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神出鬼没

今日は土曜日なので仕事は休み。

久しぶりに女友達と会う約束をしてて、今向かってる。



そういえばあたしは今一人暮らしをしてるんだ。

大学入ったときからそうだったんだけど。


家族構成は父、母、妹、私の4人家族。

もう亡くなったんだけど父方の祖父が実はフランス人でキャロルドって名前なの。もう分かったと思うけど、あたしの名前はそこから受け継いでる。

けど私の見た目はあまり祖父の遺伝は受け継がなかったみたい。(残念だけど・・)

ただ色素は薄いかな。色白で目の色が茶色がかってる。髪も少し茶色。

身長は156㎝で体重は標準並・・ということで。

響に幼い幼いと言われてるけど自分ではそんなことないって思ってる。


「キャロー!」

「夕夏!!」


大学のとき同じゼミで、気が合ってすぐ仲良くなった女の子、羽鳥夕夏はとり ゆうか。背中まである茶色の髪にゆるパいーマをかけてて165㎝のモデル体型の女の子。4月から大手会社の受付嬢の仕事が決まってる。


「会いたかったぁ」とお互い恋人同士みたいな言葉を掛け抱き合う。


すぐさま二人のお気に入りのワッフルのおいしいカフェに入って今までの積りに積もった話を滝のように勢いよく話し始める。


「メール見てびっくりしちゃった!メイドに就職って初耳だよ!」


「あたしもまさか自分がメイドに就職するなんて夢にも思ってなかったよー」

「で、どんな感じなの??」

夕夏は興味津々といった感じで目を輝かせてる。

これは絶対いい様に想像してるだろうなぁ。


あたしは面接から今日までの話をいっきに打ち明けた。


「思ったより大変そうな仕事なんだねー!でもイケメンのお世話ができるっていうのはちょっと夢があるじゃない」


「ないない!イケメンでも性格は超S級に悪いんだから!俺様だしワガママだし!それから・・・」



「へーそいつはお気の毒だな。」


と突然背後から聞いたことのある声が・・・



「!!!」


あたしの顔がいっきに青ざめる。まさか・・・

対面に座ってる夕夏はあたしのはるか頭上に目線を向けて口をぽかんと開け、でも目は少し輝いていた。


「ひ・・び・・き・・様」

とあたしは恐る恐る後ろを振り返った。

顎を上に向け、目線だけあたしを見下すといういつもの見下しポーズで腕を組んで威圧オーラを全面に放ってる・・・


「守秘義務っていう言葉おまえ知ってる?」

と冷めた口調で攻撃が始まった。


「・・・・はい・・申し訳ありません。」


よりによって何でここに居るのーーー?!

あたしは今すぐここから逃げ出したい衝動にかられた。

けどこの状態で逃げ出せるはずもなく・・


「お仕置き決定だな」


「えっ・・」


「月曜楽しみにしててよ。そいじゃ」

と最後は不敵な笑みを残し去って行った。


さーーっと冷や汗が流れる。心臓もまだ落ち着かないし。


ってかあいつは神出鬼没か!

休みの日にまで顔合わせたくなかったのにー!


「か・・かっこいいー!!今の人がキャロのご主人さま???」


ゆ、夕夏ってば何でそんな反応になるかなぁ・・


「そう、性格悪そうでしょ?」


「そうかなー俺様な人なんて最近めったに見ないし新鮮で

カッコよかったよー☆見た目もなんて美形なのーー!」


こりゃダメだ・・完全にアイドルを追う女子の目になってる・・

つまり目がハートマーク。


「いいなーいいなー。あんなカッコイイ人の専属メイドなんて」


「はぁ・・・」

人の苦労も知らないで!


「麗しき黒髪の王子と呼ぶわ!」

「もう好きにしてー」


さっきお仕置きがどうとか言ってたな・・

あああ・・月曜が来るのが怖いぃ




そしてあっという間に休日は終わり恐怖の月曜がやってきた。


うー気が重い・・・

この間「楽しく頑張ろう」と決めたばかりなのにさっそく心が折れそうに

なっている。


それもこれもあいつのせい!

