30/33
7-1
さて、皇が今の世をお治めになること九年が立ちます。
そのご威光は遠く海外まで知られることになりまして、新しき政によって古きしきたりを変えてこられました。
しかし、新しき政にはなれども、昔の記録は大事にせねばならぬという方針によって、昔の歌を掘り起こし、今の世、後の世にも伝えることとなり、
延喜五年四月十八日のこと、
大内記(記録作成官)
紀友則
御書所預(蔵書管理官)
紀貫之
前甲斐少目(前甲斐国国司)
凡河内躬恒
右衛門府生(門番役人)
壬生忠岑
等によって、万葉集後の古き歌と自らの作を含む最近の歌を入れて献上され、そのなかには、梅、ほととぎす、紅葉、雪と四季の彩の歌の数々、鶴、亀に例えて大事な人を想う、あるいは祝う歌、秋萩や夏草を見て妻を乞う歌、旅の別れの手向け歌、あるいはそのどれにも属さない歌などが選ばれました。




