銀座のホストクラブ 聖夜①
陽子を追い込んだ銀座のホストクラブの聖夜を懲らしめるために、駅に集合した智子は、香が二人の冴えない男を連れているのに気付いた。
『か、香、この男の人たちは?地下のアイドルグループの追っかけの人?』
智子はずんぐりむっくりの二人のおじさんを見つめて、にっこりとした。
『違う違う、警視庁の人たちよ、通称、風神と雷神よ。今回の私たちのバディーガードよ!』
香は迷惑そうにしていた。
『警視庁の?何でそんな偉い人たちが?』
智子はビックリしていた。
『私が危ないところへ行くときは、必ず国が護衛をつけるのよ。ほんと、迷惑だわ。』
香がほとほと困っていた。
『な、何で国が香の護衛を依頼するの?』
智子は驚きを隠せなかった。
『私、中学を卒業してから週に2、3回、警視庁の地下で世界的なテロ対策を指揮しているのよ。警視庁の地下にスパコン2、3台を備えた、私専用の部屋があるんだから。』
香は淡々と話している。
『世界的なテロ対策?香が?』
智子はもう、この人何でもアリだなと感心して聞いていた。
『私ね、17ヶ国語を話せるの。だから私が指揮をすると、世界中に通訳無しで指示が出せるの。スパコンのスピードも負けないんだけど、各国に通訳を通さなくて済む分、指示が数分早いのよ。』
香が淡々と話している。
『世界大戦だって起きないように頑張ってるんだから!だから私の身の危険を察知すると、国から徹底して護衛がつくのよ。私と智子の頭上には、私たち専用の人工衛生が、常に私たちを監視しているんだから!』
香は揚々と話している。
『わ、私の頭上にも?』
智子は驚いていた。
『私がお願いして打ち上げて貰ったのよ。ニュースでも人工衛星トモコってそのままの名前でやってたわよ。』
香がニマっとした。
『あれ、私だったの?やめてよ、もう!』
智子は顔を真っ赤にした。
『まあ、いいじゃない。そろそろ行きましょ!』
そう言って二人は銀座の街へ向かった。
銀座の街に着くや否や、香が思い出したかのように智子に話しかけた。
『あ、そうだ、智子クレジットカード持ってる?』
香は智子の方をパッと見た。
『えっ?持ってるけど、どうしたの?』
智子が不思議そうに聞いた。
『いや、どうせ私の漆黒カードまた使えないだろうから、智子のクレジットカード借りようかと思って。』
香が手を差し出しながら話した。
『香の漆黒カードって、この間の?色んな所で使えないけど、あれ何のカードなの?』
智子は不思議そうに聞いた。
『あれは通称ダークマターカードよ。世界には表に流れているお金と同じ分だけ、表に出ないお金、ダークマターマネー(暗黒資金)があると言われているの。その暗黒資金を所有している人は世界で2000人ほどしかいないのよ。その内の一人が私なの。』
香は淡々と解説している。
『2000人だと結構多いんじゃない?』
智子はキョトンとしている。
『世界で2000人よ?日本だと19人、アメリカでも37人しか持っていないのよ。でも、イスラエルは劇ヤバよ!100人位持ってるんじゃない?多分イスラエルは、そのうち世界を制するわね。』
香が一生懸命説明している。
『えー、でも何処でも使えないなら、あんまり凄くなくない?』
智子がまだ挑発してくる。
『凄いわよ!ダークマターカードよ!年会費だけで20億位とられるのよ!このカードを所持しているだけで、世界中のお金持ちや権力者達が集まったときに、大統領と同じくらいの発言権が与えられるのよ!この年会費20億円を維持できる、真に力のあるものだけが与えられる……』
香が力説している。
それを遮るかのように智子がしゃべりだした。
『ふーん、分かった、分かった。』
そう言って智子は、香に年会費無料のクレジットカードを一枚手渡した。
香はちょっと腑に落ちなかったが、渋々そのカードを受け取った。
『あ、そうだ!あと銀行のカードも一枚頂戴。どっちもチャージしておくから!』
そう言って香は智子から銀行のカードも一枚借りた。
すると香はまたポケットから国際電話を取り出し、中国語でペラペラ何処かと話をし出した。
『話はついたわ、智子、銀行行こう。』
香は智子を連れて近くの銀行に行った。
銀行に着くや否や、香は防犯カメラを見つけ、またカード三枚をカメラに映るように差し出した。
『はい、チャージ終了!智子、いざ出陣よ!』
そう言って香は智子を連れて銀座のホストクラブへ向かった。




