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遼遠

 それはつくづく異質な違和感を与えていた。

 裁判ではない。しかしこれだけの関係者を収容するスペースがないがために、東京地方裁判所の一室を使用して、「査問委員会」という名のプレ裁判は行われた。

 裁判長はいない。あくまでも査問委員会委員長。けれどもその大役を務めるは裁判官。被告でもないただの参考人を、起訴するかどうかだけに集められた硬い表情の人びと。


 哲平は、仕方なく割り当てられた傍聴席で腕を組んでいた。


 検察側にもちろん検察官らと、なぜか警視庁公安幹部。そこには藤堂の姿も見えた。そして弁護人側の位置には、今は誰もいない。

 梶尾家の管理を任されている笹倉法律事務所はもともと刑事裁判を主としているわけではないし、内情を知っているとはいえ、ここで事細かに個人情報を暴露するわけにもいかないのだろう。

 その代わりに入ってきたのは、国防省と衛生省の幹部らだった。哲平らが気軽に話せるような相手ではない。

 裁かれるのは気の弱いおとなしそうなただの大学生一人。

 しかし、その背後に控えるのは国家の存続が揺るぎかねないほどの大問題なのだから。

 極秘の委員会だからか、出席者は省のお偉さんばかり。哲平はこの事件に深く関わっているというだけで呼ばれた。


 そう、おそらく事情を一番知るのは…彼だろう。


 何の査問委員会なのかも記されていない部屋の表示。記録者もいない。全くの密室。


「それではこれから査問委員会を始めます。ここで話されたことは、出席者全員に守秘義務が生じます。反した場合には罰則が与えられますので、くれぐれも外部には洩らさぬように願います」

 裁判長、もとい査問委員長が重々しく宣言する。非公開の裁判とさえも言えない弾劾。責められるのは、綾也一人。

 おまえがどこまで耐えられるか。頼む、耐えてくれ。そして、こっち側の世界に帰ってこい。

 哲平は心の中でただただ祈った。





 係官に連れられて手錠姿の綾也が入ってくる。また痩せやがって。哲平の胸がちくりと痛んだ。

 検察側がとうとうと、綾也の犯した罪を言い立てる。さすがにシブラク大統領の件は証拠すら挙げられなかったらしく、かけらも触れなかった。さぞ悔しい思いをしていることだろう。藤堂の複雑そうな顔が目に入る。


「被告、いえ容疑者は以上の二件の事件に関しては、確実に自らの手で殺意を持って犯行を実行していることは明白であります。通常の起訴を行い、一般的な裁判で事実をあきらかにしていきたいと考えます」

 自信たっぷりの検察官、おまえは何もわかっちゃいねえだろう。

 なぜ綾也が手を下さねばならなかったか、そこに彼の意志などないということなど。

 確かにみすずの身体中に刃物を突き立て、血だらけの彼女を抱きしめていたのは綾也だ。梅村の首を、血に染まった手で絞めつけたのもやつだ。けどな、綾也がその気なら何も自らの手を汚さずとも彼女らを殺すことなど何ということはない。

 だからこそ、彼は殺戮生物兵器として恐れられているのではないのか。


 国防省と衛生省の幹部らは、PSDを開発したのは逃亡中の漆原博士であり、彼こそがすべての元凶だと言い張った。梶尾綾也の犯罪を世に問うのは、PSDの存在を正式に政府、国家が認めることになる。彼は完全に心神耗弱状態にあり、彼自身の責任能力が疑われる。必要なのは裁判で罪を暴くことではなく、PSDで心身ともに傷ついた梶尾綾也の治療ではないか。


 茶番が繰り広げられる。哲平は禁煙のこの部屋の椅子を蹴り上げたかった。

 使いたいだけ使っておいて、今度は綾也をどうするつもりだ。Sの他の三人のように医療刑務所へ、まともに審議もせずに治療という名の監禁か?

 おれは綾也をどうして欲しかったんだ?哲平は自分で自分の感情を持て余していた。


 普通の裁判でもいい。殺人未遂で訴えられてもいい。頼むからあいつを普通の人間として扱ってくれ。

 査問委員の連中がそっと耳打ちしながら口を開こうとした。

 検察はたとえ国防幹部らが何を言おうと普通の裁判に持って行ける、起訴できると踏んでいたのだろう。それも背後を隠してただの一大学生の起こした凶悪犯罪として。余裕の表情を浮かべる。

