無限地下鉄
掲載日:2026/10/21
地上から切り離された深層の地下鉄で、言葉を失った人々とともにどこへ向かうとも知れず揺られ続ける僕たちの、静かで深い孤独の記録です。
満員電車がすべる深層の線路は
どこまで行っても次の駅へと逃げていく。
吊り革に下げた手首の重みだけが
僕がまだここに居る証拠だった。
スマートフォンの青い光が
顔のない乗客たちの影を白く浮かび上がらせる。
誰もが誰かの隣で孤独を抱え、
言葉を飲み込んで息を殺している。
終点は、いつ訪れるのだろう。
ドアが開くたびに冷たい風が吹き込み、
誰かが降り、誰かが乗り込み、
ただ無機質なアナウンスだけが繰り返される。
地下数千メートルの沈黙の中で
僕たちはどこへ向かって走っているのだろう。
地上にあったはずの太陽の温もりを
もう誰も思い出せないまま。
ご一読いただきありがとうございます。
満員電車の中でふと感じる「自分だけが世界から切り離されたような感覚」や、言葉にならない静かな孤独を形にしてみたくて書き進めました。
どこへ向かうとも知れない暗闇の中、この小さな記録がどなたかの心にそっと寄り添えたなら幸いです。




