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Episode01 【世界の運命を担う男】

崖の上の岩場に、仲間とはぐれた一人の少年は立っていた。

少年はその場所で何かを探していたようだった。それでも「ソレ」

は見つからず、やむをえずその場所を後にした。

そこから離れた少年は歩き始めた。

そしてしばらく歩くと岩場の中に小さな穴を見つける。

少年がその穴を見ると光明に輝いていた。


「これはもしかして…」


少年は持ち前の抜群の勘でその隠れていたものを掘り起こすことにした

しばらく掘り続けると少年はそれが何なのかわかる。

光明に輝いていたものは少年が探していたもの、まさしく「ソレ」だった。


「やっぱり!」


嬉しくて思わず少年は叫んでしまった。だが、少年が喜んでいたのは

束の間だった。少年が後ろを振り向くと、いつから少年を追っていたのか

わからないが、魔女がいた。その魔女はこの世のものとは思えないような

顔をしていた。その上、少年に攻撃をしようとしていたようだった。

それでも少年は魔女に対する恐怖はいっさいなかった、

ましてや刃向かおうとしていた。


「来るなら、来い!」


少年は魔女に自信満々に言葉をぶつける。


「こんなところにも、(ゴミ)になってなかったヤツがいたようだね♪」


魔女は不気味な笑みをこぼしながら言った。


「やれるものなら、やってみろ」


「お前なんて、一発で(ゴミ)にしてやるよ」


少年が言葉を吐くと魔女の目の前に魔方陣が現れる。それを見た少年は

いそいで本を構える。


「さぁ、来い!」

「It、Thunder.」


魔女に向って本を構え。呪文を唱えた少年なのだが、何も起こらなかった。

そうして呪文を唱えられなかった少年は魔女を見てオロオロしてしまう。


「次は、私の番だね」

「Se torne o inseto」


魔女が呪文を唱えると少年の目の前に輝かしい光が現れる。

その光が消えると、少年は自分の姿を確認する。

(ついに僕もやられたか…)

少年がそう思ったのも束の間だった。もう一度自分の姿を確認すると。

虫ではなく弱々しい老人の姿になっていた。


「ちっ…」


老人になった少年を見た魔女は舌打ちをした。


「まぁいいさ、あとから効果が出るからね、そう黄金虫にね」

「とりあえず、その本と一緒に崖から落ちな」


魔女は自分の失敗を隠すために老人になった少年を崖の近くに誘導して

思いっきり蹴飛ばした。

(…助けて、だれか僕の姿が見える人、…)

その叫びも虚しく少年は崖から落ちていくのだった。



「ジリリリーン」


目覚まし時計がなっている。だが今日はいつもより眠く

止められない。とめようとしても眠気のせいか頭がフラフラになる。

(起きないといけないのに…)

俺、府立湘栄大学付属高等学校に通っている西田鍵史は

朝から睡魔と闘っていた。しかも間が悪くこの日に限って試験だった。

(このままだと遅れてしまうな…)

いつまでも寝ていたら優等生である。俺の名誉に傷がつく。

そう思ってベッドから急いで降り。支度をすることにした。

一回に降り、服を取りに行こうとしたのだが…。

玄関を見てすぐに気づいてしまった。

(もう制服が用意されている。)

たぶん、アブルが用意してくれたんだろう。俺はその制服を来て家から

飛び出した。そして俺が走っている途中に老人とすれ違う。


「そこの君、ちょいと道案内をしてくれんかのう?」


老人は急いでいる俺の進路を遮るように道案内をせがんできた。

当然のことながら。俺は道案内なんかしている暇などない。


「他をあたってください。」


俺は冷たく老人を突き放した。そのあとも何かを言っていたようだが

無視をして先を急いだ。

学校についてみると。生徒はほとんどいなかった。

(まずいな…確実に遅刻だ)

その様子を見た。俺は走って教室まで行くことにした。


「まさか、キミが遅刻するなんてね。西田くん」


教室につくと、クラスメイトの江村哲雄が憎たらしそうな顔で

俺のことを見ていた。それでも俺は反論することは出来ない。

(くそ…あの、老人め)

俺は遅刻しそうなときにあった老人のことを思い出す。


「とりあえず席に着きたまえ。西田くん」


江村は教師と同じ物言いをする。そして俺はイライラしながらも席につく。


「今から試験だ!全校生徒は席に座るように」


開始の合図を担当教諭が言う。その瞬間に自分との戦いが始まる。

ここの学校の試験は普通の学校と少しばかり違う。それはなぜかと言うと

自分の考えた問題がテストに出るからだ。

考えるうちに問題用紙が俺のところに回ってきた。それで問題はと言うと…。

(マジかよ…)

その問題を見た瞬間。肩を落とす。

よりによって難読過ぎる漢字ばかり並んでいた。

俺は調子に乗っていた自分に後悔する。

それでも問題をしないと俺の輝かしい名誉に傷がついてしまう。


「…やるか」


俺は小声で呟き、問題に手をつけた。やってみると思ったより簡単で

みるみるうちに問題が解ける。そして全て問題が解け。俺は寝ることにした。


「ピンポンカンコン」


俺が睡眠から覚めると一時間目の試験は終わっていた。

そして試験が全て終わり。


「じゃあな。江村」


唯一、学校に登校していた江村に挨拶をし、俺は学校を後にした。

商店街を抜け。家に向っている途中に誰かに声をかけられる。


「助けてください!」


俺は声がしたほうを向いたが誰もいなかった。


「ここです。」


このとき足元に何かの感触がした。下を見てみる。

するとそこには小さな黄金虫がいた。

(なんだ、なんだ?)

突然の事態に驚く。その黄金虫は俺に助けを求めているようだった。

それでも俺は不審に思い無視することに決めた。


「悪いが、急いでいるんだ」


俺は立ち去ろうとしたが。黄金虫は俺のことを見て微笑んだ。


「ただとは言いません。助けてくれるかわりに…」


黄金虫がそう言うと何かを取り出す。


「このウィックドの新書をあげます」


黄金虫は俺に本を見せた。興味津々な俺はその本のことについて尋ねる。


「何が起きるんだ?」


「…」


俺が訊くと黄金虫は黙ってしまった。俺はしかたなく黄金虫を家で

保護することにした。その虫を肩に抱いて俺はこの場所を後にした。


「ただいま」


家に帰った俺は世話役の外国人。アブルに挨拶をする。


「アブル、今日の晩御飯は何でもいいよ」


「わかりました♪鍵史様」


アブルは意気揚々と台所に向った、それを見送り二階へ俺はあがる。


「はぁ…」


自分の部屋についた俺はため息をついた。

そして、今まで背負っていた虫を降ろした。


「さっきは、悪かった…」

「禁則だったんだよな。もう一度話しを聞かせてくれ。」


虫に向って頭を下げると、静かに口をひらいた。


「…それで、この本『ウィックドの新書』は取り扱いが難しいです。」

「まず一つに、本を持ってページを開いても魔法が使えないこと」

「次に、魔法を使うには本を解読しないといけないことです。」


非常に柔らかい物腰で本のことを丁寧に説明をしてくれた。

(…それにしても、今日は試験なのに、江村しか登校していなかったな)

俺はそのことを疑問に思っていた。

そこで怪しい雰囲気を保ちだす、その虫に聞くことにした。


「お前なにか知ってるか?」


そのときだ―


「カタカタ、カタっパッ!!!」


虫が持っていた『新書』は突然開きだした。


「…あなたは、どこかで合ったことありましたっけ?」


その本が開いた瞬間、神聖な服に身を包んだ女性が現れた。


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