 国防側はいかにして、自分たちは関係ないと終始一貫言い張ってきた。そう、どちらの思惑もその点では一致していたのだ。最初から。


 とかげの……しっぽ切り、か。とんでもねえ、とかげだけどな。





 しかし、弁護側の席で委員会当初からうつむくばかりで、視線も上げようとしなかった男が、突然立ち上がった。

 その場の全員が彼に視線を向けた。意外だと言いたげに。


 STE研究所…スペシャル・セオリー・エデュケーション・ラボラトリー所長の戸村だった。

 綾也でさえ驚きを隠せなかった。ラボ時代にはほとんど話したことはなかった。事なかれ主義の気の小さい男。


「…い、委員長。証人を、証人の証言を求めます」

 何を言い出すんだね!弁護席がにわかにざわめき始める。内紛か?証人とは一体……。

 証人の証言を認めます。厳かな言葉に疑似法廷は静まりかえった。


 そこに現れたのは。





「なっ!」

 思わず腰を浮かせた哲平を、珍しく隣の理香子が制した。そう、彼女も深く関わりを持つ関係者には違いない。

 哲平を見つめ首を振る。彼は仕方なく傍聴席の固い椅子に座り直した。


 分厚い書類を手に現れたのは、中村バイオファーマの社長令嬢であり綾也の現交際相手の中村加奈子だった。

 こんな場所でもふわりとした笑顔を浮かべた彼女は、その書類を査問委員の一人に手渡した。


「これは梶尾さんへ対する減刑嘆願書です。彼がふだん、どれだけ周りの人びとから信頼されてきたか。とても殺人未遂を起こすような性格ではないことがわかっていただけると思います。彼のしたことはPSDが引き起こした偶発的なものです。彼自身の考えのもと、殺意をもってしたことではありません」

 優しげに、しかしきっぱりと加奈子は言い切った。これがあの甘えん坊のお嬢さま…か。指定の席に座らせられた綾也は、目を見開いて彼女を見つめ、固く両手を握りしめていた。


「異議あり!証拠物件として認めるには…」

 検察側の声をさえぎるかのように、委員長は検討しますとだけ短く言った。


「委員長、証人は私だけではありません。認めてくださいますか?」

 無茶苦茶だ、こんな裁判見たこたねえ。椅子に沈み込み哲平が頭を抱える。理香子は彼に視線を送ると、少しだけ笑った。

「哲平さんでも動揺すること、あるんですね。私も加奈子も裁判なんて初めて。私たちは皆、素人なんです。ましてやこれは検察側も起訴が難しいと投げ出してしまったレアなケース。誰が出てきても驚かないでくださいよ」

 どういうことだ?その一言を聞き逃すような哲平ではなかった。しかしもう理香子は口を閉じ、まっすぐ前を見つめていた。妹の姿を。


 分厚い重厚なドアが開く。そこから入ってきたのは、背中を丸め痛々しい姿のままの……片岡美鈴だった。

 哲平の動きが止まる。息をしているのかさえ危うい。福岡へ帰ったのではなかったのか。


 委員長の声が優しく問う。

「あなたは第一の事件の被害者ですね、片岡さん。なぜ弁護側の証人としていらっしゃったのですか?」

 重々しい雰囲気に飲まれて、おどおどしているみすずをリラックスさせようとしたのだろう。おおよそ通常は裁判官をしているようには見えないほど、彼は柔和な表情を浮かべた。

 それほどまでにみすずは、はかなげで切なそうなたたずまいだったのだ。彼女のために椅子が用意される。しかしみすずはそれを断り、委員長を真正面から見すえた。


「確かにあたしを刺したのは綾也です。それがクスリのせいかどうかなんて、あたしには難しくてよくわからない。でも悪いのは綾也じゃない。どうかそれだけはわかってください」

 かつてのきらびやかな銀座の女は、すっかりその頃のオーラを失ってしまっていた。しかし逆に地に足をつけた生活者としての、泥臭さを感じさせた。


 これが本来のみすずなのか。


 強い女。いや、強がっていた女。あの頃の虚像はくずれ、ああみすずも生身の女だったのだな、と哲平は改めて思った。自分は、やっぱり何一つわかってはいなかったのだという思い。

 そんな哲平を、理香子は複雑そうな表情で見つめていた。


「刺した相手を憎むものなのではないですか?なぜあなたは容疑者を庇うのか」

「庇っているんじゃありません。あたしが悪かったから。信じると約束したのに。どんな綾也でも変わりないとあれだけ約束したのに、豹変した綾也を見てバケモノと言ってしまったのはあたしの方。信じてあげなかったのは、あたしの方なんです!」

 みすずさん…、綾也の口元がそう動いたような気がした。出会ってからもう何年も何十年もときが経ってしまったかのように思えるほど……。

「信じてあげなきゃいけなかったんです!だって綾也はどんなときでも綾也なのだから。優しいから好きだったんじゃない。穏やかだからそばにいたかったんじゃない。綾也だから、彼だったから。かけがえのない彼だったから、どんな彼でもあたしは受け止めるって約束したのだから!」

