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第04話『新入生vs2年生』

どうも皆さん、ベルトです。


皆さんのキャラクター提供ありがとうございます!! 全員活躍できるように、がんばって書きます。


登場人物に、皆さんのキャラクター紹介があります。


今回は、戦闘ありです。まずはEXAM様と福音 振様のゲストと戦います。


それでは、本編にどうぞ!!

【学生寮5F 男子のエレベーター前】


 夕食を食べ終わって、すっかり日が暮れてしまった風花高校。進也たちは、寝るためにエレベーターで移動していた。


「明日は、がんばろうね」


「楽しみっス」


「………がんばる」


「何で女子の部屋が上なんだよ〜〜、珍しい混浴は入れない〜〜!!」


 女子の個室は、男子の上の6階である。公平は頭を床に置いて、がっかりしている。よほど女子と一緒じゃなかったのがショックなようだ。そんな様子を見た理名は、上から目線で話す。


「あんたは、寝坊すると良いわ。それに混浴なんて、あんたなんかと一緒に入る女子は居ないしね」


「んだとぉぉ〜〜〜!! 理名、今日という今日は許さないぞーーーっ!!」


「まあまあ、お二人さん落ち着くっス」


「………喧嘩はダメ」


「みんな、仲良しです。おやすみなさい、上野くん」


「おやすみ、松下さん」


 ペコリと頭を下げて挨拶する進也と里美。女の子たちにエレベーターの前で挨拶して、進也たち新入生は寝るのであった。ちなみに混浴であるが、成績上位者などが使用できると聞いて、個室で公平が燃えていたのは言うまでもない。こうして、風花高校の1日目が終わった。



【暗闇の部屋】


 床に赤い絨毯(じゅうたん)がある部屋。奇妙な絵が壁に掛けられている。天井にはシャンデリアが飾られ、この部屋の住人がお金持ちだと分かる。部屋の中央には、三角の机にGSチップが置かれている。


「ボス、風花高校に部下を入学させました」


 床に膝を付いている銀色の仮面を被った人間が、目の前でソファーに座って黒猫を撫でる『ボス』という人間に状況を報告している。仮面の男の表情は、銀色の仮面で分からないが、低い声で話す男性のようだ。


「ご苦労。ところで伝説の『武具』の捜索は順調なのか」


「今のところ、発見できておりません。ただ、1番可能性のある風花高校には、確実に存在すると考えられます。引き続き、調査します」


「期待しているぞ、マスクよ。我は、厄介者の相手をしておく。あの婆さんは、しつこいからな」


「はっ……!!」


 ゴーーーーン、ゴーーーーン、ゴーーーーン!!


 ボスが語る伝説の『武具』という言葉。ここに誰かが訪れるようだ。この部屋の窓から見える『バランの時計塔』が12時を告げるのであった。風花町の夜の闇は、深くなるのであった。



【体育館】


 翌朝、新入生たちが体育館に集められた。GSチップを使用している姿である『GSアーマー』を動きやすくするため、体操服に着替えている。三郎と公平と一緒に来た進也は、先に来ていた里美を見つけた。


「おはよう、松下さん」


「おはようございます、上野くん」


「新婚夫婦の朝の挨拶ね。そして、キスを」


「理名さん、まだ付き合ってもいないのに、色々と飛ばし過ぎているっス……」


 風花高校が独自で作った体操服や制服は、大怪我をしないように特殊な防御服である。よほどの衝撃が来ない限り、学生たちの安全を守るように出来ている。進也たちが話していると、女性の声が聞こえてきた。


「注目!! 中居先生からの説明を開始する!! 新入生、聞くように!! それでは中居先生どうぞ」


 気の強い女性の先生が新入生たちを集めた。この女性の先生は、中居先生のファンである。見た目は、少しおおらかな体つきである。さらに化粧も濃く、若作りを必死にしているが、空回りしているのが分かる。


