伝統祭編 伝統祭、開幕!
王都の空も晴れやかに、学園最大のイベント――伝統祭の日がやってきた。
門の前には華やかなアーチとカラフルな魔法装飾が並び、生徒や教師、町の人々が続々と集まってくる。
「やっと始まるね、イッセイくん!」
ルーナは実行委員の腕章を巻き、楽しげに手を振ってくる。
「今日はあなたに最高の思い出を作ってほしくて、わたくしも全力で頑張りますわ」
クラリスは演劇部の主役衣装で、少し緊張した様子ながらも凛とした笑顔を見せる。
「イッセイ、模擬店は私に任せて!商人のプライドにかけて、絶対に成功させるから!」
リリィはスタッフエプロン姿で、活気あふれる掛け声。
校庭では生徒たちの出し物が次々と準備され、香ばしい料理の香りや楽器の音色が混じり合う。
イッセイは学園代表としての挨拶を頼まれ、ステージに立つ。
「みなさん、今日という日が――かけがえのない思い出になりますように。
たくさん笑って、楽しんで、一生忘れられない一日にしましょう!」
大きな拍手と歓声が沸き起こる。
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その後、イッセイは次々と各催しの手伝いに駆け回る。
リリィの模擬店では呼び込みを手伝い、ルーナの実行委員本部では相談役を任され、クラリスの演劇練習を陰から応援。
時折仲間たちと冗談を交わし、笑い声が絶えない。
ふと校舎の影でひと息ついたとき、イッセイは少しだけ、しんみりと空を見上げた。
(……この伝統祭が終われば、卒業も近い。
みんなと過ごす日々が、こんなに大切だったなんて――)
そこへ、ルーナがそっと声をかけてくる。
「ねえ、イッセイくん。私、絶対にこの学園祭、成功させたいんだ。
だって――来年は、もうみんなでこうして集まれないかもしれないから」
クラリスも横に並び、「この時間を、絶対に忘れたくありませんわ」と小さく微笑む。
リリィは照れ隠しにお菓子を差し出しながら、「ほら、泣き顔になってる場合じゃないでしょ!いっぱい楽しもうよ!」とイッセイを元気づけた。
イッセイはみんなに励まされ、もう一度、笑顔で歩き出す。
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こうして魔法騎士学園・伝統祭は、きらめく青春の幕を上げた――
新しい物語が、今ここから始まろうとしている。




