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続・俺様な面接

7人の女子が憤慨しながら部屋を出て行ったあと、残ったあたしたちはなんとなく気まずい感じになった。

残れて喜んでいいものかどうなのか・・そんな空気が3人を包んでる感じだった。

おまけにこの男の子が何者かもわからない中での面接でとまどいもずっと持ち続けてる状態だし、だからと言って何か質問でもすれば容赦なく落とされそうな気がする・・



「そんじゃ質問始めるよ」

と当の本人はこの空気を何も感じてないような気楽な調子で話し始める。


その後は意外に普通の面接みたいに、性格とか、特技とか趣味とかそういった質問で、あたしはあるがまま答えていった。


3人の質疑応答が終了した後、

男と子ははぁ~っと長い溜息をつき、



「何かパッとしないんだよなぁ。」


と背もたれに浅くもたれるようにして天を仰ぐ。


「どいつもこいつも同じように見えるし・・今回は見送りかな」



・・・今の言葉とかって普通頭の中でつぶやくような言葉だよねえ・・


あたしはさっきからのこの男の横柄な態度と今の発言でだんだん腹が立ってきた。もう我慢できない!



「どいつもこいつも同じじゃないです」

あたしはぼそっとついに言ってしまった。


「あ?・・何?」と睨むような目線でこっちを見据えてきて、一瞬びくついてしまったけど、どうせ落ちるならって思ってあたしは覚悟を決めた。

こういうやつにはびしっと言ってやらなくっちゃ!

勢いにまかせて立ち上がる


「この世界に同じ人なんて一人もいないです。

 あたしはあたし、この世界にたった一人だけ。

 あなただってそうでしょう?

 あなただってこの世界にただ一人。

 ちゃんと見てください。一人一人を。」


両方のこぶしをボクシングする人みたいに胸の前で強く握り少しワナワナ震えながら言い放った。



その様子を男の子は一瞬ぽかんとした表情で見てその後

なんとケラケラお腹を抱えて笑い始めた。


「笑えるー!何名言みたい訴えかけてんだか。おまえおもしれーな。

・・まぁ今回はその名言は覚えといてやるよ。

んじゃ今日は時間もないしここでお開きってことで。」

と立ち上がり、さっそうと部屋からまだ少し笑いながら出て行った。

いっきに静まり返った部屋の中、


あたしはさっきのボクシングポーズのままただただ静止していた・・・

 


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