「お前たちには、いつも着けている腕時計を外してもらい、風花高校用のGSチップ専用の腕時計を着けてもらう」


「何だ、こりゃ?」


GF(ガイア・フュージョン)ウォッチだ。政府から支給された最新型だ」


「か、かっこいい!!」


 周りにいる先生たちが、新入生たちにGFウォッチが配っている。進也を含め、新入生たちは嬉しそうである。


「改めて今回のイベントについて説明する。2人1組のペアで、1対1の戦いで2年生に一撃を与えること。その一撃を与えた証であるアイテムを2年生から貰う。そして、体育館まで持ってくる。これがクリア条件だ、何か質問はあるか?」


「先生、クリア出来ない条件はありますか?」


「良い質問だ。1つ目は、制限時間内に体育館まで戻っていないこと。2つ目は、2年生に負けること。3つ目は、一度起動したGSアーマーを解除することだ。以上、3つのことに注意してくれ。自動的に失格となり、Eクラス行きだ」


「先生、戦う相手は男女問わずですか?」


「いや、異性同士の戦いは禁止している。何故なら男女が戦えば、実力の差がはっきりしているからだ」


 新入生たちの質問が次々と出てくる中、中居先生は問題なく答えて行く。その様子を見ている女性の先生たちは、目がハートになっているように見える。やがて、誰も質問しなくなって、しんと静まった。


「他に質問は無いな。なお、このイベントは不正を防ぐため、GSロボットが監視している。それでは、ペア登録を開始する」


『起動シマス。登録ヲ開始デス』


 赤い眼が光って、GSロボットが動き出した。水色の両耳にアンテナが、四角い顔である。胸には時計があり、現在の時刻が分かる。身体全体の色は、黄緑色で綺麗な感じだ。新入生たちの周りに集まってきた。


「かわいいロボットさんです」


「よろしくね、ロボットさん」


『ヨロシク、オネガイシマス』


 何故か近くにいるGSロボットに頭を下げて一緒に挨拶する進也と里美。感情が無いはずのGSロボットも、何気に嬉しそうである。


「ロボットに挨拶しているっス……」


「あの2人、ときどき理解が出来ないよ」


「良いじゃない、癒される光景よ」


「………ほのぼの」


 公平と三郎は、さすがに引いている。対して、理名と優奈は癒されている。どちらのリアクションも正しいが、後者のほうが進也と里美らしいのである。そして、新入生たちはGSロボットにGFウォッチを認識させて、ペア登録をした。


『登録完了デス。上野進也、松下里美』


『中居三郎、佐藤理名』


『鈴木公平、礼乃優奈』


 進也たちは、昨日に決めていた通りのペアになった。


「いよいよですね」


「うん」


「目指すは、1番乗りだぜ!!」


「………ぎゅっ」


「まずは風花高校の地形を見極めるっス」


「さあ、どんな先輩が待っているのかしら?」


 みんなの期待と不安が入れ混じるなか、中居先生の合図が鳴り響いた。


「制限時間は1時間。よーーーーい、ドンッ!!」


 パアアアァァァンッ!!


「「「「わああぁぁぁーーーーーーーっ!!」」」」


『『『『コレヨリ、1時間、入学式イベント開始シマス』』』』


 新入生たちは、一斉に体育館を飛び出した。そして、各エリアに配置されているGSロボットも起動された。



【運動場】


 進也たち6人は、一緒に行動していた。地形も分からないまま、突っ走るところで何も分からない。それなら皆で探したほうが良いと考えたからだ。


「2人1組で手に入れろって言っていたけど、行動は何も言ってなかった」


「みんなで一緒だったら心強いです」


 風花高校は、風花町の20%の土地を使った高校なので、とても広いのだ。そこから2年生たちを探すのだから、さらに大変だ。進也たちは、まず手探りで様々な実験場がある1号館に入ってみた。