 みすずの頬に流れ落ちる涙の筋。化粧っ気のない、それでも美しさを隠しきれない、初めて綾也が愛した女性。

 いつの間に入ってきたのか、みすずの背中を優しく抱きかかえる腕があった。


 首の包帯も痛々しい梅村智実代議士だった。


「裁判長!被告側は被害者と結託して!」

 これは裁判ではありません。興奮して思わず叫んだ検察側の係官を、委員長は静かに諭した。

「梅村智実衆議院議員ですね。あなたも彼に殺されかけた。恨みこそあれ、弁護側につくことは考えにくい」

「彼はただの犠牲者です。ギフテット教育の名の元、長年にわたり拉致監禁され、非人道的な訓練という名目の虐待を受けてきた。彼を恨むくらいなら、もっと叩きがいのある方々が大勢いらっしゃいそうですね」

 そこまで言うと、口元をゆがめて梅村は国防省と衛生省の幹部らをにらんだ。

「う、漆原だ!あいつがすべてこの計画を進めたんだ!」

 思わず口をすべらせる役人ども。もちろん梅村も負けてはいない。

「そこにうまみがあったから計画に乗った。予算もつけて人員も割いた。税金を使ってね。いいんですのよ、すべてを公開裁判にして国の責任問題をとことん追求しても」

 その言葉には、弁護側だけでなく検察、公安側も震え上がった。

 内々で争っているうちはいい。これが本当に公になったら、この国が軍事国家への道を、とんでもない手段を使って歩み始めていると明らかにされたら…。


「それではこれから審議に入ります。関係各位はどうぞそのまま」





 言いかけた委員長をさえぎるように、思わず綾也が大声を出して立ち上がった。何を言い出すつもりかと、視線が彼に集中した。

 大声を出したせいか、ほんの少し足元がぐらつく。片手で顔を押さえつつも、彼は叫ぶように言った。


「僕を、僕を檻の中から出さないでください!冷たい分厚いコンクリートの壁が、僕には一番似合っているんです!どうか、お願いです。外に出れば人を傷つける。こんな柔らかな壁はもろくも崩れ、誰もが僕に巻き込まれれば、一瞬にして悪意を抱くようになる。僕こそが悪の元凶ならば、いっそのこと法の名の元に、僕を殺してください!僕がまだ…僕で…いられるうちに……」


 叫び声はやがてうめき声へと代わり、最後には嗚咽へとなっていった。みすずも梅村も声をかけることすらできずにいた。法廷の手すりをぎゅっと掴み、綾也は静かに涙を流し続けていた。


 どうか僕に永遠の安息を。

 それこそが僕の一番の願い。


 黙って聴いていた査問委員会の委員長は、ゆっくりと話し出した。


「参考人、いえ梶尾さん。生きてゆくことは辛いですか?」

 綾也は動かない。ときおり肩が上下するのみ。


「これは私の完全なる私見ですので、この先の審議には影響のないように願います。審議を行うのはこれからです。しかもあなたは起訴すらもされてはいない。それを決めかねる状況など、普通は考えられない異常な事態です。ましてやこのような査問委員会を開くなどとは。なぜだかわかりますか?」

 そこまで言うと委員長は言葉を切った。綾也の涙が、固い法廷の床にぽとりと落ちる。


「あなたが実際に手を下して人を傷つけた。これはまぎれもない事実です。証拠も目撃証言もある。あなた自身もそのように自供されている。しかし、我々はどうしても、現行の法律であなたを裁くことが難しいのではと考えているのですよ。なぜあなたがそうせざるを得なかったのか。そこに至るまで何があったのか。大事な点は、犯行にあなたの意志はあったのか否か、です。我々は超心理学については全く知識もなければ情報もない。ですからそのことについては、何も触れるつもりも私自身にはない。しかし、それを差し引いてもなお、ことを公にすることがよいこととはどうしても思えない。私見で申し訳ないのですが」

 検察側でさえ、身じろぎせずに聴いている。裁かれるべきは果たして彼なのか。誰もが同じ思いを抱いていた。


 やっと顔を上げた綾也は、涙の筋をつけたまま、必死に声を絞り出す。

「それでも、僕が生きている限り…誰かが僕の力を利用しようとする。僕は自分で自分を抑えきれない。他人のせいにしていてはいけないのでしょう。おそらく僕の中に、傷つけたい、殺したい、そんな感情がつまっていて、それこそが本来の僕なんです。仮面で隠した僕は、ひと皮むけばただの恐ろしい殺人鬼です。だから、そうなる前に僕を殺してください。お願いです。母を殺したあの日から、僕はずっと……」

