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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第7章 浮遊諸島の聖女と時の遺跡

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【エピローグ】風に舞う祈りと、その名を呼ぶ者

浮遊諸島の最奥、見送りの丘――。


淡い空の光に包まれ、揺れる草花の先に、巨大な飛空艇が停泊していた。白銀の船体が陽光を受け、まるで天の舟のように輝いている。


「……いよいよ、だね」


クラリスが風になびく金髪を押さえながら、寂しげに呟いた。


「名残惜しいけど、仕方ないにゃん。浮遊諸島の人たち、ずっと手を振ってるにゃ」


ミュリルが耳をピコピコと動かしながら、丘の下の人々を指さす。子供たちが笑顔で、手製の旗を振っていた。


「……ああいうの、見てるとさ。ちょっとだけ泣きそうになるウサ」


フィーナが肩をすくめながらも、目元をこっそり拭っていた。


「……この旅路が、彼らにとって希望の始まりになるといいね」


シャルロッテが囁くように言い、静かに頷いた。


浮遊諸島に巻き起こった瘴気の騒乱、封印の地での死闘、そして星霊の啓示。


すべてが過ぎ去り、残されたのは、空を翔るための新たな地図。


「そろそろ時間だ」


イッセイが振り返ると、仲間たちはそれぞれの表情で応えてくれた。


ルーナが歩み寄って、小さく言った。


「……空の上でも、私たち一緒だよね?」


「もちろん。何があっても離れない」


そのときだった。イッセイはふと、風の音に紛れて――どこかで聞いた声を耳にした。


「――また会いましょう、イッセイ様」


はっとして振り返る。誰もいないはずの丘の端に、銀の髪が揺れていた。


「……リアナ……?」


淡く揺らぐ幻影のような姿。笑っていた。寂しげで、けれど――あたたかく。


「今度こそ……私の想いを、あなたに伝えるために」


その声は風と共に空へと溶け、草原に白い花びらがひとひら、ふわりと舞い落ちた。


「……行こうか」


イッセイは仲間たちを振り返った。


「俺たちは、あの空の先へ向かう」


クラリスが静かに頷き、ルーナがそっと手を差し出す。サーシャが凛とした表情で、剣の柄を握り、リリィがにやりと笑う。


ミュリルが小さく跳ねて、フィーナが気泡魔石を軽く振って音を鳴らす。


「……この旅が、俺たちの“本当の物語”になる」


その言葉と共に、飛空艇の甲板へと一行は足を踏み出した。


浮遊諸島が、風に包まれた大地が、彼らの背中にそっと祈りを託すように、陽光を送り続けていた。


そして、空の彼方に向かって――物語は、またひとつ、幕を開ける。

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