まぁあたしにも非はあるんだけどさぁ。

今度からご主人様の悪口を言うときは先に周りを見渡してからにしなくっちゃね・・。キャロは一つ学びました。


「おはよう。どうしたの?なんか顔暗いけど」

「凜さん・・実は・・」

とあたしは土曜日のカフェでの一件を凜さんに打ち明けた。


「あらーそんなことがあったのね。でもだからって取って食うようなことはしないだろうし、大丈夫よ。元気出して!」


取って食う・・あの様子じゃそれもやりかねないんじゃ・・

いやいや、まさかね。

あたしのこと人としても見てない感じだし。


「ありがとうございます。とりあえず行ってきます」


そしてあたしはいざ響の部屋に出陣する。

今日の朝、メールで『朝一オレの部屋に来い』って来てて。


コンコン・・3秒経過

ガチャリ

「おはようございます」


部屋に入ると響はベッドに仰向けに寝転んで本を読んでいた。

その姿勢のまま目線だけこっちに遣り


「おはよ。なんか顔暗いね、朝からそんな顔で来られるとうっとーしー」と朝一から毒を吐いてきた。


ううう誰のせいでこんな表情になってると思ってるのよー!


「用事は何でしょうか?」

とりあえず冷静でいよう。


「こっち来て」


ドクンッ


「・・・」


ダメだ、また心臓がうるさくなってきた

冷静なんて保っていられない。


ベッドのすぐ横に行くと

ふいに手首を掴まれて引き寄せられた!

あたしは体制を崩してしまって響の顔のすぐ近くに前のめりになってしまう。顔を上げるとすぐ前に響の顔が・・・!

透き通るような瞳があたしをまっすぐ見つめてる・・

まるで吸い込まれそうなそんな感覚になる。


「なっ・何するんですか!」

もう頭が真っ白でパニック状態。


まさかほんとに食われ・・



「バーカ、びびってやんの」


へ??


バっとあたしの手首を離し勢いよく起き上がる響。

うーんと背伸びをしてる。



これってまさか・・


「からかったんですか・・」あたしは状況を把握しワナワナ

怒りに震えてきた。


「そっ。おまえ反応おもしれーから。・・ってかさ」

とベッドから立ち上がりあたしの前に立つ。

「薄々感じてたんだが、おまえやけに男性慣れしてねーよな?」


「!!」

うっ・・・痛いところを・・



「もしかして・・男性経験ゼロ?」


「!!!」


あたしは真っ赤な顔になって目を見開いたまま硬直した。


「へーそうなんだ。」と意地悪そうな目であたしを見据える。


「・・・」


「そういやずっと女子ばっかの学校出てるみたいだもんな。ずっと男に縁がなかったんだ?」

と痛いところをつく攻撃がまだまだ続く。


「・・だから何だっていうの」

あたしはあまりの怒りで口調がタメ口になってしまった。


「別に~珍しく思っただけー。」


「・・・」


「じゃあさ」

とあたしの顔を覗き込むように首を横にかしげる

「オレが教えてあげよっか?男ってのはどんなのか」


!!!

「けっこうです!!」


「あはははちょーウケる。」とお腹を抱えて笑い出す。


もーーーーー!!!

何なのよ!何であたしのプライベートなことをこんな風に

言われなくちゃいけないわけ?!


「これってプライバシーの侵害です!」


「ふん、おまえが先に守秘義務破ったんだから文句言うんじゃねーよ」


「!」


くそーー!ムカつくー! 


「これで土曜の件はチャラにしてやるよ。有り難く思えよ。

処〇メイド」

「!!!」


「じゃしばらく用事ないし出て行って。」


あたしはあまりの怒りで言葉も出ず憤慨しながら部屋から出た。


ちょー嫌な奴。ほんっとーに嫌なやつ!

信じられない。

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