静寂の港　-群れの記憶-

かつて人類の誇りとして築かれた宇宙港〈第1ポート〉は、銀色の嵐に包まれていた。
その正体は、港建設期に使用された整備用ナノロボット。だが今、彼らは未知の指令に従い、人も施設も飲み込み始めている。

暴走を止めるため、宇宙艦〈エンタープライズ〉のクルーたちは港内部へ潜入する。
技術士官カミシロ、船医カサハラ、そして偶然の鍵を握る少年アサト。
それぞれの葛藤と決断が、静寂を取り戻すための戦いへと重なっていく。

やがて港は再び息を吹き返す——はずだった。
しかし、嵐の記憶は消えてはいなかった。
群れは進化を遂げ、やがて人類の歴史に新たな脅威として現れるだろう。

静寂の向こうに待つのは、希望か、それとも——。