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デ令嬢
ワイングラスを投げつけられた令嬢は泣きながらパーティーを後にした。
赤いシミの付いたドレスでは居られない。
お金の無いウチにはこれ以上のドレスは無い。
でも……あの方、レディー=ツンデレにとっては安物も良い所なのでしょう……………。
そう思いながら涙を拭いて部屋に戻ろうとする…………と。
「あれ?」
部屋の前に奇妙なものが置かれていた。
あれは……………
「ドレス?」
メモが添えられた、シルクの立派なドレスがそこにはあった。
『折角可愛いんだからもう少し良いものを着なさい。
あと、汚れた服は後でシミ落としを頼んでおきなさい。』
メモにはそう書かれていた。