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さして怖くも面白くもない創作百物語 2  作者: 弐屋 丑二


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20/24

喜色満面 後

ということで、某神宮に自分と白美さんと田中さんの3人でやってきた。


全額費用は田中さん持ちで、運転も田中さんが担うということで便乗させて貰うことにした。ちなみに弥子さんは急遽仕事が入り来れなくなった。


片道1時間弱かけて神宮へ向かい、先ずは神宮に3人で参ることにする。

暑くなる直前の話だったが、湿度が高く何度もハンカチで顔を拭った。

涼しげな普段着の田中さんと白美さんはもはや妖怪なのでは……などと思いながら二人についていくと、2時間ほどであっさりと参拝が終わった。

何も起こらなかった。

参拝客にも絡まれなかった。

鳥居を潜っても何も起こらずに不満げな田中さんに白美さんが

「わかんない?失礼なあんたと、霊的に強い私が居るのに何も起こらなかった意味」

二人が同時に背後の自分を見てきたので、自分も後ろを見るが何もなかった。

前を向くと二人が駐車場へ向かっていたので慌ててついていく。


車に乗ると白美さんが

「で、ここからが本番なんだけど、市内の◯◯神社に向かって」

田中さんは黙って車を発進させる。

十五分後には、住宅地に囲まれた何処にでもありそうな中規模の神社に着いていた。

狭い駐車場に停めて3人で降りると、待っていたらしき神主さんたちと黒服が駆け寄ってくる。

「先生!どうぞこちらへ」

お社へ足早に歩いていく一群について行こうとした田中さんが

「お弟子さんたちは社務所でお待ちください」

プロレスラーみたいな黒服から立ちふさがられて、脇の小さな社務所へ手を引かれ連行されていったので自分もついていく。


社務所内の座敷で座布団に座り、出されたお茶を飲みながら煎餅をかじる。

田中さんは不満そうに

「弟子じゃねえっうの!」

締め切られた障子の向こうに文句を垂れる。

「後で話くらいは聞かせてくれるやろ」

「だといいけどなあ」

自分はスマホでポチポチと趣味のほぼ誰も見ていないファンタジー小説を書いたり、文章を直したりしていると

白美さんがゲッソリした表情で入ってきて、自分に手招きする。

「目隠ししてきて。田中は動かないで、死ぬよ」

入ってきた黒服からアイマスクを被せられて自分は何処かに手を引かれていく。


境内の砂利路をしばらく歩くとひんやりとした場所に出た。

そこで急に四方から野太いお教が響き渡りだし、自分の足元から何かが這い上がってくる感触があった。そしてそれは耳元で

「国人か……」

という言葉を残すと消えた。


よくわからないまま来た道を手を引かれて戻り、社務所でアイマスクを外すと田中さんがきしょ……じゃなくて喜色満面の笑みで、根掘り葉掘り聞いてきたので答えていると、白美さんが入ってきて

「外国人の私と田中じゃ駄目だったってこと帰るよ」

と疲れた表情で言ってきた。


帰りの車の中で爆睡している白美さんを起こさないようにしながら

「田中さん、外国人やったの?」

尋ねると、彼に嬉しそうに

「俺も白美も国籍は日本人だが、神様にとっては外人だ。分かるか?」

「分からん」

田中さんはまたきしょ……じゃなくて喜色満面になりながら

「分けた器がデカすぎて入りきれてないんだよ、つまり……」

そこで白美さんがパチッと目を開けて

「そこまで。あんたもネットに書くならここまでにしなさい。祟られると終わりよ」

と言うと寝てしまった。

ということで忠告に従ってここまでとします。

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