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プロローグ~僕は桃じゃない~

初めて書いたので至らない点、多々あると思いますが大目にみてください(´・c_・`)

どうも初めまして、僕の名前は鳳梨(ほうり)といいます。ちょっと今、困ったことになってるので何方か助けてください。


5人でかけっこをすれば必ず3位。試験の点数も常に平均点。順位だってど真ん中。身長順で並べばいつでも列の中央を陣取る。あらゆるものが平均的、平々凡々のモブ野郎としか形容しようがない青年。そんな僕、鳳梨は今、奉られています。なんでや。


いや、奉られているだと語弊がありそうですね。正確には接待を受けています。目の前には豪勢な料理が並び、もちろん味も最高。



「桃太郎様! ささ、どうぞ、もっとお飲みになってください!」


お酌してくれるのはこの村で一番二番を争う美人さん。それが、両脇に二人。なんだこれ、と言わざるを得ないですね。中肉中背&モブ顔でモブ街道を突っ走って来た僕には一生縁のないものだと思ってました。ありがとうございます。


部屋の壁の辺りで土下座して「ははーっ」とか言ってる人達も居ます。結構な人数います。部屋の外にも居るようです。下手したら村人全員集結してるんじゃないんですかね。そう、これのせいで圧倒的崇められてる感。できればやめていただきたいです。


と、まぁここだけ切り取ればさして困っている様には見えないですね。何がどう困っているのか。これを説明するために少々時間を遡りたいと思います。


話は僕の出生にまで遡ります。遡り過ぎな気もしますが平凡なのを主張するためです。ご了承ください。

気を取り直して…僕は産まれも育ちもどうしようもなく平凡です。共働きの両親の元に産まれ、小学校中学校と無難に平凡に過ごしました。高校は一応進学校行き、大学に進学。就職先もさぞ平凡なのだろうなー、なんて思ってた矢先の出来事でした。とある事件が起こったのです……。


僕は……迷子になりました。


ここは死ぬとこだろ、と思いきやごめんなさい、迷子です。僕はいつもの様にバスに乗って帰宅していたのですが、ついついうたた寝をしてしまいました。そして目が覚めた時、僕は地面に寝そべっていました。バスは消え、目の前にあるのは見たことも聞いたこともない名前を掲げる看板。時間帯も、夜だったはずなのに昼になっていました。そんなに寝てたつもり無かったのですが……。


何が起きたんだ、と冷静に分析をしようとした所でこの村の人に遭遇し村に連れ込まれました。そして何故か興奮気味の村人の方々と会話をして情報を仕入れたのですが、ここで最初の困っているポイント。


ここは僕の元々暮らしていた現代日本ではない、ということが発覚しました。どうやら平凡なこの僕が異世界トリップかタイムスリップをした様です。現実味無さすぎて手の込んだドッキリかと疑ってしまいました。ですが、どう頑張ってもドッキリだという証拠を見つけることができず一先ず現実なんだと認めました。

村人は全員着物を着ていますし、家もまるで昔話に出てくる様な水道もガスも電気もない質素なものです。タイムスリップにしても異世界トリップにしても文明はあまり発展していない様です。


つか、こういうのはもっと主人公っぽい人の身に起こるものだと思うんですが。


そして更に村人の方々と言葉を交わしていると、二つ目の困っているポイントが。


何故か「桃太郎」と呼ばれ、村を襲う鬼を退治してほしいと依頼されました。桃太郎とは、この村で言うところの勇者の様なもので鬼を退治することのできる唯一無二の存在なんだとか。そしてその資格を持つものはある日突然、村の看板の前に異国の格好をして倒れているんだそうです。嘘臭いですが、やっぱり覆すだけの証拠が見つからないので諦めて信じることにしました。


「僕、桃じゃなくて鳳梨(パイナップル)ですし、そんな鬼とか倒せる様な能力ないです。平凡なので」


と言って断ったのですが、取り合えって貰えず、「桃太郎様の出陣を祝う」と言って宴会が開かれました。そして今に至ります。



最初は逃げ出そうともしました。しかし両脇を美しい女性に挟まれ美味しそうな料理を並べられ、空腹にあった僕はつい食欲に負けて席に座ってしまったのです。


美味しい料理に舌鼓を打っていると、長老だか村長らしき人がやって来て報酬について説明を受けました。その後どうしても首を縦に振らない僕を、なんとか説得しようと色んな人が入れ替わり立ち代わりやって来ました。最初の方は依頼を受ける気が無かったので全く聞いてないし覚えてないです。


「どうですか、鬼を倒しに行く気分になりましたか……?」


上目使いで左側のお姉さんが訪ねてきます。彼女は妹を鬼に連れ去られてしまったと、先程悲しげな顔で僕に訴えてきました。どうか妹を助けてください、と。


「桃太郎様しかいないのです! どうか、どうか……!」


右側のお姉さんは婚約者を鬼に殺されたんだそうです。恐怖故なのか、怒り故なのかは分かりかねますが、細い体をかすかに震わせながら語ってくれました。


他の村人にも、鬼にどれだけの仕打ちをされたのかを教えてくれました。そして全員が口を揃えてこう言うのです。


「鬼を退治してくれ」と。


こんな状況がかれこれ数時間。流石に耳に蓋をしておくのも限界が訪れ、話を真面目に聞くようになっていました。それと同時に、この宴会の会場全体が僕の思っていた以上に重い空気であったことにも気づきました。重い空気もこの感覚も、僕には耐え難いもので早くこの状況をなんとかしようと思考を巡らせました。お酒も入り、思考力が落ちていた僕はたった一つ、この手しか思い付くことができませんでした。


つまり、僕は言ってしまいました。


「分かった、分かりましたよ、引き受けますよ鬼退治」

わけわからんとこ等コメントいただけたら分かりやすくなるよう書き直しますので、よろしくお願いします

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