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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第6章 聖なる記憶と千年の封印

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エピローグ 神の祈り、旅路の彼方にて

 風が柔らかく吹いていた。


 神の座の戦いから数日後。イッセイたちは、聖教国・エルヴィラ郊外の小さな村「セント・リュミエール」に身を寄せていた。そこは巡礼者の間では“奇跡が宿る地”と囁かれる、静かな聖域だった。


「ふぁぁ……あったかい……」

 ミュリルが日差しの中、縁側で丸くなりながら伸びをする。「にゃんこの天国だにゃん……♪」


 小さな祈祷院には、穏やかな鐘の音とハーブの香りが満ちていた。フィーナが中庭の薬草畑で採取したラベンダーを、リリィが試作のアロマオイルに加工している。


「どう? この香り、旅の疲れにも効くウサよ」

「ええ、とても落ち着きますわ……癒しの泉にいるみたい」

 リリィとクラリスが並んで座り、笑い合う。


 サーシャは離れた木陰で、剣の手入れをしていた。だがその視線は、神殿の白壁に咲く小さな花へと向けられていた。


「武を振るうだけでは、あの場所は守れぬのだな……」

 小さく呟いた声に、イッセイがそっと近づく。


「……気づいたんだな」

「……ああ。だからこそ、もっと強くなりたい。誰かの“想い”を守るためにな」


「いい目になったな、サーシャ」

 イッセイが微笑むと、彼女はすっと目を細めた。「ぬしの言葉、素直に嬉しいぞ」


 一方、シャルロッテは小さな精霊と対話していた。彼女の肩には、光のように淡く揺れる“言葉の粒”が寄り添っていた。


「……やはり、“封印の揺らぎ”は全土に広がりつつある。次の“啓示”は、南方の浮遊諸島……」


「そこに……魔王の影が?」

 イッセイが眉を寄せる。


 シャルロッテは頷いた。「精霊たちが“囁き”始めたわ。あの島には“時の狭間”があると」


 セリアもその話に耳を傾けていた。「浮遊島……聞いたことある。昔、王族しか渡航を許されなかった禁地よ」


「そこに“聖女リアナの魂”が……」

 クラリスがぽつりと呟いた。


 イッセイは空を見上げる。透き通るような青。けれど、その果てには新たな闇の気配が確かにあった。


「聖女は本当に封印のためだけに命を捧げたのか。――それを、確かめに行こう」


「ウサ! 新しい地図、もう描いたウサよ!」

 フィーナが嬉しそうに地図を広げる。


「ふふ。だったら、試作の“軽量泡風呂パック”も持っていかなくちゃですね」

 リリィも笑顔で言う。


「にゃんでも来い、だにゃん♪」

 ミュリルが剣を腰に、くるっと回って笑う。


「では、改めて確認するぞ」

 サーシャが立ち上がり、凛とした声で言った。「次の地は、浮遊諸島《アルフリード群島》。――封印の真実を確かめに」


「うん。行こう、みんなで」


 イッセイの言葉と共に、仲間たちは再び立ち上がる。


 風が吹く。桜ではないが、空に舞った草花が、静かに次の旅を祝福しているかのようだった。


 旅は続く――。

 そして、真実の扉は、もうすぐそこに。

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