「2年生、どこにいるのかな?」


「広いですけど、がんばって探しましょう」


「適当に色んな教室を回るっスか?」


「よし、それならここだ!!」


 進也と里美が1号館の広さに驚いているなか、三郎の提案で公平は『理科室』と書かれている部屋に入って行った。



【理科室】


「おっ、さっそく来たな新入生」


「私たちが相手よ」


 髪型が黒髪でサラサラヘアーの糸川流星、黒いロングヘアーのアホ毛っぽい日野理沙のペアと、髪型が漆黒のショートカットの神代達也、黒みの掛かった紫である如月志野のペアが待っていた。2年生たちは学生服である。


「ぼくが行くよ、1番乗りだ!!」


「なら、俺が相手になろう。俺は糸川流星。よろしくな後輩」


「ぼくは鈴木公平。勝たせていただきます!!」



【チッパーバトル 糸川流星vs鈴木公平】


 流星と公平は、理科室の中央に向かい合った。他のみんなは、教室の端っこで見守っている。お互い、GSチップを取り出し、GFウォッチに差し込んだ。


『『レディ?』』


「認証、ジークンド!!」


「認証、タイガー!!」


『アクション・チップ チェックイン』


『アニマル・チップ チェックイン』


 GFウォッチから電子音声が鳴り響いた。流星は黒い身体に青い曲線が描かれたスマートな姿に、公平は黄色の身体に黒い直線と鋭い牙がある虎をモチーフにした荒々しい姿になった。


「スピードタイプとパワータイプの対決か」


「相性は、鈴木さんのほうが有利です」


 進也と里美が真剣に見ている中、理名は公平の戦いに興味がないのか、あくびをしながら思いついたことを言ってみた。


「暇だし、賭けをしましょう。公平が負けるに1票」


「おいらも1票」


「………優奈も1票」


「これじゃ賭けにならないじゃない」


「あんたら、応援する気が全く無いんですか!!」


 優奈と三郎が同じなことに呆れる理名。耳に聞こえていた公平は、思わず突っ込んでしまった。


「よそみは禁物だぜ」


「あぶねぇぇぇ、カンフーかよ!!」


「違う、正確にはジークンドだ。ホォォアチャァァァ」


 流星は、拳をタイミングよく公平に当ててくる。喧嘩のような無茶苦茶に振るのではなく、1つ1つ丁寧に振っていく。時折、足技も組み込んでくるので、公平は防戦一方だ。


「ホォォォォォアッチャーーーー!!」


「アチョアチョうるさいな!! これでもくらえ!!」


『サブ・チップ クロー』


 しかし、公平もタダでは下がらない。GFウォッチにサブ・チップを読みこませて、両手に巨大な鋭い爪を出現させた。リーチが広がった公平の攻撃は、流星を下がらせた。


「てやああああぁぁぁ!!」


「フォォォォ!! ホァチャアアアアアッ!!」


 流星と公平の白熱した戦いは、まだまだこれからであった。



【外野】


「2年生の方は、強いですね……ん?」


 クイ………


「どうしました、優奈ちゃん?」


 一方、端っこで見学している里美は、隣にいた優奈に袖を引っ張られていた。


「………優奈、別の所で戦ってくる」


「分かりました。がんばってください、優奈ちゃん」


「鈴木の分まで、がんばってね」


 優奈は、他の所で戦うと言いだした。公平が負ける可能性もあると考えた里美は了承した。進也も気付いたのか里美と同じように応援する。無表情ながらも嬉しそうな優奈は、教室の外へ走っていった。すると、2年生の志野が声をかけてきた。


