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今日も一日頑張ろうか

そんなわけで、リーネとトーイの前でのしゃべり方も改めて気を付けるようにする。


「おはよう」


「おはようございます」


「おはよう……」


朝の挨拶も、なるべく柔らかい言い方になるように気を付ける。我ながらいい感じだと思う。この調子でいかなきゃな。二人も穏やかな感じで応えてくれてホッとした。


いきなり言葉が荒れることはないと思うにしても、ずっと俺が荒れた言葉遣いのままだとさすがに影響されるだろ。親のガラが悪いとたいていは子供も似た感じになっていくだろうしな。


前世じゃ子供がどんな風に育つか親の影響なんてたかが知れてるって話にしたがってるのが多かったが、ガラの悪い親の子供はガラが悪かったりしたじゃねえか。全部が全部そうとは限らないにしても、少なくともそういう印象が持たれる程度にはガラが悪いのがいたってことだろ?


もちろん、だからって犯罪者の子供が必ず犯罪者になるとは言わねえよ。あくまで<傾向>の話だろうからな。でも、傾向ってものがあるなら、何の心構えも持たずに漫然とやってちゃダメだろ。俺は別にリーネやトーイに俺と同じになってほしいわけじゃない。


俺より少しだけマシな人間になってもらえりゃそれでいいんだ。


「それじゃ、今日も一日頑張ろうか」


「はい♡」


「うん!」


言って、俺は鍛冶の仕事の準備を始め、リーネとトーイは朝食の準備を始めた。


竈に火を熾し、料理が始められるようになるまでの手間が前世と桁違いだからな。スイッチ一つで火を熾せてってわけじゃない。


火打石で火種を作ってそれを徐々に大きくして薪に燃え移らせてと、手際よくリーネはやってくれるが、それでも火の調節ができるまででも十分ほどかかる。そうしてようやくスープのための湯を沸かし始めて、それをトーイに見てもらい、リーネは風呂場の方に行って今度は暖炉に火を熾す。


俺が作った火掻き棒で灰を掻き出し、新たに薪をくべて、いったん母屋に戻って竈で燃えている薪を一つ持ってそれを火種にして暖炉に火を入れていく。


火が点いた薪を火掻き棒で暖炉の奥に押し込み、煙突の下までやると、上昇気流が発生。これで煙は上昇気流に乗って煙突から外へと排出され、風呂場の中の空気を暖炉が吸って燃焼を続ける。で、風呂場にはわざとそとの空気が入ってくるように隙間を設けてあるから、そこからまた新鮮な空気が入ってくる。


で、暖炉の燃焼が安定したのを確認した彼女は、外から浴槽に来てる樋の部分の窓を開けて水が流れるようにして、外の貯水槽に溜まった水を桶で樋に流し込み、浴槽に水を足す。


前世のように風呂に入る度に湯を全部入れ替えるなんて贅沢なことはできないからな。



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