自分が労ってもらいたいなら、まず自分が相手を労え
『自分が労ってもらいたいなら、まず自分が相手を労え』
つくづくそれを思い知らされる。
『なんで向こうが労ってくれないのにこっちが先に労わなきゃいけねえんだよ!?』
ってか? あのなあ。それを、
『他人の所為にしてる』
って言うんじゃねえのかよ? あ?
自分が相手を労わないのを相手の所為にしてるような奴が、
『親の所為にするな』
『他人の所為にするな』
『社会の所為にするな』
とか、よく言うな? 自分が言ってることを理解できてねえだろ?
子供に労ってもらいたいなら、まず親が子供を労って手本を見せる必要があるじゃねえか。
いやほんと、今世はそれを実感させられまくってるよ。俺がリーネやトーイを労ってるから、
『相手を労うってのはどういうことか?』
って手本を見せることができてるから、リーネとトーイも真似をしてくれてるだけなんだ。加えて、二人にとって俺が労う価値のある相手になれてるってのもあるだろうしよ。
俺だって、いい歳をして人としての道理もわきまえてねえ奴なんざ素直に労いたいとは思えねえよ。そこは嘘を言っても始まらねえ。正直な気持ちだ。
けどよ。子供相手にそれができねえってのは、ただの<甘え>だぜ? 相手は子供なんだからよ。人生経験も乏しく、大人が示す手本を見てそれを学ぼうとしてる状態なんだからよ。上手くできなくて当然じゃねえか。だから大人が手本を示して経験を積んでもらうんだろうが。学んでもらうんだろうが。その当たり前の順番すら理解できねえような奴のどこが<大人>だって?
笑わせてくれる。
俺がリーネやトーイを労うから、リーネやトーイも俺を労ってくれるし、その姿を見ることでイワンもカーシャもそれを学べるだろ?
そうやって家族がお互いに労い合えるようになりゃ、
<居心地のいい家庭>
になるじゃねえか。違うか? 自分は家族から労ってもらいてえが、家族のことは労わねえとか、何様だ?
あと、
『家庭が居心地好くなったら外に仕事に行けなくなるだろ!』
とかホザくのもいるみてえだが、何言ってんだ?
『家庭が居心地好いからお外に仕事に行きたくありませ~ん』
って、それこそただの<甘ったれ>じゃねえか。お前らがさんざっぱらバカにしてる<甘ったれ>以外のなんだって言うんだよ。ああ?
よく考えてみろ。
『居心地好い家庭を守るには結局は外で仕事して金を稼がなきゃいけねえ』
のは変わりねえじゃねえか。いい歳した大人がなんでそんなことも分かんねえんだよ。おかしいだろ?
 




