決意
「あー思い出した事がある!ちょまてよ」
ここでようやくプロローグに戻る。そう言う流れである。
「私物は諦めたよ、それで何サイリウム落とした?おっさんの茶番もういいですー誰も見てませんよー」
「正直者のあなたには赤、黄、水色、緑のルミカライトのサイリウムを全部あげましょう。こんな好青年見たことないです。今回は出血大サービスでルミ●ライト一生分あげちゃいます。拍手ー」
おっさんのテンションについて行けずちゃぶ台に肘を置き手の平に頬を置いてもはやくつろいでテンションぶっちぎりのこの両刀でマネージャーで異世界転生スカウトマンとかぬかすおっさんをただ眺めていた。
「ちっ、さすがに青年も疲れが見えますねいいでしょう本題に入ります。」
今舌打ちしたぞ最低だなそんな突込みもする気力もなくなっていた。
「このサイリウムがあなたの武器になるのです。赤は炎の精霊、黄は雷の精霊、水色は水の精霊、そして緑はは森の精霊それぞれが宿っている。それを駆使して裏のあなたが成し遂げられなかった。魔王を討伐してほしいのです」
「なんかマジな設定出てきたんですけど精霊の宿る武器を使って戦うってめっちゃかっこいいんですけど。あ、でもそんな武器を持った裏の俺ですら魔王にやられたんですよね?大丈夫なんですか?」
よくよく考えれば俺が勝てるのかって話なんだよな。ニート童貞だしいくら武器持ってもな。
「なんだ青年そんな心配かそんなもんわしには分からんが青年がヲタ活で得た能力が役に立つんじゃないかなと思っただけだがなんとかなる」
一気に顔が青ざめたやばいこれは行くの辞めるべきかも、いやでもこのおっさんとここで一生なんてありえないし八方ふさがり状態だ。
「おっさん覚悟を決めたよ世界の平和を取り戻すよ」
どうせ生き返らないなら英雄になった方が人生勝ち組になれるはず!
「よく言ってくれました。それではこの契約書にサインしてください」
先程までになかったタンスが突然部屋の中にあらわれて引き出しから何やら紙を取り出し俺の目の前に紙を差し出した。
「なになに、魔王を絶対に倒すこと、倒せるまで永遠に死に戻り続けること肉体や精神が崩壊してもなお寄り道不可」
なんだよこの契約書実質地獄じゃないかよ、俺が何をしたんだよ。
「一回で魔王を倒せばいいんですよ、あなたならできる」
無責任にもほどがあるこんなこと書いてるということはやっぱり辛く厳しいんじゃねえか。
「そういえば裏の俺は、俺のいたいわゆる表の世界で生きていくのか?」
「そうだよ、でも君にはもう関係ないと思うよ」
どんな風に生きていくのだろうか俺とは違う道を歩むだろうな頑張れ俺。
「やった説明も終わったな最後に大量のルミ●ライトをしまう場所だが」
ニヤリとおっさんは得意満面そうにしていた。むかつく。
「五次元リュック! このリュックはよくわからないけどサイリウムが永遠と入るバックだこれを持っていけ」
「おい! 五次元とか紛らわしい事言うな、何を言ってるんだそれやばくないか?色々と俺は知らないぞ」
あーあー俺はしーらないっと。関係ない関係ないと。それでもこの武器は俺に必要みたいだし持っては行くけどみんな内緒にしてくれよな。
「最後にこの指輪を付けてください。あなたが危険なとききっと守ってくれますよ。もちろんおっさんの婚約指輪だと受け取ってもいいよ」
最後の最後まで全く、ホント夢オチなんじゃないかと思うくらい胡散臭かったな。でもこれが今の現実か。
「ありがとう、んじゃ行ってくるぜ。......どこから行けばいいんですか?」
折角勢い付けたのにダサいな俺。照れ笑いをしながら訪ねた。
するとまたもや謎の力で何もない空間から扉が出現した。
「ここを開けたら異世界だ幸運を祈る」