↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

曖昧だけど正確な表現ですね。~婚約破棄~

作者: ロミ
掲載日:2026/09/25

皿うどんは好きですか?

 


「シルク・ダージリン侯爵令嬢!貴様との婚約を破棄する!!」


 年に一度、王宮で開かれるデビュータントの舞踏会で、突如キームン・ウエハウス第一王子が婚約破棄宣言。

 キームン王子の腕には、デビュータントの白いドレスを着た、よく言えば可愛い、悪く言えば、ぼっさい令嬢がへばりついている。


 対する、婚約者のシルク侯爵令嬢は、凛とした佇まい、誰もが二度見するほどの美女だ。



 俺は、デビュータントする妹のパートナーとして舞踏会に出席している。


「何やってるんだ、キームン、勘弁してくれ」


「お兄様、これは、あれですね。

 ”長期旅行は楽しかったけど、やっぱり家が落ち着く~。

 旅行先の割烹料理もおいしかったが、毎日豪華な料理じゃ飽きるよな。

 これ、これ、小腹が空いたら皿うどんだな”

 ですね」

 妹は、目を輝かせて見ている。


「う~ん。そうかな、違う気がする」





「シルク侯爵令嬢!貴さまは、この可憐なアールに嫉妬し、数々の嫌がらせをした。そんな女は未来の王妃にふさわしくない」


「キームン王子、私はアールという娘を知りません」


「何をしらばっくれている。証拠は挙がってるんだ」

 シルク侯爵令嬢の反論に、キームン王子はご立腹。


 そこへ、キームン王子の後ろに控えていた、インテリ眼鏡のグレイ侯爵令息が声をあげる。

「証拠をお見せします。○月〇日昼休み後、アールの教科書が引き裂かれました。みなさん見て下さい。これが引き裂かれた教科書です。シルク侯爵令嬢が、教科書を引き裂いている姿を見た目撃者もいます」


「私は見ました。シルク侯爵令嬢が教科書を引き裂いている所を」

「私も見た」

「俺も見たぞ」


「私はその日、王妃教育のため、学園には登校しておりません」


「「「・・・・。」」」

 顔面蒼白の目撃者たち。


「ぬぬぬ。じゃあ、誰が教科書を破ったんだ、お前が指示したんだろ!」




 会場がざわめく。

「は~。詰めが甘いだろ。ちゃんと相手の予定ぐらい確認しろよ」


 「お兄様、これは、あれですね。

 ”皿うどんが食べたくて、皿うどん麺と、キャベツと人参と豚肉と、シーフードミックスと、色付きかまぼこ買ったのに、いざ作り出して最後の仕上げにとろみをつけようとしたら、片栗粉買い忘れた”ですね。


「ん~。そうか?詰めが甘いのは一緒だな」




 今度は、ぼっさい令嬢アールがしゃべり出した。

「私、怖かったんです。学園の廊下ですれ違うたびに睨まれるし。足を引っかけられて転びそうになった事もありました。学園の裏に連れていかれて、暴言を吐かれたこともあるんです。え~ん(泣きまね)」


「アールが言っている、事実だろ。気弱なアールをいじめるなんて、やはりお前は悪女だ」


「先ほども言いましたが、私はアールという娘を知りません。もし仮に知っていたとしても、私と廊下ですれ違う事も、学園裏に呼び出す事も不可能です。

 アール令嬢は、今日デビュータントですよね。

 学年が違います。デビュータント前の娘は、坂の下の第三学園。私が登校しているのは坂の上の第一学園です」


「ぬぬぬ。いいがかりだ。お、お、お前は第三学園に行ったんだ」





 俺は頭を抱えた。

「は~、普通気付くだろ。いいがかりはお前だ」


 お兄様、これは、あれですね。

 ”皿うどんを食べようとして、本当はソースをかけたかったのに、酢を間違えてかけちゃった”ですね。


「ん?微妙に違うか?全然違う色なのに、間違えたということか、合ってるか」






 もう1人、キームン王子の後ろに控えていた、筋肉ムキムキのアッサム辺境伯令息。

「他にも、他にもあるぞ。アールは学園の正面玄関にある階段から落とされたんだ。その時、俺は階段の下にいてアールを受け止めた。俺がいなかったら怪我をしていた。

 階段の上に、シルク侯爵令嬢らしき人影が見えたんだ」


「そう、私、シルク侯爵令嬢らしき人から押されたんです。押されてバランスを崩して転落しちゃって、アッサム様が助けてくれなかったら、死んでたかもしれない。えーん(ウソ泣き)」


「そら、そら見ろ、お前の悪事が出て来たぞ。どうだ」

 キームン王子がシルク侯爵令嬢を煽ってる。


「はぁ(イライラ)。学園の正面玄関にある階段と言われましたね。第一学園も第三学園も、正面玄関の階段は、3段しかありません。私らしき人を見た。はぁ(怒り)。3段の階段上に居る人物が、はっきり見えない目をお持ちですか。はぁ(呆れ)」





 俺は、お腹に手を添えた。

「マジで、何やってんだあいつら。あ~胃が痛い」


「お兄様、これは、あれですね。

 ”皿うどんの具が少しあまったな、皿うどん麺追加して、食べきろうかな。

 うぁ、麺がタレを吸って増大しちゃったよ、腹いっぱい。食べれない”ですね。」


「お前、皿うどん好きだね。ん~、無理して追加して墓穴ほったは、一緒かな」





 冷ややかな目で、キームン王子達を一瞥するシルク侯爵令嬢

「呆れて物が言えません。婚約破棄承知しました。ごきげんよう」


 シルク侯爵令嬢は、そのまま踵を返して会場を後にする。

 会場を出る直前、俺に”お前、何とかしろよ”の睨みをきかせて。




 その後は、大変だった。

 騒ぎを聞いた顔面蒼白の国王と、怒り心頭のダージリン侯爵登場。

 その場で、キームン王子とその取り巻き、アール令嬢は引きずられ、どこかに連れていかれた。


 会場に残った第二王子の俺と、王女の妹。


「お兄様、これは、あれですね。

 ”災い転じて福となす”ですわ。さあ、行きましょ」


 妹よ、最後まで皿うどんで例えてくれ。









皆さんは、旅行先から帰ってきたら、皿うどん派ですか?私は、卵かけごはん派です。

今回の小説は、わずらったい説明ほとんどなし、ノリと勢いで書きました。


”曖昧だけど正確な表現ですね。~婚約破棄のその後~を投稿しました。

続きです。よかったら読んで下さい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 ロミさん、こんにちは。 「曖昧だけど正確な表現ですね。~婚約破棄~」拝読致しました。  例によって、婚約破棄宣言。  それを、皿うどん扱いする、デビュタントの妹。妹よ、それでいいのか。  破棄…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。