「あなたたち、私と戦わない?」


「良いですね、あたしが行きます。あたしの名前は佐藤理名です。先輩だからといって、負けませんよ!!」


「私は如月志野。よろしくね」


 志野が挑戦してきた理由は、達也に良い所を見せたいのだ。そんな思惑など知らない理名は、勝つために受け入れた。



【チッパーバトル 佐藤理名vs如月志野】


 流星たちと同じようにGSチップを取り出し、GFウォッチに差し込んだ。


『『レディ?』』


「認証、フレイム!!」


「認証、サムライ!!」


『アビリティ・チップ チェックイン』


『アクション・チップ チェックイン』


 理名は、炎をイメージにした紅い鎧を纏った姿に、志野は腰に刀を持って侍のような姿に変わった。GSチップは、どんな姿でも再現できる夢のチップだ。


「テクニックタイプとテクニックタイプの対決だ」


「負けませんよ!!」


「達也の前で負けるわけにはいかないわ」


『サブ・チップ ソード』


『サブ・チップ ナギナタ』


 お互いに武器を取りだした。理名は少し大きめに剣を構え、志野は自身より長い薙刀を振り回してから構えた。先に動いたのは、志野だ。


「せいっ!!」


「っつ!?」


 理名の腹に目がけて、いきなり先端の刃で突きをしてきた。理名は持ち前の運動神経で避けてものの、志野はその場で回り反対側の刃を振って来た。


「やああっ!!」


「さすが、先輩。あたしたちより強いわね。けど!!」


 理名は、体勢を戻して両手に持った剣で薙刀の刃を弾きながら、そのまま志野に接近した。薙刀はリーチが広い分、接近されると不利になるのだ。そのまま、GFウォッチの赤いボタンを押しながら、剣を振り下ろす。


『ワイルドチャージ!!』


「やああああっ!!」


「うわああああぁぁぁ!?」


 炎を纏った理名の剣が、志野の左肩から右足へ斜めに斬った。一撃を与えることが条件だから、これだけで合格だ。ちなみに、攻撃力が小さいけど必殺技のチャージ時間が短いのは、テクニックタイプの強みである。


『アクション・チップ チェックアウト』


【如月志野K.O.】


【佐藤理名WIN】


「よっし!!」


「すげえっス!!」


 理名の拳を握りしめたガッツポーズで『理名・三郎』チームの勝利は決まった。一方、こちらも決着が着こうとしていた。公平のGFウオッチの電子音声が鳴り響いた。


『ワイルドチャージ!!』


「ウルトラスーパーデラックス・クロー!!」


「よっと」


「何ィィィィーーーーー!?」


 勝負所と考え、勢いよく両手の爪をクロスに振りかぶった公平による渾身の必殺技が簡単に避けられた。


「隙は大きいから、避けれまい。ホアッチャーーーー!!」


『ワイルドチャージ!!』


 流星はGFウォッチの赤いボタンを押した。ノリのいい電子音声が流れて、流星の右足にエネルギーが蓄積されていく。


「ホォォ〜〜〜、ホワチャァァァァーーーーー!!」


「うおっ!?」


 空中に飛び上がり、右足を公平に向けて打ち込もうとする。飛び蹴りである流星の必殺技『メテオ・ジェット』が、公平の胸に炸裂したかに見えた。


「ふっ……、お前が貫いたのは残像じゃない。本体さ」


「なんか、今の日本語おかしいっス」


 余裕を見せる公平だが、三郎が言った瞬間、公平の身体に異変が起こった。


「ぐふっ!!」


「「「ぎゃ、逆だ(です)ーーーーーーっ(ス)!!」」」


 進也、里美、三郎は思わず同じように叫んでしまった。


「し、しまった……!! 逆だったーーーー!! ………ぐはああああぁっ!!」


「アホなのか……」


 普通に、流星の必殺技『メテオ・ジェット』が炸裂していた。予想通りだが、公平の勘違いであった。流星は、飛んでいく様子を見ながら、思わず呟いてしまった。


『アニマル・チップ チェックアウト』


『アクション・チップ チェックアウト』


【鈴木公平K.O.】


【糸川流星WIN】



「ぼく、失格ーーーーーーーーっ!?」


「あらら、予想通りっス」


「「鈴木(さん)、ドンマイ(です)……」」


 公平がショックを受けているなか、負けたことに三郎と、気まずい雰囲気でシンクロした進也と里美。入学式イベントは始まったばかりである。



久しぶりに戦闘描写を書きましたが、迫力が伝わっているか微妙です。


でも、書いていて楽しいです。1次創作って、すごいですね。


次回は、入学式イベント終了です。お楽しみに。

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