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第06話『1年生たちの日常』

どうも皆さん、ベルトです。


ゲストに、龍王の光翼様のキャラクターが出ます。


今回は戦闘ありません。


【宣伝】

 マヒロ様の小説「俺の学園生活」通称オレガクで『6月26日:新しい教師とピカピカの1年生』の話で、コラボしてもらっています。

 進也くん・里美ちゃん・理名ちゃん・三郎くん・公平くんがゲスト出演しております。再現度がすごいです!! 皆さん良かったら読みに行ってくださいね。

 マヒロ様、2次創作でもコラボしてくださったのに、1次創作までコラボしてもらい、本当にありがとうございます!!


それでは、本編にどうぞ!!

【長谷川コーポレーション】


 校長から報告を受けて、入学式イベントを延期させた徹子。その理由である長谷川コーポレーションを訪れていた。風花町でも『バランの時計塔』に次ぐ大きさのビルの会社である。


「ほっほっほ、久しぶりじゃのう。社長」


「これはこれは、松下様」


 玄関前のロビーで、ソファーに座っていた徹子の前に現れたのは、髪型は黒髪に、黒いスーツに赤いネクタイをした48歳の男性、長谷川豊(はせがわ ゆたか)。たった2年で、長谷川コーポレーションを急激に成長させた張本人である。


「お主たちが開発したGSチップ、GFウオッチ、風花高校で役立っておるのじゃ」


「それは良かった。私たちの技術が、若い世代に伝わっていくことは、光栄であります」


「ところで、新しい技術が完成したと聞いたのじゃが、どんな内容じゃ?」


「お耳が早い。しかし、まだ実験段階です。詳しくは、いずれお伝えしますよ」


「分かったのじゃ。また来るのでのぅ」


「ええ、また」


 豊の話に満足した徹子は、早々に去って行った。やがて、傍にいた社員が豊に質問した。


「社長、いかがなさいますか? あの技術は既に……」


「放っておけ。現段階では、我らの実験場で行っているだけで、表への証拠が無いからな。それより、妻メアリーが待っている、あとはよろしく」


「はっ!!」


 豊は、社員に任せて一番上の社長室に戻っていった。ちなみに妻は外国人である。



【1年E組】


 1年生の学生寮から200m離れた1年生専用の学生館である4号館。その10階の端っこに位置するのは1年E組。ここは、入学式イベントで失格になった人間が集まる最低クラスである。


「俺は中居総司。お前たちの担任となった。よろしくな」


 教室の扉を開け、黒板に白色のチョークで丁寧に名前を書いていく総司。しかし、本来なら静かに座っているはずである生徒たちは賑やかであった。


「今週の週刊少年フュージョナー買った奴いるかぁぁぁ?」


「買った買った。今回も主人公、爆発していたね。なあ、ゲームクリアしたか?」


「昨日は徹夜だったからな。それじゃあ、寝るわ」


「来週はアイドルの東山三咲(ひがしやま みさき)が風花町に帰ってくるってさ!! ハァ、ハァ、ハァ………」


「俺は、ついに彼女が出来たぜ!!」


「「「「裏切り者、ぶっ潰す!!」」」」


「冗談、冗談じゃ、ぎゃああああぁぁぁーーーーーーーーっ!!」


 担任になった総司の挨拶に対して、クラスメイト9割は、一切聞いていない。そんな中、真ん中の席で集まった仲良し6人組は、周りの様子に呆れていた。


「………賑やか」


「予想通りのクラスねっス」


「まあ、良いわよ。がり勉や外見だけの男より、よっぽどマシよ」


「理名、マシな男ってぼくのこと?」


「あんたは、論外」


「そんなぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」


 公平の叫びが教室に響くなか、総司は無言で右腕を振り上げた。


 ドゴォォォォン!!