「だからこそ、生きて罪を償うことが必要なのではないですか?死んでしまえば、あなたはそれで済むかもしれない。あなたは死を持って救われたいのですか?」

 僕はあまりにも酷い罪人だから、生き続けろと?そうおっしゃるのですか。


 誰もが痛々しさに綾也を直視できない。ただ委員長と哲平だけは、綾也をじっと見すえていた。


 静かなときが流れた。しかし、いつかは終わりが来ることも皆知ってはいるのだ。


「…これから審議に入ります。その場所を動かないでお待ちいただくよう願います」


 ある意味冷たい宣告の声が響き渡る。

 綾也はいわゆる被告席で、ただただ立ちすくんでいた。








 見慣れた鉛色の建物から外に出る。綾也は外の明るさに眼を細めた。重たい曇り空なのに。


 …一つサングラスを作らなくちゃ、な…


 通常の人間にとっては何気ない光の量でさえ、彼の淡い朱色の虹彩には負担が大きすぎた。

 視力が悪いわけでもなく、ただのシールドの役目をしてきたいくつ目かの銀フレーム。僕を守る唯一の砦。綾也はそっと細く長いその指で支柱を押し上げた。


 東京拘置所。


 ここでさえも僕には居場所ではなかった。また追い出されるのか。綾也の胸に苦いものが広がる。

 無機質な分厚いコンクリートの壁は、綾也の神経も身体も休めてくれたというのに、法の名の元で彼は再び外野へと放り出されるのだ。

 係官に一礼すると、彼は道路でタクシーを拾うか、バス停を探すか一瞬躊躇した。その背中に声がかかる。

「よお」

 綾也の目が大きく見開かれる。

 そこには紺のローバーミニに身体を持たれかけさせ、タバコをくわえた哲平が待っていた。


「哲平さん、どうしてここに?」

「はん、笹倉んとこに寄っておまえが出てくる日時を聞き出した。迎えに行く役目をぶんどってきた。ただそれだけだ」

 哲平は視線を落としたまま、苦く笑った。

 綾也は辺りを見回す。報道カメラどころか通行人さえまばらだ。そのとまどいを察してか、哲平は当たり前のように言った。

「強固な報道管制ってヤツだよ。金輪際、マスメディアにおまえの名前が出ることはない。表のマスコミってのは弱気をくじき強気に巻かれるからな」

 そんなことわざってのは、あったっけかなあ。自分で言っておきながら、哲平はひょうひょうとしている。

「まあ乗れよ。話はあとだ」

 どうしていいかわからずただ立っているだけの綾也の背中を、哲平は軽く押した。


 古ぼけた外車の助手席を開けて彼を座らせる。手荷物はほとんどない。いつもの黒いハイネックシャツに、銀のフレーム。

 爆音を立てながら、哲平は自分の愛車のエンジンを始動させた。これだからふだんは乗れねえんだ、目立ちすぎてよ。タバコを挟んだままの唇が上下に動く様を、綾也はうつろに見つめるばかりだった。


「マスコミは実名報道しやがった。しばらくは身辺がうるせえだろうが、それもほんのちょっとの我慢だ。今は観光省大臣の汚職事件で、ニュースはにぎやかだからな。そんなもんだ、テレビも新聞も、雑誌でさえも。あっという間に一つ一つの事件なんぞ消費され、記憶の彼方に放り出される。しかし当事者にとっては、一生残る心の…傷だ。だからおれはマスコミも世間も信じちゃいなかった。これっぽっちもな」

「哲平さん…」


「皮肉だな。そのマスコミと世間が、おまえをPSD計画とあの塀から助け出してくれた」

 哲平の表情が寂しげに見えたのは、何を思うゆえなのだろうか。綾也は視線をフロントガラスに映した。わずかに降る霧雨。視界が緩やかに曇ってゆく。


「僕は犯罪者です。あの場所を出るべきではなかった」

 言葉を選びながらも、ぽつりぽつりと綾也は言った。あのときの記憶は戻らない。しかしこの手でみすずを、梅村を殺そうとした事実だけは消えない。

「残念だったな、自虐的な綾也さんよ。結果は起訴猶予。おまえは裁判すらかけるほどではないと判断されたんだろ?もうちっと司法を信じろよ」

 わざとはすっぱに哲平が言葉をかける。


 そう、綾也に下された審判は起訴さえ行わない起訴猶予。

 ただし週に一度の警視庁犯罪心理捜査研究所での心理療法、および保護観察処分が義務づけられた。つねに彼の周りには警察の目が光っているというわけだ。

「そうは言っても、法律は法律、それに従うのは下々の人間だ。警視庁だって割ける人員は限られている。実際にはおまえはただで呑気に、カウンセリングとやらを受ければいいってことよ」

