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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第5章 王都の休日

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セリア編「小剣と誓いの研磨」

王都近郊、昼下がりの陽射しが斜めに射し込む訓練場には、剣戟の音が乾いた空気に溶け込んでいた。


「――はっ!」


鋭い掛け声と共に、細身の小剣が風を裂く。


セリアは額に汗を浮かべながらも、凛とした表情を崩さず、次の一太刀へと身体を滑らせた。


「変わらないな、セリア。だが……まだ、甘い」


低く響く声の主は、かつて王都護衛騎士団で教官を務めていた男、ギルバート。

四十代半ばの無骨な男で、かつてセリアに剣の基礎を叩き込んだ恩師だ。


「ギル様こそ、相変わらず老けましたね。腰、大丈夫ですか?」

「はっはっは、相変わらず口が減らんな。だが、その構え……随分と柔らかくなった」

「……はい。あの人のおかげです」


イッセイの姿が、ふと脳裏に浮かぶ。

厳しくもあたたかい視線。背中を預けることのできる安心感。何度も命を救い合ったあの戦い。


「ずっと、あたしは“護られる”ことが当然だと思ってたんです。騎士だからって、誰かの後ろで剣を振るっていればいいって……でも、違いました」


セリアは小剣を構え直す。その眼差しはかつてないほど真っ直ぐだった。


「“自分の力で、大切な人を護る”。その覚悟が、やっと分かった気がします」


ギルバートは頷き、腰の重い長剣を振り上げた。


「ならば、証明してみろ。お前の“誓いの剣”を!」


剣と剣が火花を散らし、再び戦いが始まる。


陽が傾き始めた頃、セリアは両膝に手をつき、荒い息を整えていた。


「ふっ……久しぶりに、本気を出しました……」


「見事だった。だが、甘えるな。お前が背中を任せてる男は、たぶんとんでもない奴だ」


「……ええ、分かってます。だからこそ、私も……もっと強くならなくちゃいけないんです」


夕陽が差し込む訓練場で、セリアは静かに立ち上がる。


その小さな背中に、確かな決意の影が落ちていた。


「行ってきます、ギル様。あの人の隣に、相応しい自分でいられるように」


ギルバートは、何も言わず、背を向けて手を振った。


セリアは一度、深く頭を下げると、王都の方角へと歩き出した。


その歩みは、確かな誓いを胸に秘めた騎士のそれであった。

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