「さて、授業だ。お前たちは、ビリのクラスだ。ビリは、ビリらしい自己紹介を頼む」


「「「「…………………………………はい」」」」


 総司は、右腕の素手で机を粉砕した。騒いでいたクラスメイトたちは、一瞬にして静かになった。


「相変わらず、桁違いの戦闘能力の兄貴っス」


「………怖い」


「ば、化け物だぁぁぁぁぁぁ!!」


「うるさい、公平」


「ところで、この2人は何だ」


 総司は、ある2人の様子だけ違うのに気づいた。それは進也と里美である。騒がしいクラスメイトたちも、初々しい様子に戸惑っていた。


「………………ちらっ」


「………………ちらっ」


 さっきからお互いを見ている。相手に分からないようにしているが、分かっていないのは本人たちだけで、周りは温かく見守っている。やがて、目が合った。


「「…………………!!」」


「………………ぽんっ」


「………………ぽんっ」


 見つめ合った瞬間、同時に顔が真っ赤になった。昨日の入学式イベントの出来事は、2人にとって色んな思いを自覚したので、相手のことを意識するあまり、話すどころか見れなくなっていた。


「この初々しさは天然記念物だな。さっそく自己紹介を頼む」


「「はっ……、ごめんなさい……!!」」


 ようやく進也と里美の意識が戻ってきたので、自己紹介が始まった。


「上野進也です。よろしく」


「佐藤理名よ。よろしくね」


「鈴木公平だ!! よろしくな!!」


「天醒士です!! よろしく!!」


「中居三郎っス。よろしくっス」


「日々野美莉です。よろしくお願いしますね」


「松下里美です。よろしくお願いします」


「………礼乃優奈。よろしく」


 次々と挨拶する新入生たち。やがて、全員が話し終わった。すると、総司が話し始めた。


天宮(あまみや)

伊東(いとう)

上野(うえの)

大岡(おおおか)

片木(かたぎ)

鎌田(かまだ)

木下(きのした)

霧島(きりしま)

工藤(くどう)

小池(こいけ)


佐藤(さとう)

篠塚(しのづか)

島田(しまだ)

鈴木(すずき)

滝沢(たきざわ)

天醒(てんせい)

土屋(つちや)


中居(なかい)

名護(なご)

西口(にしぐち)

野村(のむら)

日向(ひなた)

「日々(ひびの)

古河(ふるかわ)

堀北(ほりきた)

松下(まつした)

武藤(むとう)

山崎(やまざき)

吉井(よしい)


「全員の名前を記憶した。さて、次の説明をするぞ」


「「す、すごいです!!」」


「抜群のシンクロ率、癒されるわ」


 Eクラスは、男子12人女子12人、合計24人いる。記憶した様子を見ていた進也と里美は、キラキラした瞳で、総司を見ている。理名は、隣で癒されている。すると、扉からGSロボットが入って来た。


「ちなみに、各授業はGSロボットが監視している。授業をサボるようなことをした場合……」


「上野くん、あのロボットさんは!!」


「うん、おれたちを助けてくれた、ロボットさんだ!!」


『ドウモデス、進也サマ、里美サマ』


 進也と里美は、遠くから頭を下げて挨拶した。ロボットも気づいて頭を下げている。


「この2人は、いつもこんな感じなのか?」


「兄貴、あの2人は不思議なっス」


「ここでは、兄貴ではない。先生だ、三郎」


 総司は、三郎に注意した。身内であっても、厳しい。それが中居総司である。


「入学式イベントの結果をプリントで回す。各自、確認しろ」


男子ランキング


1位 長谷川直樹

2位 朝月真谷

3位 北島修二



失格 鈴木公平・中居三郎・上野進也


「ごめんなさい、上野くん……」


「いいよ、あれは仕方ない。でも……、ちょっと悔しいかな」


 改めて、結果を見てショックを受ける里美。進也もあんなアクシデントが無ければ、一緒に合格できていたので悔しいのだ。


「他のランキングもあるっス」


女子ランキング


1位 長谷川めぐみ

2位 瀬島嵐

3位 後藤丸子



失格 松下里美・佐藤理名・礼乃優奈


「それにしても、すごいね」


「長谷川、A組確定だな」


「1番乗りだったみたいね」


 長谷川兄妹は、入学式イベント最短の時間でクリアした強敵である。


「他にも、こんなランキングがあるっス。例えば『嫁にしたい女の子』『妹にしたい女の子』『彼氏にしたい男の子』『恋人にしたい男の子』『夫にしたい男の子』先輩方が多いっス」


