表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日のうたが聴こえる2  作者: 人見くぐい
53/59

52 卒業ライブ

(卒業まで一ヶ月か……)

二人と別れた帰り道に改めて思う。勉強に部活、バンド。どれも充実していた。そしてこれから短大での勉強も楽しみだ。

しかし、バンドはどうなるだろうか。

レイ君は4年で結果がでなければ跡を継ぐと言う。お米屋さんとして働くレイ君の方がよっぽど想像出来ないけど……信じるしかない。

私も後をついて行くだけじゃなくて積極的に動かなくては、と強く思った。


すでに竜岡さんとの事が知れ渡っていたレイ君は、バレンタインに今まで最多のチョコを貰っていた。カズ君もレイ君には及ばないものの、ここまで数があると嫉妬する気にもならない位貰っていた。

私からはやっと成功した手作りクッキーを渡す。

カズ君は「ずっと、よろしくね」と喜んでくれた。

そして恒例になっていたおばあちゃんからのケーキ。みんなでいただくのはこれで最後だろう。しみじみと味わった。



RIZEの卒業ライブをやる、とレイ君が言ったのは2月の下旬だ。

「卒業式の翌日って、今から間に合うの?」

「準備は進めてある」

すでに会場は公民館を押さえ、チラシやチケットなども準備していた。

「よく借りられたね」

「初め渋ってたけど、保証人を連れて来て何とかした」

「保証人って、まさか……」

「あぁ、徹さんに頼んだ」

確かに大学生とはいえ成人しているけど……自分の兄ながら、相変わらず人が良すぎて心配だ。

「これは誰が描いたの?」

チラシを手に取り聞いた。

「レイ君だよ」

カズ君が答える。

「へぇ~」

意外だった。ちゃんとレタリングされてあり、凝ったデザインだ。

「美術部員に教えてもらいながら作った」

「それでも凄いじゃない」

「今後も必要だし」

事もなげな様子で答える。

「チケットも印刷?」

「ほら、年賀状とか印刷できる機械。僕はそれ位しか出来なくて」

カズ君が身体を小さくして言った。

「これから先は美紀も手伝ってもらうから」

「うん」

チケットの販売や会場設営など、やる事は沢山ある。


メンバーの飯沼君も畑君も合格が決まり、卒業ライブの練習が始まった。

チケットは350枚。必要経費以上の利益は出さないよう最低限の金額ではあるが有料。

文化祭の半分にも満たない人数だけど時間も少なくて捌けるか心配だった。校内で大々的な宣伝は出来なかったので、クチコミで広がるように頑張った。

「行く行く! 後輩にも聞いてみるよ」

中里さんは買ってくれただけではなく、他にも声を掛けてくれた。

「もちろん行くわ」

竜岡さんも来てくれる。押し売りにならないよう気をつけながらも、一生懸命販売していたら……一週間で完売したのだ。

メンバー全員で手分けしていたし、中里さんのような手助けもあった。だけど感動してしまった。メンバーも喜び、更に練習への力が入る。


その合間をぬって、中里さんと竜岡さんと3人で遊びに出かけた。泊まりがけは叶わなかったけど、テーマパークで充実した一日が過ごした。



あと3日で卒業式だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