武闘会編 二回戦、激戦の渦へ
「続いて第十六試合――イッセイ・アークフェルド選手、準備を!」
呼び出しの声に、控え席から立ち上がるイッセイ。
周囲には、仲間たちや強敵ライバルの姿もちらほら。
「頑張って、イッセイくん! 今度はどんな戦いを見せてくれるのかしら?」
ルーナがにこりと手を振る。
クラリスも応援席から扇子を持ち、「余裕を持って! 落ち着いて戦えば大丈夫ですわ」と優雅にエール。
二回戦の相手は、重装鎧をまとった屈強な剣士、ベルク・ドランス。
正統派の力自慢で、初戦をパワーで押し切った注目株だ。
(正面からぶつかったら分が悪い。頭を使おう)
開始の合図とともに、ベルクは巨体を揺らして突進。
重い剣が地を鳴らす。
イッセイは正面から受けず、軽やかなステップで側面へ。
ベルクはそれに気づいて軌道を修正するが、連続で繰り返される回避と撹乱に苛立つ。
「逃げ回るだけか、貴族坊ちゃん!」
「いえ、逃げているのではありません――」
イッセイは隙を見て、相手の重心が前のめりになった瞬間、足元を払う。
「……今です!」
ベルクはバランスを崩し、巨体を支えきれず膝をつく。
その瞬間、イッセイは剣先で相手の肩を軽く叩いた。
「勝負あり!」
観客席から歓声が上がる。
「やったー! イッセイくん、さすが!」
ルーナがジャンプしそうな勢いで拍手。
クラリスも、満足そうに小さく頷いていた。
「……イッセイくん、最初からベルクさんの性格も動きも見抜いていたんですわね」
「うんうん、ああいうタイプは真正面から行くと危ないけど、主さまはちゃんと相手を観察してる。さすが~」
*
休憩の合間、三人で仲間やライバルの試合を見ていく。
「お、始まった! これはフィーナの試合だよ。彼女は回避とスピードが武器――」
フィーナは小柄な体躯を生かし、素早いステップとジャンプで大柄な相手を翻弄し、一本を奪って勝利。
「やっぱりフィーナちゃんは身軽で可愛いウサ!」
「続いてはセリア。彼女は……まあ、いつも通りツンと構えてますけど、剣さばきは見事なんですの」
セリアは冷静沈着な表情のまま、淡々とした剣技で相手を押し切り、危なげなく勝利を収める。
「最後は、あちらのコートでグレン先輩が出てきますわよ」
「さすがのオーラだね……対戦相手が緊張で震えてるもの」
グレンは流れるような動きで攻防を制し、圧倒的な実力を見せつけて勝利。観客からもため息混じりの賞賛が起こる。
「やっぱり、グレン先輩は格が違いますわね……」
ルーナも「イッセイくん、決勝で絶対当たってね!」と目を輝かせる。
「うん、頑張るよ」
イッセイは仲間の勝利をたたえつつ、静かに次なる戦いへの闘志を燃やしていた。
(この祭典――まだまだ、面白くなりそうだ)