「何よ、このふざけたランキングは!?」


 三郎が勝手に考えた称号、メモ帳をこっそり見てみた。


『白騎士』進也。

『風の申し子』里美。

『キング・オブ・バカ』公平。

『炎の戦士』理名。


「おいらが考えたランキングでは、上野さんは3位っス」


「ありがとう、中居」


「三郎、何だこの『キング・オブ・バカ』って、馬鹿にしているのか!!」


「あんたは、それがお似合いよ」


 進也は三郎にお礼を言って、公平には冷たい理名であった。


「………優奈のは?」


「すみませんっス。優奈さんは、イベントの時に離れちゃったので、分からないっス」


「………今度、見せるから『称号』欲しい」


 三郎が考えた称号に自分が無いことに、羨ましがる優奈でした。



【学生寮2F 学生食堂】


「おばちゃん、大盛り!!」


「どんどんお食べ」


「いっただきまーーーーーすっ!!」


 昼休み、おばあちゃんたちから食事を受け取り、みんなで食べている。


「すっかり桜が散っちゃったわね。桜が有名な桜葉市に行きたかったわ」


 理名が呟いていると、後ろから声をかけられた。


「上野!!」


「朝月!!」


「上野くん、この男の人は?」


 声をかけてきた男の子は、進也を知っているようだ。仲が良さそうな様子を見て、里美が聞いてみた。


「朝月真谷だよ」


「同じ名前ですね」


「同じ名前だからな、名字で呼びあっている」


「おれの友達だよ」


 進也は、真谷を紹介する。黒髪で目つきは鋭いが、気の合った古い友人である。


「それより、お前が失格って、どういうことだ!?」


「詳しくは、これが終わってから説明するから」


 進也が真谷と話しているなか、里美は知り合いを見つけた。


「嵐ちゃん!!」


「里美ちゃん、お久しぶり。綺麗になったわね」


「ありがとうございます。嵐ちゃんも綺麗ですよ」


 瀬島嵐は、里美と同じくらい髪が長く、スタイルがいい女の子である。正直に話す里美に対して、嵐はため息をした。


「相変わらず、あなたの純粋さには勝てないわね」


「???」


「理名と話があるから」


「分かりました。上野くんに紹介したいので、呼んできます」


 クエッションマークを頭に浮かべる里美が去ったあと、嵐は理名に話しかけた。


「理名、久しぶりわね」


「嵐、ここに居るなんて、意外よ」


「そういう、あなたこそ。あなたがガイア・ポリスの一員ってことは?」


「それは関係ないわよ。まあ、怪しい奴らがいる情報は、前から入手しているわ」


 理名は、ガイア・ポリスの一員であった。そして、周りには秘密である。遠くから里美の声が聞こえてきた。


「理名ちゃん、嵐ちゃん、こっち空いていますよ!!」


「里美ちゃんが居るから、今は止めましょう」


「仕方ないわね。でも、奴らは確実に潜入している。気をつけて」


 話が終わった理名と嵐は、一緒に里美のもとに行った。純粋で癒し系な里美には、暗い話は聞かせたくないのである。


「まあ、色んなことがあったけで、打ち上げだーーーーーーーー!!」


「「「「「かんぱーーーーーーい!!」」」」」


 公平の大きな声が響くなか、改めて仲間たちと挨拶していく。


「上野くん、よろしくお願いします」


「ありがとう、松下さん。こちらこそ、よろしくね」


「上野さんは、戦うイメージから『白騎士』がピッタリっス」


「あの姿を見ると納得するわ。もちろん、普段からも」


「………お似合い」


 みんなが褒めるなか、顔が真っ赤になる進也と里美。


「恥ずかしい……」


「わたしもです……」


 みんなの中で、里美ちゃんを護って戦う進也の姿のことを『白騎士』に決定した瞬間であった。



【体育館】


「このあとは、身体検査と正式なペア登録を行う」


 総司は、Eクラス全員を体育館に連れてきていた。


「優奈ちゃんは?」


「居ないね」