 行儀悪く窓から吸い殻を投げ捨てると、哲平はわざと綾也から視線をはずした。





「マンションへの道、ではありませんね」

 静かに綾也が口にする。どんな記憶でも記録してしまうグラフィックメモリー。消し去ることができるのならどれだけ楽なことか。

 しばらく無言だった哲平は、大通りの角を曲がるとようやく口を開いた。

「おまえにどうしても見せたいものがあってな」

「この道は…」

 訊かなくともわかっている。これはラボ…STE(スペシャル・セオリー・エデュケーション・ラボラトリー)研究所へと向かう道。


 お互い話したいことは山ほどあるはずだった。その反面、何も言うことなどないという思いすらあった。

 もうすべては終わったのだ。


 ラボに着いても、霧雨が止むことはなかった。傘を差すほどではないその中を、二人は正面玄関に向かって歩いてゆく。

「……!」

 綾也が言葉を失う。そこにはたくさんの荷物運搬業者が、建物内のすべてを運び出していたからだ。


「哲平さん!見せたいものって…」

「お偉いさんにはまずいものが、STEにはとんでもなくあるんだろうよ。ここは来週にでも取り壊される。その跡地にはマンションか、オフィスビルか。まああまり交通の便がいいとも言えないがな。駐車場は取れるからそこそこ…」

「僕が訊きたいのはそんなことじゃない!」

 哲平に怒りをぶつけてどうする。綾也は自らを諫めようとした。


「辛い思い出もあるだろう。だが仮にもおまえが長年暮らした場所だ。壊される前に見せておきたくてな」

 綾也のラボでの記憶ファイルが一つ一つ開かれてゆく。初めての集団生活。初めて会う見知らぬ人びと。あまりにも辛すぎる訓練。その中で唯一慰められたのは、仲間との出会い。

 それすら僕自身がすべて壊した。この建物を壊すように。

 綾也は惹きつけられるようにふらふらと、わずかに残った土の露出した庭へと向かって行った。


「すいません、ここは立ち入り禁止です!」

 業者の厳しい声が響く。それにもかまわず綾也は庭の一角へと歩き始めた。止めようとする業者に、哲平が素早く説明する。ため息をついて責任者らしき男はそこを離れた。


 朽ち果てた板きれ。判別のできないマジックのあと。貧しげな墓跡。

「クロ、サクラ、ブチ、チャッピー、ゲンタ、コロ、カリン…」

 寂しげにつぶやきながら、思いつく限りの名前を挙げてゆく。こんな記憶すら消えないのが、あまりにも切なかった。

「やめろ、綾也」

 耐えきれずに哲平が制する。それでも綾也は名前を羅列することを止めなかった。もはや数もわからないほどの、粗末な霊園。

「やめろって言ってるだろうが!もう、それ以上自分を傷つけるのは止めろ!」

 哲平は思わず、後ろから綾也を抱きかかえた。彼を黙らせるにはそうするしかなかった。頼む、もう止めてくれ。連れてくるんじゃなかったのか。哲平の腕の重みが、綾也の肩にかかる。


「僕が、僕がすべて手をかけて殺した動物たちです。僕の罪は消えない。たとえここがどんなに堅いコンクリートで覆われようと」

「おまえは無実なんだ。むしろ被害者なんだ。誰もがそう認めた。そうだろう?」

 肩に手をかけて抱き寄せる哲平の手に、力がこめられる。おまえは悪くない。伝わらぬ想いがもどかしい。

 霧雨が二人を濡らし続けた。





 作業を進める邪魔になっても、と車に戻りかけた彼らに遠くから呼び止める声が聞こえた。

 STE所長の戸村だった。


「こちらにいらしたんですか。探しましたよ」

 戸村の言葉に思わず二人は顔を見合わせた。ここでは何ですから所長室へ、もう何もありませんがね。自嘲めいた言葉が寂しげに響く。


「お茶すら出せずに申し訳ない。所員も事務職員もすべて異動命令が出されました。私もすでに辞令が出ております。ですから本来なら、もうここの所長でも何でもありません。不法侵入にでもなるのでしょうかね」

 今日の戸村は雄弁だった。形ばかりとはいえ、ここの最高責任者だった男だ。思いは複雑なのだろう。

 彼と反対に、哲平も綾也も言葉をなくしていた。今さら何を言うことがあるだろうか。目の前の男に。言うことがあるとすれば…。


「査問委員会の際には、ありがとうございました。戸村所長のおかげで僕は」

「何もできない名前だけの所長でした。博士の暴走、いえおそらく最初からの周到な計画を止めることもできなかった。任期が切れるまで静かにしていればいい、彼が進めていることを秘密裡に行っていればいい。私はそんな事なかれ主義で、多くの子どもたちに犠牲を強いてきてしまった」

