万年クリぼっちワイ、奇跡的にクリぼっち回避したらほんとに天地がひっくり返った件
クリスマスということでそれにちなんだお話を書いてみました。
俺は麻生のぶお、34歳だ。結婚していないし、今まで彼女などいたこともない。男ばかりの会社で日々働いている。仕事内容は書類作成が主である、個人的にはこんなことは社会の役に立つ仕事ではないと思っている。誰だ書類なんてものを生み出したのは。
今日はクリスマスイブ、まぁ俺にとっては特になんの意味もないが。クリスマス残業で疲れた体を引きずりながら帰路についた。駅前にはあっちにカップル、こっちにカップル…
…チッ
俺はここ20年以上女との関わりがない。中学、高校は男子校だったし、理系選択をして大学では工学部に進んだ。理系選択をした時点で女子との関わりを捨てたようなものである。共学の学校に進学した同級生や文系選択でイチャイチャやっている奴ら、さらには会社の同僚にまで「万年クリぼっち」や「お前がクリぼっち回避したら天地がひっくり返る」などと煽られることにも慣れてしまった。今年も例年通りクリぼっちの予定だ。地球上の全生物のみんな、今年も天地がひっくり返ることはないから安心してね。
クリスマスイブということもあって駅前は賑わっていた。ラブホ街に消えていくカップルもちらほらと見かける。
フンッ…
とりあえず鼻で笑っておく。
気を取り直して帰宅しようと駅に向かおうとしたとき、外国人っぽい人と目があった。
(かわいい!)←20年以上女との関わりがなかった人目線
「Excuse me …」
んほおおお!話しかけられた!
相手は英語だったが義務教育をきちんと修了してたためなんとか理解できた。どうやら彼氏と待ち合わせしているが場所がわからないそうだ。彼氏持ちかよ。
気を取り直して待ち合わせ場所について聞いてみると、どうやら駅構内のレストランのようだった。向かう方向も同じなので一緒に行かないか提案してみる。
「Oh! Thank you!」
どうやら提案に乗ってくれたようだ。
無事に待ち合わせ場所で彼氏と合流できたことを確認して今度こそ家に帰った。
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そんなのぶおを見ていた人がいた。会社の同僚である。
「まじかよ、のぶおがクリスマスイブに女と一緒にいる!」
彼は口から生まれたような人物だった。
この話は瞬く間に広がり、その日の夜、のぶおが寝てしまった後たくさんの人からお祝いメッセージが届いた。
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次の日
のぶおはいつも通りの時間に目覚めた。しかし辺りは真っ暗であった。時計を見ても午前7時を指しており、夜ではないようだ。
不思議に思ったのぶおはテレビをつけるが、テレビは映らなかった。そしてスマホを見てみるとたくさんのメッセージが来ていた。なぜかインターネットに繋がらないため、すべてのメッセージを読み込むことができなかったが、ほとんど全てのメッセージは同じような内容だった。
「のぶお、クリぼっち回避おめでとう」
全部書いちゃったら面白くないと思ってあえて最後まで書いてないのです(お、思いつかなかっただけじゃないですよ!!…うん)
タイトル読めばそれが答え合わせにはなりますがのぶおがクリぼっちを回避してほんとに天地がひっくり返ったというわけです。天地がひっくり返ったので宇宙空間にある衛星も太陽の光も大地に遮られて届かなくなったのです。だからテレビもインターネットも使えなかったし朝になっても辺りが真っ暗だったのです。