 身体検査のはずなのに、優奈の姿がいない。お手洗いに行っているのかなと思う中、次に進んだ。ペア登録のため、ツーショットの撮影だ。


「ぴったり寄せ合って、そうそう、良いよ」


「「〜〜〜〜〜〜〜ポンッ!!」」


 保健室担当の女の先生が指示して、ぴったりと引っ付いた瞬間、進也と里美は真っ赤になった。


「あの初々しさ、撮れない」


「………優奈が撮ってあげるの」


「ありがとう。助かるわ」


 いつのまにか優奈がいて、代わりに撮ってあげた。


「………ハイ、チーズ」


「あら……、あんな子、居たかしら?」


 こうして、進也たちのGFウオッチに、ペア専用の連絡機能を追加された。離れた場所でも会話が出来る電話、簡単な文章を送れるメール、相手の居場所が分かるGPSなどがある。


「美莉、あ、あんまり引っつくな!! 周りが怖い……」


「ご、ごめんね(こうして周りから夫婦に見えるかな……きゃっ♪)」


「「「「おのれ、士。あとで、ぶっ飛ばす!!」」」」


 ツンツン頭の男の子である天醒士と、胸が大きい女の子である日々野美莉が、進也と里美とは違う意味で盛り上がっていた。士は、進也とは違って裏切り者らしい。


「上野と松下は、放課後に理事長室へ行くように。理事長がお話があるそうだ」


「おれ、悪いことしたかな……」


「わたしのおばあちゃんなので、悪いことで呼んだりしません。だから、安心して行きましょう」


「うん。ありがとう、松下さん」


 総司に指示された進也と里美は、このまま理事長室に向かっていった。ちなみに理名、三郎、公平たちは、先に学生寮に帰って行った。



【理事長室】


「ほっほっほ、きみが上野くんかのう」


「はじめまして、上野進也です。よろしくお願いします!!」


 進也は、徹子に対して頭を下げて、お辞儀をした。


「上野……懐かしい名前じゃのぅ」


「へっ?」


「何でもないのじゃ。きみにお願いしたいことは、里美を護ってほしいのじゃ」


「松下さんを、ですか?」


 進也は、徹子の話に疑問を感じた。


「最近どうもワシの親しい人間たちが何者かに襲われていてのぅ。ガイア・ポリスにも護衛を頼んでいるのじゃ」


「どうして、襲われているのですか?」


「里美に、それを渡したのじゃ。松下家に代々伝わる家宝。どうやら、それが狙いのようじゃ」


 里美への入学祝いのペンダントは、松下家の家宝だった。


「こんな危ないもの、松下さんが危険です!!」


「今は高校に居る限り、問題ないのじゃ。ワシの立場じゃと、どうしても狙われるからのぅ。家族も対象になるからじゃ」


「何で、おれなんですか? 中居先生やガイア・ポリスの皆さんのほうが、めちゃくちゃ強いですよ」


 進也の言っていることは最もである。


「里美が自分から言ったのじゃ。上野くんと一緒にして欲しいと。孫のお願いを叶えてあげるのが、おばあちゃんの役目じゃ」


「おばあちゃん、恥ずかしいです……」


 里美に頼りにされていると聞いた進也は、嬉しくなった。


「松下さん、ありがとう。おれ、がんばるね!!」


「上野くん、よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


「ちなみに、里美は料理などの家事は、ワシの保証済みじゃ。お嫁さんに欲しいのなら、お得じゃぞ」


「お、おばあちゃん!!」


「松下さんが、お嫁さん……ぽんっ!!」


 進也は、思わず想像してしまって、顔が真っ赤になった。ちなみに想像した内容は、一緒に食事をしているという平和な風景でした。ちょっと危険が迫っているというハラハラな進也と里美の高校生活が始まるのであった。

真谷くん、嵐ちゃん、今回は台詞がありました。


真谷くんは進也くんの古い友人で、嵐ちゃんは里美ちゃんと理名ちゃんの知り合いにしました。


里美ちゃん、理名ちゃんにも設定を追加しました。


次回はGSチップを使いこなす授業です。お楽しみに。

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