 遠い昔を思い出すかのような口調。それはつい最近まで行われていたというのに。


 しばしの無言のあと、すみませんと戸村は一言謝った。

「思い出話に付き合わせようと、お二人をお呼び立てしたわけではないのです。これを…」

 差し出されたのは、一枚のフロッピーディスクだった。全体が黒く、可動部分が銀色に光る、以前よく使われたタイプの普通のFD。

 おそらく二人のとまどいが伝わったのだろう、戸村は静かに言い添えた。


「これは梶尾くんが入所当時のデータです。別に極秘のものでも何でもありません。ごく当たり前の知能検査や心理テストの結果が記録されているはずです。ただ、一つだけ」

 一つだけ?言葉を切った戸村に哲平は思わず聞き返していた。

 戸村は穏やかな視線を二人に向けた。彼の異動先は決して環境の良いものではないだろう。それでも、ここから離れられる安堵感と今までの後悔が入り交じった複雑な思いを、彼は言葉にはすることなく伝えていた。

「梶尾くんの…記憶に関するディレクトリです。当時解析できた部分のみですが」

 記憶に関する……。いかに綾也と言えども、幼すぎる頃の記憶は不鮮明だろう。それすらもファイリングされているとしたら。


「本来、ラボにある資料すべてが機密資料扱いになり、持ち出しは厳禁とされました。しかし所長権限でこれくらいはいいでしょう。私は名前だけでもラボの所長であったのですから。どのように使われてもけっこうです。ただ、表に出すことだけは」

 わかっていますと言いたげに、哲平は頷いた。綾也は震えるその手で、最近は見ることの少ないフロッピーディスクを受け取った。


 母の死の前後はよく覚えている。それからの日々も鮮明に。しかし、覚えているのは母の泣き顔だけ。もしここに彼女の笑顔がほんの少しでもあれば。


 立ち上がり、頭を下げる綾也に、戸村はつぶやいた。

「梶尾くんが来てからのラボは変わりました。そう聞かされています。でも、もうここも壊され消えてしまうのですから。どうか、記憶の呪縛から解かれてください。それがどれだけ無茶なことを要求しているのか、私も研究者の端くれですのでわかっているつもりです。それでも梶尾くんは、もう過去を見る必要はない。このフロッピーがその手助けになればと思っています。誰もが君の、その、これからの未来と幸せを願っているのですから」

 口幅ったいことをと自分でも思ったのだろう。視線を下に向けながら、それでも優しく戸村は言った。


 誰もが僕のせいで人生を変えられていってしまった。それは決して明るい未来などではなく。僕一人が幸せになるなどと、できるはずがない。

 その想いはしかし綾也の胸の奥に深くしまって、戸村へと感謝の言葉を述べる。


 ここに書かれている記憶の片鱗は、僕をどこへ導こうとしているのか。霧雨は音もなく、彼らと運び出されるラボの荷物をそっと濡らしていった。








 白い壁に大きなソファ。その椅子は今、哲平が占領している。彼は昔懐かしのフロッピーディスクと格闘していた。


「ちっきしょう、知能検査の結果なんぞどうだっていいんだよ。この記憶の階層ってファイルだけが開きゃしねえ。何だか特殊なソフトで入れてありやがるな」

 彼のためにコーヒーを入れながら、綾也は声をかけた。

「哲平さん、もういいです。そのままにしておきましょう」

 紙コップよりも少々マシなプラスチック製のマグカップを手渡しながら、綾也は微笑んだ。


 広い部屋は何も変わってはいなかった。綾也が帰って来るというので哲平なりに整理したのだろう。資料類もきちんとファイリングされ、棚にしまわれていた。まあ、どれが流出しても危険なものには違いないし、直にこれらも焼却処分しなければならないだろう。

 ねじで固定されている家具だけが、確かにここは綾也の部屋なのだと感じさせていた。


「何がそのままでいい、だ。せっかくのお宝を手に入れたってのに、引き下がれるか」

「お願いです。もう、そっとしておいてもらえませんか」

 気づくと、綾也の右手が微かに震えていた。哲平は静かに言った。

「恐いのか?真実を知るのが」

 彼が顔を上げて綾也を見る。青白い顔がさらに白く透けて、今にも倒れそうなくらいだった。

 綾也のために座るスペースを空けてやったのに、彼はものも言わずに立ちすくむばかりだった。


「…恐い、のかもしれません。何が飛び出すのかわからないパンドラの箱。僕がもし、幼い頃の記憶を見ることができたとしても、そこには何もないかも知れない」

 何もないどころか、もっと恐ろしい記憶が飛び出してきたら。

 淡い期待と絶望をくり返してきた。今度こそはと思いつつも、いつも自分の居場所を作れずにきた。綾也は皆から愛されながらも、運命に流されてどこにも居続けることができなかった。

