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俺に配られたカード

『配られたカードでやっていくしかない』


以前にも触れたその話を改めて実感する。だがそれは、子供に対して押し付けるためじゃねえ。<リーネ達の親>である俺自身に対してそう思うんだ。


俺が今の俺に生まれ付いたことも、リーネと出逢ったことも、トーイと出逢ったことも、イワンと出逢ったことも、カーシャと出逢ったことも、全部、


<俺に配られたカード>


なんだよ。それをどうするかは俺が考えるしかねえ。リーネの体が小さいことも、イワンの足が不自由なことも、カーシャの目が見えないことも、全部含めて<俺に配られたカード>なんだ。自分の子供の能力やら性格やら人間性やら適性やら、そういう諸々全部が<俺に配られたカード>なんだよ。当たり前じゃねえか。


それをどうやっていくかを考えるのが親の役目だろうが。


『配られたカードでやっていくしかない』


てのはな、責任を子供におっかぶせて親が手抜きをするためにある言葉じゃねえんだ。もっとも、その言葉の(もと)になったものを考えた奴がそのつもりでそんなことを言ったのなら、俺は心の底から軽蔑するけどな。


少なくとも俺は、俺の手抜きの責任をリーネ達におっかぶせて逃げるために使うつもりはねえよ。


それで考えたら、トーイが一番、<普通>なのか? 自分を守ってくれた母親が死んでいくのを肌で感じてた子供が<普通>ってんならそうなんだろうけどな。


そういうのも含めて、俺は、<俺に配られたカード>で何とかやっていくつもりなんだよ。


で、朝起きてからの諸々を終わらせて朝食を皆で食う。が、カーシャについては、まだ俺達と同じものは食べられない。で、実は先に俺が村までカーシャを連れて行って、乳が出る女に金を払ってもらってきてた。ついでにウサギの胃袋で作った水筒みたいなもんにも乳を詰めてもらってな。これを夕方にも行う。夜の間の分のためだ。冷蔵庫がありゃもっと一度に用意してもらって冷蔵しておけばいいにせよ、ないもんはしかたない。


大変なのは事実だが、そんなことは分かっててカーシャをもらい受けたんだ。今さら愚痴るつもりもねえ。それに、後何ヶ月かの話だしな。そうすりゃ離乳食に移行できる。


とにかく、今あるもので何とかするしかねえんだよ。子供に対しても、『配られたカードでやっていくしかない』とか言いてえんなら、まずは親が手本を見せろ、泣き言は要らねえ。親がまず手本を示すんだよ。大人なんだろ? 四の五の言わずにやってみせろや。てめえがやることやってから偉そうにしろ。やれねえんなら偉そうにすんな。


簡単な話だ。



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