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episode02 波乱の予感

俺はただ立ち尽くしていたーー。

なんでだろう。

その子の後ろ姿はなぜかあの子を連想させた。

特別あの子に似ているわけでもないのにーー。

その子は二年前のあの子と同じ雰囲気を纏っていた。


「なんでそんなとこに突っ立ってんのさ!」


秋子さんの大きな声でハッと我に返った。

まるで夢から覚めたような感覚だった。

その子は振り返ると、


「はじめまして。」


そう言って微笑んだ。


「ど、どうも…。」

「伝えるのを忘れていたけど、この人は篠原鈴香ちゃんで今日からうちの寮生だよ。」

「どーも。二年の篠原鈴香。よろしくね。」

「自分は宮本和馬です。君と同じ二年生だから、なんかわからないことあれば言ってね。」


少し緊張した口調で俺は篠原さんに挨拶した。


「ふふっ、緊張してるの?同い年なんだから敬語なんて使わなくていいのに。」

「そうだね。よろしく。」

「ちなみに鈴香ちゃんの部屋はあんたの隣だからちゃんと面倒みてやってね!」


おいおい、まじかよ。


こうしてこの日から俺の隣に美少女が暮らすことになった。


「じゃあ、俺勉強してるから。今日は確か綾さんが晩御飯担当だったと思うし。」


そう言って俺は自分の部屋に入っていった。


「ふぅ、やっと落ち着いて勉強できる…。

それにしても美人だったなぁ。」


恋愛恐怖症の俺でも人の事を可愛いとか美人だなとかはもちろん思う。ただ、だからなんだってことなんだけど。


"ガチャ"


「ん?」

急にドアが開いて振り返ると、

「カズくん。部屋つくるの手伝ってほしい。」


まじかよ。勉強しようと思っていたので若干の躊躇はあったが、すぐに


「わかった。」


と返事をした。


篠原さんが寮に持ち込んだ物は割と少なく、これくらいの量ならすぐにできそうだと思ったので早速作業に取りかかった。


「…。篠原さんはなんでこの寮に?」


沈黙に耐えかねた俺がそう聞いた。


「鈴香でいいのに笑。同い年なんだし。」

「それもそうだな。わかった。」


「それで、この寮に来た理由はね、私の家って凄いお金持ちなの。」


鈴香はなぜかこちらを馬鹿にするような目で見た。


「いや、羨ましけどその顔腹立つぞ。」

「なっ、この完全美少女に向かってなんて事を!」

「自分で美少女言うな。」


いやまぁたしかに可愛いのだけれども。


「でもね、ふと思ったの。これって全て自分の力ではないんだよなぁって。だってこれが欲しいなって思ったらそれがなんの努力も無しに手に入っちゃうんだよ!?」

「いや、俺からしたらそんなの最高だぞ。」

「んー、でも私にはそれがなんだか自分って無力なのかなって思うの。」


そこで彼女は寂しげに窓の外を見た。


「そう思って自立するためにここに来る事にしたのか。なるほどな。」


俺はそんな寂しげな顔を見たからだろうか…


「それで一人で行動できるってことは少なくとも無力ではないんじゃないか?」


そんな言葉を口にしていた。


「えっ…。」

「お前が本当に無力ならただ何も行動できずにうずくまっている事しかできないだろ。まぁ少なくとも俺にはできないね。そんな芸当は。」


何をらしくない事を…。


「君さ、恥ずかしくない?」

「なっ、人がせっかく励ましてやってるのにこいつは、、。もう勉強しに戻るぞ!後は自分で何とかしろ!」

「えぇなんでぇ!君はいじわるだなぁ、、。」


「それに、、君は優しいんだね…。」


「ん?なんか言ったか?」

「いや、何でもないよーだ!」

「ったく、なんだよ。」


部屋に戻ると俺は早速勉強を始めた。


「やっと集中できる…。」


それからシュウや綾さんが帰ってくるとみんなで鈴香の歓迎会を始めた。綾さんの料理はやっぱり美味い!この人いつもはダラダラしてるのに変なとこで器用なんだよなぁ。


この日の俺は思いもしなかったーー。

この後から波乱の毎日が始まる事をーー。









episode02どうだったでしょうか?

なかなか忙しくて大変ですが楽しみながら書いてます!

episode03からはますます展開がヒートアップしていくと思うのでお楽しみに!


これから3週間ほど事情により投稿できなくなってしまうかもしれませんが、次の投稿を気長に待っていただけると嬉しいです!!

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