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さして怖くも面白くもない創作百物語 2  作者: 弐屋 丑二


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喜色満面 前編

中本白美さん(仮名)という廃寺を買い取り、僧侶の真似事をしている怪しい女性が居る。ちなみに相当な銭ゲバで高額なお祓い料金を取るのでいつか捕まるんじゃないかと、田中さんはよく言っている。


そして田中さん並みに親しいオカルト友達に、弥子さん(仮名)という女性がいる。


前回の百物語ではお馴染みのメンツなのだが、何故名前出したかというと要するにネタ切れなのである。


たまたま市内の焼き鳥屋で4人で集まる機会があったのでその時の会話をお届けしようと思う。


「白美、聞いた話によるとな」

田中さんがニヤニヤしながらテーブルを挟んだ向こうでレバ刺しを齧っている白美さんに話しかける。見返しもしない彼女に田中さんは

「大手弁護士事務所が高額な霊感商法の返金訴訟ビジネス始めたって噂だぞ。民事で判例が積み上がってるからイケると判断したらしいな」

弥子さんと自分が苦笑いしていると白美さんが面倒くさそうに

「私、ネットやってないから。あと恨まれないギリギリしか料金しか取ってない。子供からは五百円、お金ない人は三千円とか」

田中さんは嬉しそうに

「俺はあの百万円恨んでるんだが?」

過去に除霊で支払った百万についてまた言ってきた。白美さんは田中さんをジッと見据えて

「あんたの貯蓄額からすれば大したことないでしょ?」

田中さんは何故か更に嬉しそうになり

「訴えないからちょっと教えてくれ。こないだ神宮行ったら、色々と拒否られまくったんだが、何でだ?」

白美さんは面倒くさそうに

「微塵も御利益とか信じてないでしょ?神様への敬意もない。そりゃ嫌がられるわ」

田中さんはきしょ……じゃなくて喜色満面になり

「おまえと神宮に行きたい!」

白美さんに言い放った。声大きすぎやろと思った自分と弥子さんが白美さんを見ると

「あー……案件もあるから車出してくれて、あと手数料二万と食事代全員分、参拝料とお賽銭全員分出すならいいよ」

なんと彼女にしては破格の条件で了承したのだ。

当然、後編に続く。

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