 哲平は深くため息をついた。

「おまえに今さら言ってもだがよ、パンドラの箱には最後にちゃんと希望ってもんが残ったんだ。たとえこのファイルに何が入っていようと、おまえにはそれを見届ける権利も義務もあるんじゃねえのか?」

 下から見上げる視線は、決していつものギラギラとした哲平のそれではなかった。

 優しげで綾也をずっと見守ってきた温かさがあった。なぜそんなに親身になって、いくら訊いても「さあな」と笑って答えるばかりの哲平。


 綾也はこの無粋で皮肉げだが、照れ屋のジャーナリストに、どう感謝の言葉を伝えたらいいのかわからず、黙って見つめ返した。


「だいたいなあ、純粋文系のおれがこんなに苦労して解析するより、東都大学始まって以来の天才理系、梶尾綾也様がちょちょいとファイルを開けてくだされば用は済むんだ。コーヒーなんぞ入れてねえで、てめえでやりやがれ!」

 綾也の視線を感じたのか、ぷいと横を向いて哲平はグチグチ言い始めた。フロッピーを手放さなかったのは哲平の方なのに。綾也はようやくくすっと笑った。


 哲平の代わりにノートPCの前に座る。未だ震える手でキーボードを素早く操る。ほんの数分で、彼は顔を上げた。

「さすが!もうできたのか?」

「いえ、歯が立ちません。これはソフトのヴァージョンが古すぎて、このPCでは無理です」

 その言葉に派手にこける真似をする哲平がおかしくて、今度こそ本当に綾也は声を上げて笑った。

「ばかやろう!笑いごとか。こっちがせっかく苦労してこんなに時間かけてよお!だったらもっと早くだな!」

 頭を殴ろうとする哲平をかわして、綾也は笑顔を崩さない。何ヶ月ぶりだろう、こんなふうに笑ったなんて。


「で、どうすればこのファイルは開けられるんだ?」

「それは、古いソフトがありそうなところで……」

 一瞬にして二人の頭に同じ画像が浮かんだ。別にサイ能力者じゃなくとも勘のいい哲平だ。綾也の考えはすぐに伝わった。

「こんなものを持っているとすれば、大学の研究室…くらいなもんか」

 よし、行くぞ!今にも立ち上がりそうな哲平を、綾也はやっとのことで引き留めた。

「もう一日、せめて明日、夜が明けてからにしましょう。いえ、してくれませんか?」

 この不幸の連鎖の元凶が、はっきりと自分であるとわかってしまうことが恐かった。僕がいるから皆、権力を手にしようと欲望をあらわにする。僕が引き金となってすべてを壊してしまうのなら。

 じゃあさっさと寝て、明日に備えるぞという哲平の言葉も耳に入らぬように、綾也は自分の考えに深く沈み込んでいた。





「梶尾くん!」

 男のくせに人一倍涙腺の弱い山田が、まず綾也に抱きついておいおい泣き出した。相変わらず立て付けの悪い研究室のドア、きしむ音。何一つ変わっていない。ただ、担当教授の札がはずされ、今は白い跡が残っているだけ。

「ホントにもう、山田くんが泣きついちゃったらあたしたちはどうすればいいわけ?」

 恵美がふくれてみせる。蘭子、真由美の半泣きでありながらせいいっぱい笑おうとする複雑な表情を見て、綾也は胸がいっぱいになった。


「ご心配…かけました。ご無沙汰してます」

 そんな堅苦しい挨拶はいいから、ほら入って!無理やりドクター三人娘に部屋へと引っ張り込まれる。

 言葉はいらなかった。

 主をなくした研究室は、それでも他の教授の助けを借りつつも細々と研究を続けていた。しかし限界もじきに来るだろう。皆がそれぞれ行き先を探し始めていた矢先だった。

 そんなときに、綾也が帰ってきた。もうそれだけで彼らにとって、元谷田研は再び動き出す、そう信じたい気持ちが強くなっていった。実際、新しい教授も外部から呼ぶとの噂も出ている。


