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水難

「それじゃあらためて行ってくるよ」


 謎の扉の取っ手に手を書け右側に回すとガチャリという音が聞こえ扉を奥側へ押し出した。そして栄えある第一歩を異世界側へ踏み出した。


「言い忘れたが向こうのお前も死んでるわけだから供養するために火葬か土葬か海に投げ込んでるか何かしてると思うから気を付けろよ。あー行っちまったか俺知らない。あいつが勇者なら何とかなるだろう」




「勇者様国のために魔王と戦っていただきありがとうございました。あなたのその勇気決して忘れません。皆の者、勇者様に敬礼!」


 海辺の海岸に沢山の剣や鎧を身に付けた騎士の姿その他にも老若男女問わずが敬礼をしてる。物々しい雰囲気の中、号令を放った男は頭に王冠? を被っており王様なのだろう。


 王様と兵士たちが10人ほど乗れる小さな船に乗りこみ何やら棺桶の様なものを運んでいる。


 陸に残った人達は悲しみに暮れ泣いていない人などおらずみんな王様を乗せた船を見つめていた。


 船は屈強な男たちが4人がかり漕いで進めている。


 時がたち船はずいぶん沖の方まで来ていた。海を覗くと深くほの暗くここに落ちたらきっと生きては帰れないそんな海の中に先程積み込んだ棺桶を持ち上げ海の中に放りなげた。


「勇者様さようなら」


 王様がそう言い去り棺桶は海の底へ落ちていった。


 船は再び陸に戻るために屈強な男たちはオールで漕ぎ始めたその刹那、先程棺桶を投げた所から突如として光が放たれた。


「ごぼぼぼぼぼ、なんだなんで水の中にいるんだ俺、ごぼぼぼぼぼぼぼ、しかもなんか箱?の中にいる気がする」


 目が覚めたとたん俺は水の中にいた。息ができない、しかも身動きが取れない。


手や足を動かすと何かにぶつかる感じがする。ここは箱か何かの中なのか。


異世界転生してすぐにまた死ぬのかよ。死んだらどうなるんだっけ?


なんか契約書に書いてあった気がするけど、とにかくここから脱出せねば。息がまだあるうちになんとか脱出するためにじたばたともがきまくった。


 もはや力も入りづらいヤバイ状態になってきたが二度と死にたくないという思いから火事場の馬鹿力でドアにアタック、するとドアが空き外に出られるぞ。


 外も水の中だここは海の中じゃないか?なんでこんなところからスタートなんだよ。おっさんスタート地点位ちゃんとしてくれよ。


「ごぼぼぼぼぼぼぼぼ」


 やばいもうかなり水を飲んでしまっているし息が続かない地上までちょっと距離があるぞ俺泳げないけどチーと能力とか付加されていればもしかしたら。


 懸命に泳ぐそぶりをしてみたが全く上に上がらない。


 あー死ぬ、死ぬなーこれ俺死んだわ。ごめん異世界のみんな世界の平和を救うどころか溺死してしまうゴミ童貞クソ勇者ですいませんでした。


 その刹那突然鞄が光り輝いた!こ、これはおっさんからもらった5次元リュックとか言う名前を言ってはいけない例のアレみたいな感じで俺も言いたくない、でもモノマネしながら言いたくなるリュックが光ってる。


 意識を失いかけつつもなんだか無性に気になりじーっと見つめる。意識失う暇がないぞこれはどうなるの俺?続く……


 とかいいとこでCM行くとかドラマじゃないからね。あれ? 以外と余裕ある?これはチート能力か?って海の中で息が出来る能力か、悪くはないが魔王がポセイドンならいいな。


 それよりもリュックが光り輝いて中にある一生分のサイリウムがバカバカ出てきてなんと一本の糸のように地上に繋がったのである。


「なるほどこれを辿って地上に行けばいいんだな、なかなか頑丈だし行ける。てそんなバカなサイリウムの使い方間違ってないか!」


 まさに死ぬ気でサイリウムを辿り地上を目指した。目測で1000mくらい落ちるんじゃね?走るのだって1000mなら大変なのに。何度も言ってるが息がやばいもう諦めようかな俺ってこんなもんだよな、いや待て、生きて戻れたらハーレムだハーレムがあるんだよ! ハーレムハーレム。美少女が俺を待ってる。


 エロパワー全開で何とか海面まで辿り着く。


「ごぼぼぼ、誰か助けてくれー」


 誰かいるわけないかもしれないが必死の思いで助けを呼んだ。


「ゆ、勇者様だ、勇者様が生き返ったぞ!」


 誰か人の声が聞こえた。俺は助かると思い緊張の糸が切れ再び沈みそうになったが誰かに抱えられる感触を最後に気を失った。

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