ともだち
あの日からまた月日が過ぎ、香がまたまた智子を喫茶店に呼び出した。
『香、久しぶり!体調どうなの?』
智子が心配そうに聞いてきた。
『で、でき、た。わ、た、し、つい、に、できた、』
香が片言で話している。
『香、そう言うのいいから!ちょっと不謹慎よ!』
智子が怒っている。
『はい、すいません、もう、しません。』
香が直ぐに謝った。
『それで、薬本当に出来たの?』
智子が不安そうに聞いた。
『それがさぁ、いざ本腰入れて取りかかったら、以外にあっさりと出来たのよ。』
香が得意気に話している。
『じゃあ、もう心配ないのね。』
智子はホッとした様子で胸を撫で下ろした。
あの日から、智子のアイデアで、香は自分の知能指数が落ちない内に、知能指数が落ちない薬を作る努力をしていた。
今回それが無事に完成した報告だったのだ。
『じゃあ、香、また警視庁と総理大臣官邸の地下に缶詰生活が始まっちゃうの?』
智子が少し残念そうにしている。
『ああ、それはもう無いわ、たまに顔を出す程度よ。こんなときのために、大体のマニュアルを作っておいたの。インターネットにも流してあるのよ。』
香が意気揚々と語りだした。
通称『たかひろマニュアル』よ!
『世界経済、世界情勢、日本経済、日本教育、その他もろもろ全部書いておいたわ。後の専門的なマニュアルはおのおのの部署に置いてきたし、たまに見回りにも行くから大丈夫よ。』
香はとても安心していた。
『それに、知能指数は急激に落ちないとは言っても、年には勝てないの、それ相応に下がっていくのよ。だから80歳になったら、介護の方は智子お願いね。』
香が智子にニコッと笑った。
『そのときは私も80歳だから、私たち一日中無理問答をしてるわね、きっと。』
そう言って二人は暫く見つめ合い、二人でにこりと笑った。