 もう一度やり直そう、最初から。

 たとえ谷田貝先生がいなくとも。

 感傷に浸っている彼らに向かって、哲平は大きな咳払いをした。


「ごほ、ごほ。えーとですねえ、誰かお忘れじゃありませんかい?」

「あ、いとこの津雲さん。いらしてたんですか」

 山田の視界には全く入っていなかったらしい。綾也の黒い服で涙やら何やらをごしごし拭くと、彼は初めて哲平に向きあった。

「いらしてたんですか?じゃねーよ!おれらはな、感動の対面をしに来たんじゃねえ。こいつを何とかしてくれ」

 そう言って、例のフロッピーを山田に手渡す。もちろん綾也がやれば速いのだろう。しかし彼はもうすでに身体中を細かく震わせていた。


 恐い、恐い。


 記憶を開けることがこんなに恐いだなど、綾也は一度も思ったことがなかった。

 僕の知らない幼い頃の記憶。そこに何が隠されているのだろう。僕は望まれて生まれてきたのだろうか、それとも最初から疎まれて。


 昨夜は一睡もできなかった。別のソフトを使って無理やりこじ開けることも、綾也なら造作ないことだった。それで中のデータが壊れてしまえば、それでもよかった。

 それをしなかったのは、一縷の望み。





 山田は綾也に言われて、古くさいノートとデスクトップの中間のようなPCを、研究室の奥から探し出してきた。ここに確か入っているヴァージョンなら、無理せず見られるはず。

 皆、何も言わずにその作業に見入っていた。


 綾也も哲平も手を出さない。山田の指だけがかちかちとキーボードを叩き続ける。

「どうする?プロテクトかかってるけど解除しちゃっていいかなあ」

 一瞬、綾也の表情が緊張感を持つ。それでも黙って頷く。

 もう引き返せない。

 山田は黙って解除されたファイルの中身を、画面いっぱいに映しだした。無機質な数字の羅列。ところどころ英文のコンピュータ言語が挟み込まれている。


 正直、哲平にはお手上げだった。

 ドクター三人娘は、さすがに東都大学の院生だけあって、興味深そうにその画面を見つめている。

 綾也にとっては、なじみのある言語。しかし改めて見るまでもない記憶の集積。


「最下層に何かあるけど、これも開ける?」

 無言の綾也に哲平は肩を叩いた。

「……お願いします、山田さん」

 カチリと音がして、最下層のファイルが開く。そこに書かれていた文字はコンピュータ言語でも、何でもなかった。





 ただ一言      ……  fire bird  ……   と。





 途端に綾也の足元がぐらりと揺れた。震えはだんだん大きくなり、立っていられない。頭を押さえ、目を固く閉じる。


「……也、綾也!」


 皆の叫び声も、何も彼には届かなかった。世界が色を失い、再び極彩色に彩られ、またもモノトーンの混沌に突き落とされる。


「あ、ああ!」


 悲痛な叫びが綾也の口からもれる。彼が目を開けたとき、その焦点は合わず、身体の震えは酷さを増すばかりだった。頭をかきむしり、叫び声は大きくなる。


「僕は、僕は!」


「しっかりしろ、綾也!大丈夫か?」


 誰の姿も、彼の淡い朱の瞳には映ってはいない。

 開けてはいけないパンドラの箱。入っていたのは「fire bird」の文字だけだったのに。

 哲平は、研究生たちに「早く警視庁犯罪心理捜査研究所に連絡を取ってくれ!」と叫びつつ、今にも倒れそうな綾也を必死に支え続けていた。





 目立たぬように医療用車両で犯罪心理捜査研究所に運び込まれた綾也は、あまりの興奮さから鎮静剤を打たれて眠っていた。

 メガネをかけているとはいえ、あれ以来力を見せてないからと言って、彼がその気になればこんな建物など吹っ飛んでしまう恐れがある。


 哲平は彼の担当である主任心理官の向井に、分厚い資料を手渡した。

「これは?」

 いぶかしがる彼に、綾也の両親、梶尾俊介教授とアリシア・セシル・フォレスト=梶尾の身辺調査票だと言い添えた。ただしわかったことはそう多くはなかった。哲平の情報網をもってしても。


「向井さん、おれのしていることは彼にとって残酷なだけなんでしょうか。過去をさかのぼり、そこに何もなかったとしたら、綾也はこの先、生き続けていけるのでしょうか」

 珍しく真面目に、哲平は向井に問うた。

 哲平よりだいぶ歳を重ねたベテランの臨床心理士は、ふっと笑みをもらした。

「正直…我々にもわかりません。しかし、あれだけの状況で彼は生き抜いてきたのです。確かに陰の部分も持っていた。それは酷い攻撃性と怒りを含んだものです。しかしその反面、彼は確かに人を信じている。あんなに凄惨な訓練と実戦を経験しながらも、彼はその優しさと人間性を失ってはいない。彼のその意志の強さと生きる力はどこから来るものなのでしょうね」

 そこまで言うと、向井は言葉を切って哲平を見返した。


「希望は……残っていると?」

「そう信じましょう」


 覚醒したら心理療法を始めます。あなたも立ち会っていただけますか。

 静かな向井の言葉だけが、リノリウムの床とベージュの壁に響き渡っていた。



(つづく)


北川圭 Copyright© 2009-2010  keikitagawa All Rights Reserved

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