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序章【青春狂騒編】第三話「不測の事態」


(不測の事態だろうと関係ない!…私の目の前ではもう誰も死なせない…世界一の治癒術師ヒーラーになるんだ‼︎)


己を鼓舞したサリアが

今にも悪霊に突進しようとしていたタツキに指示を出す


「宿主の動きを止めれば悪霊の行動にも制限がかかる!隙を見て男の人を押さえて!そしたら私が悪霊を引き剥がす‼︎」

「…応っ‼︎」

猛々しい返事と共にタツキが悪霊に立ち向かう


男は正気を失い暴れていた

その背中から伸びる黒い影はそれに比例するかのように徐々に大きくなっているようだった


(…悪霊には光の精霊術!)

「純真たる光の精よ…悪き者に極光の裁断を‼︎…煌波ファビオ‼︎」

超常の力を用い光球のようなエネルギー弾を悪霊に向けて放つサリア

その様子にタツキは目の色を輝かせた

(かっ…かっけぇ〜!)


"ドンっ!"

衝撃音と共に光球が悪霊に当たりよろめく男

その隙を突いて男を取り押さえるべく突進しようとしたタツキだが

その直後、悪霊が土埃を振り払い臨戦態勢をとったため止むなく踏み留まる


(効いてない!…この世界じゃ術の源の天恵マナが足りない!…言い訳するな!そんなの分かりきってたことだ!周囲の天恵マナが尽きるまで…何度でも叩き込め‼︎)


再び術を発動しようとしているサリアを見て悪霊の気をこちらに向けようとしたタツキは

足元にあった瓦礫を掴み思い切りぶん投げた

だが瓦礫は悪霊を通過し天井に当たって砕け散った


("悪霊"って言ってたからな…物理的な攻撃は効かねぇのか⁈…つまり、勝利のカギはあの魔法使い‼︎)


タツキには目もくれずサリアに襲い掛かる悪霊


数十分前に振りかけた悪霊の注意を引く特殊な香水

"呼び香"の効力が切れていないことはサリアは勿論知っていた


(迎え撃つ!光がダメなら…)

「荘厳たる地の精よ…我に仇なす槃特に怒りの鉄槌を…岩突ガットゥーゾ‼︎」

呪文を唱えるとコンクリートの床が裂け

その下から拳状の形状をした砂礫が悪霊に向け隆起した


"ドガッ‼︎"


重い一撃に悪霊は思わず尻込みする

その一瞬の隙をタツキは見逃さず怯んだ男を羽交締めにした


「今だっ‼︎いけっ‼︎」

(…これなら詠唱は省略できる!)

「…解放パージ‼︎‼︎」


強烈な光波がサリアから迸り

男から悪霊を引き剥がした


ふぅ…と少し安堵するサリア

だがそれは致命的な油断だった


タツキがいち早く異変に気付き声をあげたが

引き剥がされた悪霊は耳を劈くほどの咆哮をあげ

サリアに襲いかかった


"…ドチャっ‼︎"


その鈍い音はタツキがサリアを庇い

腹部が抉られた肉の破裂音だった



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