プロローグ
こんにちは。どうか、最後まで読んでいただけると幸いです。
拙い文章ですか、よろしくお願いします。
まだ、主人公の名前などが出てきません。申し訳ないです。
春休み。長期の休みというのは、ウキウキワクワクするものだろう。夏休みな
んかと比べると、見劣りするが連続した休みというものは人の心を小躍りさせる。
家族や友達と遠出したり、日が暮れるまで遊んだり。そういうものなのだがなぁ。
俺はというと、ひたすらに引き篭もって家にいる。休みの間だけだが。
現在は夜中の二三時、俺は昼飯にあたる食事を取っている。昼飯?というのが最
大の疑問だろう。俺の生活は完全に昼夜逆転していた。なので、二時間前ほどに
起きて現在昼飯だ。あ、朝飯は食べない。ぼっちの人間ってのは学校に友達なん
ていない。つまり、遊びに行く予定もなければ家族とどこかに行く予定もない。
家族との予定がないのは完全に俺の昼夜逆転のせいであるのだが。まぁ、親も共
働きでそうそう家にいるわけではないし予定がないのは仕方ない。そのせいもあ
って、長期の休みや、ただの休みの予定といえば家でネットやゲームをやってい
ることになる。最近のゲームなんてものは通信技術の発達によって、世界中の人
間と同じものをプレイすることができる。対戦ゲームや、協力ゲーム種類は多々
存在する。それらを夜中まで、いや夜中からというのが正しいか。プレイするこ
とで俺の休みは潰れていく。学校に友達はいないが、俺は世界中に友だちがいる。
すごい!グローバル俺だ!
ぼっちな自分をグローバルだなんて慰めながら、俺は昼食の菓子パンを口に運
んでいく。なんでだろう、塩っぽい味がするなぁ。もしかして涙の味ってやつで
すか?涙なんて一滴さえも流れていないのだがなぁ。
もぐもぐしていると、家の玄関の方からガチャリと音がする。親父でも帰ってき
たのだろうか。
「ただいまー」
ああ、親父の声だわ。こんな時間までお勤めお疲れ様です。ちなみに、労りの言
葉としてお疲れ様というのはへりくだりの言葉だ。間違っても、ご苦労様なんて
言ってはいけない。養ってもらっている身であり、ましてや親というのは人生の
先輩上司である。よって、お疲れ様となるわけだ。
「おふぁえり、親父」
もぐもぐさせながら応答する。
「飲み込んでから喋りやがれ、ああもう疲れた疲れた」
いつもより、疲れ気味の様子だ。なにかあったのだろうか。
「どうふぁひたのか?」
「黙って食え!お前にもしも、もしも、彼女ができたとしてだ。口もぐもぐさせ
ながらおしゃべりするのか?しねえだろ!」
やべえやべえ、怒られた。今度からは三〇回しっかり噛んでから、口を空にして
話をしよう。いや、当たり前のことなのだが。
「すまんすまん、それでいつもより疲れ気味だけどどうかしたの?」
「いやな、うちの部署の部下がな。飲酒運転で人を撥ねちまったんだ。それも死
亡事故だ。死亡事故なんてのは懲戒免職ものだ。そいつの引き継ぎやらで、社
内駆けまわってたんだ。お前も近いうちに免許とか取るだろうけどさ、絶対飲
酒運転なんかするなよ?もしやった日には、その日からお前はうちの家族じゃ
ねえ!」
おおう、色々大変だったんだな。俺は小さいころに、お茶とビールを間違えて飲
んでしまったことがある。そのときに俺はベロンベロンに酔ってしまい、周囲を
めちゃくちゃに荒らしてしまったことがある、らしい。その時の記憶は存在して
いない。なので、俺は酒に弱いことになる。そして、今は飲む予定が存在しない。
二十歳を越えたとしてもだ。しかしそれは今の話であって、未来なんて誰にもわ
からない。過度な飲酒は控える、そう心の端に置いておこう。
親父はドカッとソファーに腰を落とす。そして、テーブルを挟んだ先にあるテレ
ビをリモコンで点ける。テレビでは、最近の出来事を報じるニュースをやってい
た。いくつかのニュースが流れ終えたところで、先ほど話していた飲酒運転死亡
事故についてのニュースが流れだす。
「ほら、これだよ」
呆れながら親父は呟く。
「だいぶ大きな事故だったんだな・・・」
歩道に乗り上げた車が、歩道の内側にあった家の壁を大きく抉っている。ニュー
スによると、家に住む人達に別状はなかったらしいが歩道を通りかかった二人の
少女の片方が犠牲になったらしい。なんとも気の毒な話だ。画面の下部に少女の
名前と、顔写真が映しだされていた。とても端正で顔立ちをしていて、可愛らし
い。そんな印象を受けた。『神庭天子』という、一五歳で、今年の春に高校生に
なるらしい。青春を味わうことなくこの世を去ることになった彼女を思いながら、
俺は俺の青春を振り返る。
――あれ、俺青春してなくね?
もし、読んでくださった方がいるのでしたらありがとうございます。
感想なんてもらえたりしたら感極まって涙モノです。