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願い下げだな

だからマリーチカはたぶん、


<他者を人間と見做さない感覚>


が身に付いちまうだろうなってって思ってる。正直、そんなのがトーイのパートナーってのは、願い下げだな。


もちろん、そういう連中の中で育ってもリーネのようになれるのもいるかも知れねえが、まあ、例外だろうさ。何しろ、阿久津安斗仁王(あんとにお)が生きてた世界でだって、


『女に親でも殺されたのか?』


ってえレベルで毛嫌いしてた奴らもいたよな? そんなことをホザく奴らが湧いて出る程度には、なるほどそういう女もいたんだろう。ただ、そういう奴らは、やたら主語を大きくしやがる。自分がたまたま見た女がロクでもなかっただけで『だから女は』とか言う奴な。


もっともこれは、『だから男は』とかホザく奴らと同類だから、性別関係なくそういう奴がいるってだけなんだろうけどよ。


そういう意味でも、リーネはたぶん、例外なんだろう。ただし、自分を律することができてるだけで、<他者を人間と見做さない感覚>そのものは持ってる可能性は高い。アントニオ・アークだって同じだ。本質的にはそういう感覚は確かに持ってる。あくまで意識してその感覚を正当化しないってだけでな。


だからリーネも、俺のそういう姿勢に倣ってくれてるんだろうなとは思うし、それでいいと思う。大事なのは『正当化しないこと』だ。


だいたいよお? 改めて言うが、人間が生むのは人間なんだぜ? 人間じゃないものを生んでそれを人間にするわけじゃねえんだ。生まれたのが人間じゃねえんなら、そりゃ親自身が人間じゃねえってことだ。


犬は犬しか生まねえ。


鳥は鳥しか生まねえ。


人間は人間しか生まねえ。


その現実を認めねえで自分にとって都合悪い相手を<人間以外の何か>だと言い張るのなんてのは、ただの<嘘>じゃねえか。違うのかよ? 人間を人間じゃねえ何かだと言うってのは、嘘じゃねえなら何なんだ?


あ?


人間を人間じゃねえものだと強弁してそれが正しいとか思ってる奴なんざ、ただの<虚言癖>じゃねえか。違うのかよ? 現実を現実として認められねえ、てめえの妄想が正しいと思い込んで喚き散らしてるような奴が虚言癖じゃねえならなんだってんだよ?


嘘松垂れ流して自分じゃそれを嘘だと思ってねえ奴と同じじゃねえか。


って、話がかなり脱線しちまったが、とにかくリーネには<他者を人間と見做さない感覚>があったとしてもそれを正しいことだとは思ってないのは見てれば分かる。しかしマリーチカがリーネと同じようになってくれるとは限らない。


そういうことなんだよ。



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