オカルト断ち
友人の女性の話だ。
彼女は一時期不運が続いて、原因不明の体調不良にも陥ったために小学校からの趣味であった占いや
オカルト関連のものを遠ざけていたことがあったという愛用していた水晶などの占いグッズやタロットカード、オカルト関連の書籍、そして各種雑誌、さらにはオカルトや都市伝説系の動画やオカルト系の趣向のバンドの音源なども封印して、二か月ほど、完全にその手のものから離れた生活を送っていたそうだ。
ここからはその女性の話である。
「……体調不良を直すために時間も欲しかったから、一年くらいは断つつもりだったけど、無理だった」
「なんで?」
と尋ね返す自分に向け彼女は憂鬱そうな顔で
「私と入れ替わるように、妹の長女の中学生の姪がいきなりオカルトや占いに目覚めたの」
「……気になるほど、そんなに?」
彼女は頷いて
「明るい子だったし、学校でのいじめとかもなかったはずなのに、なんでか急に陰険な感じになって、自分の世界に閉じこもってしまって。占いやオカルトに傾倒しはじめたの。
本当に私の代わりのようだった」
自分が黙っていると彼女は
「それで諦めて、占いやオカルトを再び手元に戻したら、何事もなかったかのように姪が元に戻ったの」
「……確かに何か、関連あるかもね」
「結局、私は一生、この趣味と付き合うしかないかもって覚悟を決めたわ……」
彼女は大きくため息を吐いて、ビールを飲みほした。