理由
「おやたくっちょさん、下半身がTSUEEEになってますね。ほほほお若い」
ズボンの上から微かにテントが張ってしまった。
「見るんじゃないよ」
下半身を抑えながら頬を赤らめていた。
「下を抑えた瞬間除いてしまいました。なかなかのエクスカリバーですね」
「今そんなことどうでもいいでしょうが! 田中さんまさか!」
まさかとは思うが美少女アイドルグループのマネージャーができるのはそういうことなのかと気づいた。
「おっしゃる通りですよ。私は両刀です」
衝撃の事実スクープだよ! てか二人きりでこんなとこ俺やだよー初めては女性がいいよ。
半分泣きながら両手で胸と下半身を隠している俺はお風呂に入る女子になった格好だもちろん服は着ているが身の危険を感じた。
「まあ今そんなことはどうでもいいんですよ。話がそれました。一旦お茶でも飲んで落ち着きましょうよ」
目の前にちゃぶ台と湯呑があることを忘れていた。冷静になれるかよ、ゲイの方でもあるんだよ!無理だ、知ってしまったら無理だー。
俺は改めて座布団に座りお茶を一口口に入れた。当然だがぬるかった。ここは異空間というのは分かったけどこの六畳一間な感じは田中さんの趣味なのだろうか。
「ズバリ聞くが俺が死んで裏の世界の俺に転生するということは裏の世界の俺は死んだということか」
まず状況を整理するためにしっかり目を見て真実を見極めようと問いかけた。基本コミュ障で人の目をあんまり見れないがなぜか今日は強気な気分だ、これも失うものがない効果なのかそれともなじみの人だからなのか。
「その通りです裏のあなたもまた異世界へ転生つまりあなたの世界へ行きます。つまり交換ですね」
このおっさんあっさり言うな、交換ってそれ何?どうなの?意味わからんなど色々頭の中を駆け巡っているのを察したおっさんは。
「まず、もうおっさんでも何でもいいです、あと裏表の中間だからゲイな訳じゃないですから元々ですから」
「もうカミングアウトはお腹一杯だからちゃんと状況話してくれ!」
「それもそうですねこんな話をしたくてここにいるのではないですし。裏のあなたは魔王に負けてしまい死にました。時を同じくあなたも死にました。これは偶然ではなく必然なんですよ」
おいおい本当に魔王とかあるのかよなんかRPG見たく楽しそうだぞとワクワクしてる自分がいる。
「あなたは異世界に行き魔王を楽して欲しいのです。それはあなたにしか出来ないのです。裏のあなたにある英雄の力そこに乗り移りさらにここでチートパワーで倒すのです」
「チートパワー来た! てことはハーレムも必然じゃん」
またも顔面が崩壊して下半身がTSUEEEに。
「ご褒美は私の体で払いますので」
「それは結構です。俺は女性が宮内愛が好きなので勘弁してくれー」
「それは残念私は好きだったのに、うるうる」
おっさん辞めてくれ、可愛い顔するなよ少しドキッとしただろうが。
「また話がそれましたねでは転生しますか、しませんか?」
急に真顔かよ展開ついていけねえっつうの。しかし生き返ることができないということは選択肢としては行くしかないのかな
「一つ質問だ、転生しなかったら俺はどうなるんだ?」
「その場合ですとこの異空間で私と暮らすことになりますよ。にっこり」
それって選択権ほぼないじゃんかよ......
「わかった転生するよ、その前に能力下さいよ」
自分にどんな力が付くのか楽しみで興奮してきた。
「ではあなたが落としたのは赤いサイリウム、黄色のサイリウム、水色サイリウム、緑のサイリウムどれ?」
「え?」
「ん?」
「いやいやいや、ん? じゃないですよサイリウム落としたって何?俺持ってないよ、いつとごで落としたの俺?」
突然の質問にわけわからない。
ははーんこのおっさん俺の事騙してたな、やっぱ異世界転生なんてないんだよ、いくらヲタクだからってやめてくれや
「私だっていつまでも童貞とホモの汚い絵面は終わらせたいんですがね」
「絵面ってなんだよ、これはなんだ?撮影か? 撮影なのか?ドッキリ大成功ですか!」
バカにされてる気がして表情からかなりの怒りが出てるかも。早く帰りてえー死んでるけど。