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4.全てが心を折りにくる

 多重債務者と言う余計な肩書きを頂くに至ってしまったが、それでも払ってしまったからには仕方がない。とりあえず支払い分はサービスを受けようと、筆者は半ば自棄になりつつもリーブに通い続けた。主にする事と言えば前述の通り。施術、生活アドバイス、トニックとなる訳だが、やってみるとこれが意外と辛い。一つ一つを見ると大した事はないように見えるのだろうが、全てをやるとなると存外くる物があるのだ。


 まず施術だ。筆者は経済的な問題により、半年コースを半分ずつ行う事で一年通う形式が採用されていたのだが、この半分の施術と言うのが一時間掛かる。お読みになっている方は一週間の内のたかが一時間、とお思いかも知れないが、そこはそれ、豆腐メンタルの筆者である事をお忘れにならないようお願いしたい。加えてその一時間とは週休二日の社会人が、休日に電車移動をした上での一時間だ。下手な時間に行ってしまえば、その休日はほぼ失われてしまいかねない。一応平日に予約する事も可能なのだが、仕事帰りの疲れた身体でさらに施術など御免被りたいのだ。これにより毎週二日しかない休日の半分を奪われる苦痛は、かなりのストレスとなった。


 さらには月に一度程度の間隔で施術の後に行われるカウンセリングだ。これは大まかに言えば利用者の普段の食事や生活から髪の薄くなる原因を見つけ、それを改善していく物なのだが、言ってしまえばお小言の連発である。当然と言えば当然だろう。そこで注意を受けないような生活をしているなら、元々このような所に来る事にはならない。しかもその流れが厄介で、場合によってはこのご時世にインスタントカメラを手渡され、一週間分の食事を写真に収めて来いなどと言われる。その上で一食一食にケチを付けられては、文字通りおちおち食事もしていられなくなってしまう。


 そして前述のトニック。一日に二度、指定された量を頭に塗るのだが、この量が明らかに多い。よく考えれば髪の長さなど人によってまちまちなのだから目盛り通りになど行くはずはないと思うのだが、それでも受け取った時期などを記録され、逆算して使用した量などを計算されてしまう。進みが遅くなればこちらもお小言の対象となるので無理矢理に一目盛りを使おうとすれば、当然の事ながら頭からポタポタと垂れてきて非常に気持ちが悪い。しかもこれ、塗っているのは15日分で1万円以上もする高価な代物である。この頭から垂れている液一滴で一体いくらするのだろうか。そう考えると非常に腹立たしいものがあった。

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