立つ。
旅自体は短くて半年ほどで終わる。
一つの季節で手に入らなかったら
次の季節は二つといった具合で
あるていど帳尻を合わせることはできる。
が、それを回避するために年に何個か
ストックを作って置いてある国もあるそうだ。
小さな村なんかは中規模の魔物から取れるコア
だけで持つが、過疎化した村は破滅を待つばかりである。
旅をするためにも浄化の石は必要になる。
国からの支給品や、街の店で買うことができる。
旅をするための浄化の石は持ち歩ける程度の小さなものでいいが、
やはりこれも魔石を食わせなければ浄化の力は減っていく。
魔物は障魔が凝り固まって生まれた存在。
魔物として生まれたそこに対話できるほどの知恵を持つ者は希である。
心臓の代わりに魔石を有しており、これが浄化の石の餌になる。
魔石 魔物の心臓であり浄化の石の餌であり人類の武器でもある。
小さな魔物では感じることはできないが、
中型のまものほどになると魔石に様々効果が宿る。
むしろ効果が出るのが中型という認識になっている。
発動条件は簡単だ。浄化の石を食わせること。
浄化の石が魔石を喰らうようにまた魔石も浄化の石を喰らうのだ。
魔石よりも力の弱い浄化の石は魔石に食われる。
それによって浄化の石を魔石に食われ滅びた街もある。
魔石は食らってから数秒から数十分の間効果を発揮する。
火を出したり風を纏ったりと多種多様だ。
魔石の出す効果は近くにいるものの意思である程度変化する。