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千の獣の皮を被った王女

で、続きはと言うと、


『ドレスと外套が用意され、『明日、結婚式を執り行う』と告げられた王女は、いよいよ追い詰められて、ドレスを持ち、千の獣の皮で作られた外套をまとった上で炭を体中に塗りたくり、それこそ獣のような姿になって王城から逃げ出した。


こうして森に逃れた王女だったものの、獣に間違われて、しかも奇怪なその風体から珍しい獣として王への献上品にされ城へと送られる。とは言えさすがに途中で人間であることを悟られるが、まさか逃げ出した王女であるとは誰も思わず、そのまま下働きの下級メイドとして働かされることになった。王女の方も、森でどうやって生きていけばいいのか分からずに途方に暮れていたので、やむを得ず働くことに決めた。


しかも、王女として贅沢な暮らしをしてきた彼女は、下働きの鬱憤を晴らすため、城でパーティーが執り行われる度に、体に塗った炭を落とし千の獣の皮の外套をドレスに着替えて客にまぎれて悦に入った。


すると、王が『王女に似ている』として彼女を呼び留めようとしたことに気付き、王女はパーティー会場を抜け出してドレスから外套に着替えて再び体中に炭を塗り下働きの下級メイドに戻って逃げ延びる。


それが二度三度と繰り返されるうちに、王はその客が王女であると確信し、王女を捕えようとするが、彼女はやはり千の獣の皮の外套に着替え、やり過ごそうとした。


けれどその時の彼女は、右のくるぶしに炭を塗り忘れており、月明りに照らされた白いくるぶしに気付いた王が彼女の外套をはぎ取り、遂に王女は捕らえられてしまう。


だが、下働きの下級メイドとして働くことにも嫌気がさしていた王女は、贅沢な暮らしができるならと諦めて王との結婚を受け入れ王妃となり、それからは幸せに暮らしたのだった』


……って、マジの近親相姦エンドかよ!? えげつないな。しかも、『贅沢な暮らしがしたいから』って、この王女もそれで実の父親を受け入れるとか、たいがいだろ。


まあ、王女として生まれた時から贅沢な暮らしをしてたから下級メイドとして暮らしていくとかできなかったのかもしれないが、それでも結果的に、本人の元々の生まれのおかげでなんだかんだまたいい暮らしができるようになるってことなわけで、『下賤の生まれの娘が王妃の座を射止める』って話でもないし、いやはや、実に世知辛くて夢のない話だ。


加えて、実の父親と娘が結婚とか、何を思ってこの話を作ったんだ? これを考えた奴は。


意味が分からんぞ。



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