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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第5章 王都の休日

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フィーナ編「白銀の理と泡の奇跡」

王都の一角、魔導学院の分校棟。

アーチ状の高窓から朝日が差し込むなか、白銀の髪を揺らした少女――フィーナは、魔道具研究室の扉をノックした。


「失礼するウサ。研究見学をお願いしたいウサ」


部屋の中では、論文と試作機が所狭しと並び、眼鏡をかけた学者たちが黙々と文献に目を通していた。

無機質な視線が、ピンクのローブ姿のフィーナに一斉に注がれる。


「……こちらは学術関係者以外の立ち入りは――」

「古代魔導具について、少し調べたいことがあるウサ。あと……これも見てもらいたいウサ」


フィーナは、リリィと協力して開発中の『気泡式入浴魔道石』を取り出した。

宝石のような輝きを持つその石は、湯に入れると細かく泡立ち、温熱と癒しの魔力を放出する。


「これは……界面魔力を利用した気泡拡散型……いや、これは応用魔術の……!」


学者たちはざわつき始めた。

やがて最年長の研究主任が石を手に取り、目を細めた。


「発想は奇抜だが、実用性がある。君が開発者かね?」

「うん、可愛いと便利は両立するウサ! 美は正義、癒しは論理ウサ!」


場が静まりかえる。


だが次の瞬間、一人の若手研究員が吹き出した。


「……ぷっ、論理に癒し……? いや、逆に面白いぞこれ!」


フィーナの情熱とプレゼンが学者たちを巻き込み、白熱したディスカッションが始まる。


「この魔道石の構造はどうなっている?」「魔力の流動安定化にはどんな結晶を?」


「ふわふわの泡を作るのに、どれだけの魔力計算したと思ってるウサ! ねばねば成分とシュワシュワ成分の絶妙なバランスが……」


フィーナは懸命に語り、図解とメモを広げながら説明を続けた。


──数刻後。


研究主任は、フィーナの肩に手を置いた。


「君の発明、正式に論文として魔導学院で取り上げたい。願わくば、我々の研究員としても力を貸してほしい」


「本当ウサか!? ……でも、旅があるウサ。今はまだ、立ち止まれないウサ」


「ならば、この研究室は君の第二の拠点だ。旅の途中でも、発想が生まれたら戻ってきなさい」


「わかったウサ!」


──研究棟の外。


夕暮れの中、フィーナは小さく伸びをした。


「ふわふわの泡が、誰かの疲れをとるなら……それって、すごく素敵なことウサ」


彼女の目は、まっすぐ明日を見据えていた。

可愛いも、便利も、癒しも、全部を届ける魔法技術を。


泡と魔力、ふわふわは正義ウサ!

そう胸に刻んで、フィーナは歩き出した。


彼女の後ろで、魔導学院の塔がやさしく灯をともしていた。

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