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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第3章 冒険編 〜ハイエルフとの出会い〜

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エピローグ 精霊湯と恋のきざし

 エルフの森の瘴気が祓われた数日後。森の奥深くにある、エルフ由来の保養施設「霊樹の癒し処」にて、イッセイたちは英気を養うことになった。


 そこは、古代精霊の加護を受けた温泉が湧き、魔力の再生や心身の疲労回復に優れるとされる秘湯の地。旅と戦いに疲れた身体と心を、ゆっくりと癒すために、長老たちが用意してくれた粋な計らいだった。


「すごい……空気まで澄んでる……」

 湯気に包まれた露天の回廊で、クラリスが小さく感嘆を漏らした。白いバスタオル姿に、うっすらと赤みを帯びた頬が揺れている。


「ふふ、イッセイくん。こっちこっち〜。特別区画はね、混浴なんだよ〜?」

 ルーナが指をくいっと曲げて笑っている。その目はどこか挑戦的だ。


 一方、シャルロッテは初めて訪れるこの施設に、少し緊張した面持ちを浮かべていた。

「この場所……精霊たちの気配がすごく濃い……けれど、安心できる。イッセイさんも、入ってきたらいいのに」


 その瞬間、カラン……と音がして、誰かが戸を開けた。


「おっと……ここって混浴だったのか!」


 バスタオル一枚のシャルロッテが立っていた。


「きゃあっ!? い、イッセイさん!? な、なんでここに……!!」


「ご、ごめんっ!間違えた!でも、ほら、湯気が濃くて見え……」


 弁解する間にも、シャルロッテは湯の中にしゃがみ込んで顔を真っ赤にしながらも、

「……そんなに見ました?ど、どこまで……」


 心なしか、声は小さく、否定しきれない甘さが滲んでいた。


 ーー


「……ふふっ、イッセイさん、さっきのお返し……しませんと」

 シャルロッテが泥パックを手に寄ってくる。魔力再生に使われる『精霊泥』である。


「それ、塗ると魔力が活性化するらしいんだけど……どこに塗れば?」


「背中、お願いします」

 そう言ってタオルを背にずらし、素肌を覗かせるシャルロッテ。白く滑らかな肌が、淡い光に照らされてきらめく。


「だ、だめです……そんなとこまで塗っちゃ……! わ、私、変な気持ちになっちゃいますっ……!」


「ち、ちがうって!これは魔力再生のためで……っ!」


 そうして距離が急接近している中、施設の扉がぱたんと開く。


「イッセイくん、そろそろ一緒に休もうと思って……って……え?」


 ルーナが口を半開きにして固まり、後ろからクラリスも現れる。


「これは……一体……」


「ち、ちがっ……!!」


 イッセイの叫びに、三人のヒロインたちは互いに火花を散らし始める。


「もう、イッセイくんったら。私以外の子と……こういうの、ズルいよ?」

 ルーナが拗ねたように唇を尖らせる。


「わたくしも、せっかく背中を流してあげようと思ったのですのに……悔しいですわ」

 クラリスはそれでも気品を崩さず、イッセイの顔をじっと見つめる。


 一方、シャルロッテは顔を真っ赤にしてうつむいていたが、意を決して言った。


「……でも、私は、イッセイさんに近づきたいって、ちゃんと思ってるんです」


 その言葉に、一瞬、場の空気が和らぐ。


 夜。満天の星空の下、精霊の灯がゆらめくテラス。

 イッセイとシャルロッテが並んで腰掛けていた。


「今日一日、ちょっと……どきどきしすぎました」


「はは、僕もだよ。けど、こうして一緒にいると、なんだか安心するよ」


「……ふふっ。イッセイさん……次の旅先でも、いっぱい一緒にいてくださいね」


「うん。どこまでも、一緒に行こう」


 そして翌朝——


 シャルロッテがひとり、森の奥の精霊の祠に佇んでいた。


「……おはようございます、イッセイさん」


「……どうしてここに?」


「……少し、私の秘密を教えたくて」


 シャルロッテが差し出したのは、小さな精霊石。


「これは、私の母から受け継いだもの。私の精霊魔法の核……ずっと、一人で抱えてきました。でも今は……イッセイさんになら、見せてもいいって思ったんです」


「……シャルロッテ。ありがとう。僕も、君に頼りたいと思ってるよ」


 その言葉に、彼女はそっと微笑み、肩を寄せた。


 精霊の囁きに包まれた森の中、二人の距離は確かに、静かに、けれど強く、近づいていた。


 そして、物語は次なる大陸へと続く——

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