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侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!  作者: のびろう。
第15章 最後の神具と、神々の審判

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エピローグ 揺り籠への扉、最後の旅路へ

オリオンが消え、《創生の祭壇》には静寂が戻った。

目の前には、全ての始まりの場所へと続く、星屑を散りばめたかのような光の扉が、静かに佇んでいる。


俺たちの、そしてこの世界の運命を変えるための、最後の扉だ。


「……行ったのね」


ルーナが、ぽつりと呟いた。

その声には、強大な敵が去った安堵と、これから始まる最後の戦いへの緊張が入り混じっていた。


「ええ。そして、わたくしたちの“答え”は、神々の理にさえ“認められた”のですわ。……神々に、挑む者として」


クラリスの言葉には、もはや揺らぎはなかった。

王女としての誇りと、一人の仲間としての決意が、彼女の中で完全に一つになっていた。


そうだ。

俺たちは、神々の用意した絶望的な二者択一を拒絶し、俺たち自身の道を選ぶと宣言した。


その結果、神の理の象徴であった天秤は砕け散った。

もう、迷いはない。俺たちの進むべき道は、ただ一つ。


俺は、仲間たちに向き直り、そっと右手を差し伸べた。


「……最後にもう一度だけ、聞かせてくれ。この先にあるのは、世界の根源だ。千年の哀しみと、神々の罪、その全てが渦巻く場所だ。生半可な覚悟じゃ、魂ごと飲み込まれる。それでも……みんな、一緒に来てくれるか?」


それは、リーダーとしての問いかけではなかった。

共に死線を潜り抜けてきた、一人の仲間としての、問いかけだった。


最初に、俺の手の上に、力強く、そして温かい手が重ねられた。クラリスだった。


「当たり前ですわ。あなたのいない未来など、わたくしにはありえません。あなたが神々に挑むというのなら、わたくしは、あなたの隣に立つ、最初の剣となりましょう」


次に、しなやかな指が、俺の手にそっと触れた。ルーナだ。


「決まってるじゃない。こんな面白そうなクライマックス、見逃す手はないわ。それに……あんたが独りで格好つけるなんて、あたしが許さないんだから。最後まで、ちゃんとあたしを楽しませなさいよね」


「当然よ! あたしたちの『イッセイ&カンパニー』は、神々の理不尽な経営方針システムを覆して、世界一のハッピーエンドっていう利益リターンを出すの! その最終プレゼンに、社長あんただけ行かせるわけないでしょ!」


リリィが、快活な笑顔で、ぐっと力強く手を重ねる。


一人、また一人と、その手が重ねられていく。


「イッセイ様。私の剣と、私の心臓は、最初からあなたのものです。あなたが赴く場所こそが、私のいるべき場所です」


セリアの不器用だが、絶対的な忠誠。


「イッセイ殿。拙者の剣は、貴殿と出会い、初めて守るべき未来を見つけた。その未来の果てを、この目で見届けるまで、退くことなどありえぬ」


サーシャの揺るぎない覚悟。


「精霊たちが、歌っています。あなたと共に、世界の哀しみを癒す時が来た、と。わたくしは、その声に応えます」


シャルロッテの清らかな祈り。


「ボクの歌は、もう迷わないウサ! 一番哀しい魂にこそ、一番優しい歌を届けるんだ! イッセイくん、連れてって!」


フィーナの太陽のような希望。


「……みんなが行くなら、ミュリルも行くにゃ。だって……家族は、ずっと一緒だにゃ」


ミュリルの無垢な信頼。


八人のヒロインと、俺。九つの手が、一つの塊となる。

その温もりこそが、神々の理を超えた、俺たちの答えであり、力だった。


俺は、重ねられた皆の手を、力強く握りしめた。


「……ありがとう、みんな。もう、何も言うことはないな」


俺は、光の扉へと向き直る。


「行くぞ、みんな」


俺たちは、共に誓った仲間たちと、光の扉へと足を踏み入れた。

世界の最も深い場所、魔王とリアナの魂が眠る、最後の聖域へ。


それは、破壊のための戦いではない。

千年の孤独に涙する、二つの魂を救い出すための、最後の旅路。


俺たちの、本当の戦いは、ここから始まる。

光の向こう側で、世界の始まりの君が、きっと俺たちを待っている。

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